Tome文芸館 Annex

自作読み物を紹介。動画用朗読音声を常時募集。英訳はGoogle翻訳。

2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧

吹き出し予想

将棋のプロ棋士対戦のWeb生中継放送を試聴中。液晶画面から泡のように吹き出しが量産される。何が書いてあるのか、速過ぎて読めない。そこで、予想してみる。「駒が成れなくて、困ったなり」ただし、これを実際に使うのは恥ずかしい。Balloon ConjectureList…

サンダルと体操着

家の玄関におびただしい数の履物。出かけるため、馴染みのサンダルを捜す。なぜか体操着姿の女子が一緒に捜してくれる。おそらく地元の中学に通う生徒だろう。やっと見つけた。女子に礼を言う。履き慣れたサンダル履いて外に出た。異様な物体が視界に入る。…

斜線の鳥

昨日、社長らしき偉そうな男に説教された。斜線で描いた鳥のデザインについて、だったか。その反感もあって、今日は無断欠勤することにした。会社の最寄り駅に着いてから決めた。駅を出ると看板があった。「イケメンに限る」とかなんとか。イケメンと自惚(…

たかが知れる

おらおら。おまえらに言うておくぞ。たかが知れるんだよ。おまえらのやってるこたあ。そこそこ面白いとしてもだ。結局やってるこたあ、お約束。得意そうにたまご産むニワトリさね。それも無精卵のな。狭いゲージん中、いきっとるだけやんか。想定内。おりこ…

小さな家

我が家の庭が公園になった。小さな家がニョキニョキ生えてきた。ベンチの後ろ、猫が鳴く。砂場では、先物相場が崩れた模様。暴走族のリーダーがママゴト始める。それ見て、幼女が脱皮した。はてさて。こいつら、どこから来たのやら。さてまた、どこへ去って…

あの女

事務所で作業中、男が訪れ、私に言う。「あの、誰だったかな。名前思い出せないが ともかく、あの女に電話をしなさい」ああ、あの女だな、と思う。電話番号をどこかに控えておいたはず。久しぶりだ。あれから色々あったな。ちょっと勇気いるが、確かに電話す…

家宅侵入

家の外に人の気配がする。揉め事はいやだな、と思った。あやしい男が家の中に侵入してきた。玄関ドアはロックしておいたはずなのに。黒い背広を着て、頭から紙袋をかぶっている。「こんなふうにして家宅侵入できるんですよ」それは近所の親しい住人の声だっ…

キッチンタイマー

キッチンタイマーはいいね。あれは便利だ。一家に一個の必需品。おいらなんか二個も持ってる。パソコン操作中は時刻を忘れる。でも、経過時間を音で合図。約束の時刻を厳守する強い味方だ。もちろん料理にも使う。最近やり始めたのは省エネ活用。ソバをゆで…

箱詰め

工場内、パレットの上に段ボール箱の山。国民的娯楽の第一人者に近い人物が管理人。この男、顔に特徴あり、近頃ちょこちょこ登場する。小憎らしいので人望ないが、実力はある。ところで、昔を思い出した。カードを機械で型抜きしてパートさんたちに箱詰めさ…

ホームドラマ

シェアハウスに若い男女がたむろする。AはBが好きだけど、BはCが好き。そして、CはBに興味なし。ままならぬ恋愛が織りなすホームドラマ。ほう、そうかい。誰が見るんだ、こんなの。狭い既存の世界の中で死ぬまで生きてろ。Home dramaYoung men and women li…

ジュースをこぼす

どこかの大型娯楽施設にて。こまっしゃくれた男の子が自販機で缶ジュースを買っている。将来の大器であろうところの面影あり。つい話しかけてしまった。「それ、私にもゆずってくれないかな」男の子は缶ジュースを集めてから「はい、どうぞ」自販機の前の場…

ドッジボール

子どもらが集まり、ドッジボールの試合が始まった。誰かが誰かを狙ってボールを投げる。すると、仕返しのように必ず狙われ返される。いかにも子どもっぽい反応だ。全体が見えてないのだな、と思う。もっと狙いやすい相手を選べばいいのに。DodgeballChildren…

引っ越した家

引っ越しをした。新しい家は古い家だった。玄関を出て、一旦は公道に出て、裏口にまわる。すりガラスの窓に照明が映っていた。(はて、誰か住んでいるのか?)そんな場所の電気を点けた記憶はない。というか、まだ家の奥まで行ったことがないのだ。まだ前の…

出発前

団体旅行に出発する直前、尿意を覚える。あわててマイクロバスから降りた。その場にしゃがみ、なぜか靴の中に放尿。すぐに失敗だったことに気づく。これでは靴を履けなくなってしまう。靴の中を拭こうとして、靴下を脱ぐ。大きな穴があいているので、捨てて…

