Tome文芸館 Annex

自作読み物を紹介。動画用朗読音声を常時募集。英訳はGoogle翻訳。

2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

仕事をしよう

集団旅行で宿屋に立ち寄った。大きなテーブルの上に荷物が乱雑に載っている。旅館ではなく、飲み屋のよう。 または役所の受付のような気がしないこともない。「お名前、なんとお読みするのでしょうか?」チェックイン業務の女の子が尋ねる。さる下品な芸能人…

障子戸

細長い廊下のような自宅。玄関チャイムが鳴った。誰か来たらしい。出ようとすると、兄が立ちふさがる。「よせ。危険だから出るな」そうかもしれないが、用心ばかりしていたら いつまでも出られないことになってしまう。「いや、出るよ」ドアを開けると、誰も…

おもわせぶり

そうか あの人は おもわせぶり だったのだ。あの人は とても人気がある。しばらくは 僕もファンだった。なんとなく気になり 一緒にいると それなりに楽しい時間を過ごせる。でも あとで考えてみると なにが楽しかったのか 思い出せない。ぼやっとしていて つ…

灰色の空

お外に出たら 舗装道路のような灰色の空。これでは どっちが空で どっちが地面か わからない。どうやら本日 神様は 青い絵の具を切らしてしまったようだ。 「ゆっくり生きる」はるさんが動画にしてくださった!元「koebu」宏美(ろみりん)さんが歌を合わせ…

喉のライン

クルマの中で誰かと話をしていた。三人ほどいたはずだが、今は 後ろのシートに彼女と僕の二人だけ。そろそろ僕はおいとまするつもりだった。それなのに片手にワイングラスを持っている。さっき彼女が手に持ったまま背伸びをして 中身がこぼれそうだったから…

チャンス

この今 たった今 音もなく または チャイムを鳴らして チャンスが訪れる そして今 まさに今 音もなく または ドアを叩きつけるように チャンスは逃げ去る ただし あせってはいけない あなた自身がチャンスでもあるのだ いつまでも続けられることをしなさい …

丸くないボール

丸くもないのだが、気分的に ボールのようなものが目の前にある。 近くに誰かいて、なにやら対話している。 ただし、話し相手の姿は見えない。 「ゴミが出ること考えてないよね」 「どんどん作っちゃってね」 「反省もなく、さらに作ろうとしてるし」 「きっ…

マーラコーラチョコベリィ

牢獄のような印象のある校舎。あるいは孤島の要塞であるかもしれない。そこで私は教育を受けている。目の前に本棚のような壁があり 端から順番に並んだ異国の言葉を読みあげている。男性教師がまず見本を示すように発音する。「マーラコーラチョコベリィ」そ…

言う事

言う事は やる事と違う。言う事は 言う事をやる事でもあるが やり方が直接的ではない。間接的である。最前線ではなく 後方の安全地帯にいる。やれば それに見合った反動がある。つまり 危険をともなう。なので もしやるなら その反動を考慮せねばならない。…

上の段のベンチ

ここは公園みたいなところ。 私はベンチに腰かけている。 液晶画面を見ていたような気がする。 ただし、私は携帯端末など持っていない。 自宅のパソコンのことを考えていたのだったか。 やがて同じベンチの右側に老人が腰かける。 彼はカップ麺のようなもの…

インタビュー

僕たちはインタビューを受けている。 試合でもあって勝ち上がったのだろう。 あまりにも個人的な質問が降り注ぐ。 「生まれて初めて憎しみを覚えた相手は誰ですか?」 答えにくい内容ばかりだ。 「あなたです」 その時に僕の内部で不安が生まれる。 このメン…

警告と警報

なにかを操作している。見えているのは液晶画面だろうか。指示によって次々と映像が変わる。または変わる映像に対して次々と指示する。「こんなことをしている場合ではない。 やりたいことをする前になすべきことをせよ」これは内心の声か。それとも外界から…

彼女たち

今日、彼女が家にやって来るそうだ。まさか。そんなうまい話はあるまい。そう思っていたら、本当に来た。出てみると、女の人が目の前に立っている。彼女かと思ったら、違う。でも、懐かしい人だ。僕は「誰ですか、誰ですか」と言いながら 彼女をハグしようと…

快活な女

僕たちはとあるイベントで出会った。女ひとりと男ふたり。名所旧跡の観光旅行であったか、または 暴走族の集会であったかもしれない。ともかく僕たちはすぐに仲良くなった。それ以降も待ち合わせては 一台のクルマに乗ってドライブを楽しむ。彼女はとても快…

