全員が渡り終えると、綱は切られた。吊り橋とともに敵の幾人かが奈落の底に落ちてゆく。「もう戻れない。我々は前に進むしかないのだ」崖に背を向け、長老は厳かに言った。だが、長老は一歩も進むことができなかった。深いしわが刻まれた顔をゆがめ、口から…
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