Tome文芸館 Annex

自作読み物を紹介。動画用朗読音声を常時募集。英訳はGoogle翻訳。

2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

バットを振る

世界記録を塗り替えた一流のバッター。 彼にバットの振り方を教わっている。 「コンパクトに構えて速く振り抜け」 「ええと、こうですか?」 「おれなら、もっと速く振れる」 彼はバットを持たずに実演する。 「なるほど」バットが見えない。 「続けたければ…

草刈り冷戦

マンションの裏庭で草刈りをしている。 月一の定期集団清掃では追いつかないからだ。 背の高い草だけを低い位置で刈り取る。 根は残す方針だ。 芝生と雑草、あえて区別しない。 むしろ、芝生は冬枯れて寒々しくなる。 今回の大規模修繕工事で塀を交換し、 そ…

従順パターン

ある極秘情報を携帯端末に入力しようとしている。 そこで指令があり、外出することになった。 急ぎ入力したが、ちゃんと保存できたか心もとない。 ともかく携帯端末をポケットに入れて外出する。 どうやら会社の上司や先輩らと外食するらしい。 またか。 な…

ステレオコンポ

優秀なる若い男女4人を拉致した。 殺害を目的として拙宅に潜入したからだ。 彼らは頭脳と顔だけのアンドロイドとなり ステレオコンポの中に隠れていた。 「おい。ここに隠れているのはわかっている。 返事しろ。なければ、このまま処分するぞ」 うめき声が…

仮想通過

教室にあるような机に向かい 若い女が椅子に座って作業している。 なにやら価値あるものを作っているようだ。 できあがったもののうち、コインのようなものを 机の真下の床に置いたりもする。 ある老人が彼女の近くで粗相をしてしまった。 ゴミのように価値…

お掃除ロボット

少年はとんでもないロボットを作ってしまった。家にあった掃除機をいじって改造したのだ。ロボットは歩きまわり、落ちてる物を拾う。それらを加工して自分の体に組み込む。生物でも危険物でも、なんでもおかまいなし。機能を増やし、性能をアップさせる。そ…

横目の修羅場

会社の事務所で追い込みをかけている。 納期が迫っているのだろう。 社員たちには外食する余裕もない。 作業中の後輩のために先輩が弁当を買ってきて 遠慮がちに配ったりしている。 そんな修羅場を横目で観察しながら考える。 子種を授けるのが使命の営業マ…

太鼓部隊

ここは中国の学園であろうか。 モンゴル風な衣装の婦人の姿もある。 目の前、草におおわれた石段が見える。 草の根に押され、石が盛り上がっている。 この状態のままにしてはおけない。 園長が要請したのか、軍隊が動き出した。 まず、太鼓部隊が先陣を切る…

チームの逃走

ゲームセンターに不良青少年らがたむろする。 仮想の岩壁を疑似的に登る体力ゲームが今熱い。 対抗する新興チームに負け続け 手持ち財産を失った古株チームは戦線離脱。 リーダーの男は床に崩れ、立てない状態。 そこへ若い女が颯爽と現れる。 女は彼らの改…

駅で収録

ある駅で下車。 構内で合唱曲の収録がある。 男女混声グループの歌を録音する手はず。 演奏はない。つまり、アカペラだ。 そのメンバーのひとりがおれ。 作詞家でもあるようだ。 他にスタッフらしき外国人がふたり。 あるいは、追っかけファンかもしれない。…

種の爆弾

手のひらほどの大きな種を割って開く。 カボチャの種の形をしたCDプレイヤーみたい。 この中に信管をセットすると爆弾になるらしい。 さして強力ではないが、下手すれば死ぬ。 その時、会社の固定電話が鳴った。 対応した女性事務員が社長へつなぐ。 「誰か…

良識からの解放

ゲイの男たちが激しいプレイをしている。 服を着たままだが、その攻撃部位に特徴がある。 激しい。怒号、悲鳴。容赦ない。 まるで破壊を目的としているかのようだ。 ある意味、爽快である。 女に対するような遠慮や抑制がない。 少なくとも良識からは解放さ…

白い煙

公園で複数の誰かと議論していた。 それから、問題解決のために焚火を始める。 落葉と一緒に廃材を焼却するつもり。 それは、我々の提案が優秀であることを 証明するため、必要な作業のように思える。 近くに焼却炉があり、善良な市民が利用している。 善良…

ジャンケン新聞

子どもらが新聞配達の手伝いをしてくれる。 ジャンケンで配達地区を選ぶそうだ。 ところが、ある特定の回数において ジャンケンするたび、子どもが一人消えてしまう。 それも、腕に抱えた新聞ごと。 これにはまったく困ってしまった。 いったい、どこの時空…

合わない靴

自宅に友人らが集まった。 イベントを企画していたような気がする。 そろそろ出勤の時間だ。 散会となり、一緒に出かけようとする。 ところが、そろいの靴が見当たらない。 どう組み合わせても左右が合わない。 破れて穴のあいた革靴まである。 しかも、キョ…