笑う猫の生首

我らはちょっとした小山のてっぺんにいて 各々もの思いにふけりながら、あらぬ方を眺めている。芸能人のようでもあり、物語の登場人物のようでもある。そこに蝶のような変な鳥のようなのが現れ 我らの周囲をゆっくりシャボン玉のように飛びまわる。それに注…

神のごとき院長

病院、またはそれらしき芝居の舞台。だから、彼女は座長かもしれない院長。もし我々が見事に演じられたら この病院のような舞台が手に入る。話がうま過ぎる。なのに彼女は約束する。我々はほぼ完璧に病院と患者を演じ分け もう手に入ったものと喜ぶ。ところ…

一緒に寝よう

久しぶりに会う彼女は小顔になっていて 若々しく、しかも美人に見える。結婚していて出産も済ませたはず。そんな彼女が僕に詰め寄る。 「どうしてそうなるの。はっきりしなさいよ」腰のあたりを腰のあたりで押してくる。僕の背後は壁、もう後退できない。そ…

消えそう

ああ 消えそう 消えてしまいそう 彼または彼女が出てくるんだ 同級生だったかな いや 違う ほとんど知らない 一回くらいしか 会ったことない 笑顔で ぼくに 話しかけてきたんだ なんだったっけな ああ わからない 思い出せない ああ きえそう きえそう ああ …

三匹の魚の頭

サンマかメザシかシシャモか とにかく細長い魚が三匹ほどいる。これを束にまとめて頭を切ると、頭と胴体が棒磁石の同極みたいになって反発し合う。で、旅館の一室に仲間と一緒に入ると そこにひとりの男がいて、グタッとしている。酔ったか暑いせいか、また…

グルテン断ち

親類の夫婦が離婚することになった。それで、おすそ分けだかなんだか いらない家財をもらえるそうなので出かけてみた。その帰りだったと思うが、タクシーに乗っている。途中で降車して商店街に入った。大きなパンのかたまりが安く売られている。表面をはぎ取…

村の自警団

村に事件が起こったらしい。それも犯罪と呼べるほどのもの。それが泥棒並みのつまみ食いなのか 殺人事件なのか、今のところ定かでない。はっきりした記憶もないのだが どうやらその犯人が自分のようなのだ。いずれにせよ、どこにも証拠はない。自分が黙って…

いらねー

つまんねー を 垂れ流す ような人に なっては いけない くだらねー を 垂れ流す ような人に なっては いけない いらねー を 垂れ流す ような人に なっては いけない つまんねー 不感症の くだらねー 製造機の いらねー 存在 「ゆっくり生きる」はるさんが動…

深読み

将棋のプロ棋士が対局していたようなのだ。ところが、その最中に殺人事件が起きた。誰が殺されたのか、その現場を含めて曖昧なまま さる大御所の棋士と一緒に廊下を歩いている。対局室の障子に灯りが映っている。大御所が入口の戸を開ける。対局者はいない。…

250年前

自宅にいると、中学生であろうか 「ごめんください」男の子ふたりが来訪。「なんでしょうか」私は尋ねる。「えーと、こちらのお宅には、今回の 特別の対象者はいらっしゃいますでしょうか」家人に問い合わせてみると、変なことを言う。政府の方針で、250年前…

開かずの改札

田舎道を駅へ向かって小走りに急ぐ。制服の女子学生が折り返しの坂道を下って電車へ向かって走っていく姿が見えた。彼女が最後で、折り返し地点にある改札は一旦閉じる。次の逆向き電車が入るまで開かずの改札になるという。どうやら事実のようだが、そんな…

棚引く雲

目の前に困惑が拡がっている。それは対人関係における画期的な手法なのだそうである。にじんだインクの跡のようでもあるそれは非接触であるにもかかわらず、効果が速やかに伝わる。そのようにそれらしく彼女が説明している。無論、はっきり理解できる内容で…

二毛のカラス

同級生が彼女のことをほめている。「カラスの頭を撫でることができるんだよね」教室のすりガラスの窓にカラスらしき鳥の影が映る。同級生のひとりがそっと窓を開ける。カラスらしきものは、しかし、縮れた白黒の二毛でむしろ変な形の子犬を連想させる。すぐ…

水の中

ぼんやり薄暗い視界。透明度のあまりない水の中にいる。深い池に沈んでいる感じ。緑色の生き物の姿が遠く小さく見える。タガメのような水生昆虫だろうか。こいつを利用して誰かの注意をそらそう みたいなことを考えていた。ところが、そいつは一匹ではなかっ…

極端な話

詳しい経緯は忘れたが、とにかくあまり極端になってはいけないようなのだ。なので、過激だったか穏健だったか どちらか忘れたが、やや極端であったそれを改める。それが文章だったかどうか、よく思い出せない。改めた結果がどうなったのか、それすらわからな…