将棋会館

将棋のプロ棋士、有名なタイトルホルダーたちと偶然のように廊下ですれ違った。これが噂に聞く将棋会館だろうか。まるで小学校の校舎みたいだ。階層式。下の階が低学年、上へ行くほど高学年。上の階に顔を出したら、声をかけられた。「こいつ、おれより強い…

犬の返事

実家のようでもある知人の家に寄る。庭の日当たりに飼い犬が寝そべっていた。日差しが頭に当たり、かなり辛そうな表情。きっと喉が渇いているのだろう。日射病かもしれない。「水をやろうか?」声をかけてみる。すると、情けない顔と声で犬が返事をした。「…

腹痛対策

寝る前に過食。目覚めてしばらくしてから腹痛が始まった。つかみどころのない鈍痛、そのうち汗が出てきた。いかん。なんとかしなければ。トイレで力んだり、体の向きを変えたり 試行錯誤の結果、即効の方法か見つかった。鴨居の上に両手を置き、小刻みに腹を…

不快な議論

ある宴会の席にて、不快な場面があった。偉そうな社長が、気弱な部下に飲食を強要する。鍋の残り汁に飯を入れ、「残らず食え」と。「俺の飯が食えないのか」と。立場の強者が命令する。それに唯々諾々と従う弱者。そこは調子に乗るところなのか。そこは忍従…

数列の登場

空中に数字の列が現れた。いわゆる数列。遠近感を感じさせつつ弧を描いて。踊るように動きまわり、時に分離する。こちらにウインクしたような気さえした。それら数値が何を意味するかわからない。無意味な乱数である可能性は高い。数列にからかわれているだ…

実家を追い出される

仲間と一緒に実家に辿り着いた。思い出せないが、どこかに寄った帰り。広間で食事を始めようとすると、監事が言う。「もう時間ないので、すぐに退出してください」もったいないので、皿の料理をあわててかき込む。しかし、すぐに追い出されてしまった。「え…

大いなる錯誤

前提が誤りではないか。根本がまちがっていないか。たとえば 自分が生きているとか、死んでいるとか。ここが現実であるとか、夢であるとか。あなたがあなたであるとか、私であるとか。そこらへんからして、すでに疑わしい。yayaさんが演じてくださった!Grea…

立体迷路BOX

立方体の白い箱。小さな正方形の穴が2つ。それぞれ青と赤のフチがある。この穴の一方から小さな鉄球を入れる。立方体の向きを変えると、中の鉄球が動く。音により、中が迷路構造になっているのがわかる。やがて他方の穴から鉄球が出てくる。いわゆる立体迷…

毒道場

仙術や呪術などを研鑽する道場があった。蠱毒(こどく)のような動物の虐待も行われていたらしい。若い女に毒饅頭を与え、いくつまで耐えられるかそれを調査する試みに参加したことがある。くだんの女は色と形から饅頭を選別する。いずれも毒だが、食い合わ…

大奥の乱れ

大奥の寝所にてご乱交。ただし、我は将軍にあらず。将軍の学友として参加している。性的に興奮しておらず、楽しんでもいない。そもそも、将軍は女の趣味が悪い。たとえるなら、女性ホルモン過多の男ばかり。延長コードとコンセントが入り乱れ いかがわしい電…

しなやかなヘビ

そのヘビを食べるとしなやかになる。表層の細胞が若返るようだ。ただし、食べ過ぎると内部から腐る。それでもかまわないと食べ続ける。目に見えない部分には目をつぶる。だが、遺伝子の中に組み込まれてしまう。こうしてあなたたちは腐ってゆく。知らんぷり…

ライフル撮影

組み立て式のライフル銃がある。それを持ってどこかへ行こうとしている。途中、上司である男に出会った。「それを使う前に写真を撮っておいてくれ」そうか、確かに。あとで撮影しても手遅れだ。カメラを取りに引き返そうか。Rifle ShootingThere is a rifle …

そんなこと

それはそうかもしれんが おれには他にすることがあるんだ。そんなことにいちいち関わってられん。そもそも、それはあんたの問題だ。あんたにとって大事なのは当たり前。だがな、人には人の事情ってもんがあるんだよ。ふと立ち止まって、あたりを見渡してみる…

時事カラオケ

ブログやSNSなどで 時事問題を熱く語る人たちというのは スナックなんかで ドヤ顔でカラオケを歌う人たちに似てないか。ほとんどすべてを 他人がお膳立てしてくれたにもかかわらず 上手に仕上げたのは 他ならぬこのわたくしである、みたいな。Current Karaok…

スカラベを噛む女

その女は一匹の甲虫を指でつまむ。まるでチョコレートの一粒をつまむかのように。それを駒に見立て、女は知的ゲームを闘うのだ。その道の第一人者と呼ばれる男と。甲虫の横長な頭部には4本の毛が揺れている。その毛に触れし者、地獄を見るという。女の細く…