不毛な荒野

雑多な人たちが飲み屋に集まった。 大将の提案でゲームをやることになった。 まず二組に分かれ、畳の上に徳利を落とす。 それが立つか転ぶかによって先攻後攻を決める。 怒りっぽい男を時限爆弾に見立て 起爆装置となる女の解体ショーが始まった。 どうやら…

泡立つ視覚

視野いっぱいの奇妙な映像。 接近して水槽の中を見つめているような 水槽の内側から外界を眺めているような。 流れるように映像は移り変わる。 泡立ちの合間に女の歪んだ笑顔なども見える。 これは何かの実験のようだ。 ライバル関係にある男と学術的に対決…

歌唱力

海外のコンサートを観客席から眺めている。 電気仕掛けの和楽器が演奏されている。 日本人アーティストがゴミ箱らしきものを抱きかかえ 有名なボーカロイドの曲を歌い始めた。 どうやらゴミ箱らしきものは大きなマイクらしい。 カラオケ店の上手い客程度の歌…

闇のパトカー

深夜、オートバイに乗っていた。 思い出せないが、誰かと一緒だった。 途中、免許証を持っていないことに気づく。 近眼なのに眼鏡もかけていない。 「おれ、もう帰るよ」 そのように相棒に伝える。 路肩の闇にパトカーが停まっていた。 通り過ぎる寸前、その…

風船スイカ

優しくて愚かでもある人と一緒に暮らしている。 他に言いようのない人だ。 大きなスイカを一個、ご近所からいただいた。 さっそくナイフで切ると、弱々しい風船みたく割れた。 中身のほとんどが透明な果汁。 固体の部分がほんのわずかしかない。 もったいな…

加速する

何かを共同制作していた。 それはバイクだったかもしれない。 途中、ひとり場所を変え、材料を探す。 物置小屋のような屋内。 手探りするうち、手に塗料が付着した。 濃い紫色のネバネバしたもの。 速乾性なのか、簡単に剝がれた。 使いの者がやって来て、指…

老人の本音

老人にとっては、健康が一番大事。 不快や迷惑の排除が優先される。 「ゴミを捨てるな!」 「マナーとルールを守れ!」 外見なんか気にしてられない。 もったいないとか言ってられない。 ただし、病院と薬と余計なおせっかいはきらいだ。 The True Intention…

穴埋め

銀行との取引で損失が出た。 それで、穴埋めのために園芸を始める。 洗面器ほどの大きさのプランターを用意。 土を入れてプランターの縁まで平らにする。 その上に砥石のようなミニカーを置く。 プランターを傾けると、ミニカーが滑り出す。 この操作を何度…

名人の推理

囲碁の名人と将棋の名人が、それぞれ 名人戦の最中に殺人事件に巻き込まれた。 世間の基準から偏っているであろうところの 優秀な頭脳でもって事件を究明するわけだ。 それはともかく、脚付き碁盤を挟んで 私の目の前に老婦人が座っている。 囲碁のルールを…

草の名前

集合住宅の裏庭の草刈りをしている。 時給500円未満の手当てを得て、毎朝少しずつ。 基本的に根ごと抜くことはない。 歩行の邪魔にならない程度に低く刈るだけ。 草のない地面は、雨で泥沼になってしまう。 もっとも、住民は見下ろすだけで歩きもしない。 野…

地に足つけよ

「正義」をかざすなかれ。 抽象概念をもてあそぶなかれ。 地に足つけよ。 時流に乗ってるだけではないか。 吹っ飛ぶぞ。 Put Your Feet on the Ground Don't hold "justice." Don't play with abstract concepts. Put your feet on the ground. Isn't you ju…

エレベーター試験

なぜかデパートの入社試験を受けている。 筆記でも口述でもなく、実技試験。 故障したエレベーターを修理せよ、とのこと。 参加した受験生たちは戸惑っている。 おれは気づく。 エレベーターの両サイドに隙間がないことに。 なぜかエレベーターを囲む床板は…

手術の前に

入院して手術を受けることになった。 さて、病院側と契約書を交わす段。 どうも余計な施術項目があるようだ。 「これは不要ではありませんか?」 「必要ではありませんが、改善されます」 「余計な手間はかけたくないのです。 たとえ、それによって危険が高…

動く草

たくさんの虫が地面を這っている。 色違いのバッタの群という感じ。 緑色の葉脈のような模様も見える。 こいつら、動く草だ。 カマキリを一匹見つけた。 異常なる嫌悪感。 無性に踏みつぶしたくなる。 しかし、逃げられてしまった。 翅(はね)が十枚もある…

ファンの少女

学校みたいな施設で作品発表会が行われている。 プレス関係者も少なからず来ているようだ。 2枚1組の写真のような絵画のような または動画のような額縁入り画像作品。 毛皮を着た女がしなを作って映っている。 心当たりないが、なぜか作者は私のようだ。 生…