Tome文芸館 Annex

自作読み物を紹介。動画用朗読音声を常時募集。英訳はGoogle翻訳。

2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

わがまま

王様は素敵だ。 けれど、いつも王様だと飽きる。 大統領は偉い。 でも、大統領の仕事は大変だ。 それであって、それではない。 どれでもあって、どれでもない。 そんな存在、または立場でいたいものだ。 「note」yayaさんが演じてくださった!Self-Indulgenc…

定型の拘束

オチがなければ笑い話にならない、という。 笑えない話だ。 そもそも、なぜ笑い話でなければならないのか。 なぜショートショートでなければならないのか。 なぜ俳句や短歌でなければならないのか。 それらこだわりこそ笑い話ではないか。 定型パターンは、…

食虫植物を食べる

そのプランターに植えた草は食虫植物になる。 そういうことになっている。 葉や茎が勝手に動き始めたので 半年ほど植えた食虫植物を食べるつもり。 最初はエビかと思った。 だが、違った。 パイ生地に包まれたそれは じつに大きなオタマジャクシのようだった…

線を引く

あるグループにスカウトされた青年、特殊能力あるものの、生活力は乏しい。彼は奇妙な曲線を引く。人体の横から見た輪郭線に似てなくもない。だが、どこか違う。同じくスカウトされた先輩たちが試みるも彼が引く線に遠く及ばない。「私が見ているものをあな…

鍛えよ

不都合への対応が問題となる。 罪として排斥せんとするは甘えなり。 親や教師に言いつけるぞ、と脅す奴。 甘ったれめ。 権威に頼るな。 自分でなんとかしろ。 いじめられたら仕返ししろ。 針でも毒でもいい。 脅威を与えるのだ。 襲ったら損だぞ、と。 世間…

斬らねばならん

ああ、そうだよ。 おれは斬らねばならん。 どうせ有限なんだ。 資源にせよ、能力にせよ、命にせよ。 なんにでも限りがある。 永遠に続けられるわけじゃない。 いつか斬らねばならん。 どこかで斬らねば。 特定は難しいが、最適解があるはず。 枯渇する前、途…

地下仕事

炭鉱掘りをやってる。 ひょっとしたら地下鉄工事かもしらん。 とにかく、そんな仕事だ。 暗い地下で泥まみれ。 で、ちょっと気になることがある。 アルバイト青年の具合が悪くなった。 肺の病気らしい。 そいつを監督らしき男から預かった。 配置転換とかい…

イスに放尿

休日出勤のオフィス。 ただし、仕事半分、ほとんど遊び。 設備を私用で使わせてもらってる感じ。 ふと気づく。 奥で年配の男がひとり働いていた。 見知らぬ人物だが、ここの社員だろう。 私は余所者。 この会社とは縁が切れている。 関連会社の出向社員みた…

夢の共有

夢から覚めて しばし 過去にあった あれやこれ これから起こる これやあれ つらつらと 思い浮かべてみるに よくわからない 曖昧なる私いて あの人 この人 などもいて ああであったかもしれぬ世界 こうなるかもしれぬ世界 などあり なのに どこにも存在せず …

催し物

ホテルを出てバスへ向かう。 しかし突然、もよおしてきた。 ズボンをずり下げる。 思いとどまって持ち上げる。 外にトイレはないのだ。 あわててホテルへ戻る。 出入り口の自動ドアが邪魔をする。 地下2階へ行かなければ。 遠い。我慢できない。 他の客も遠…

歯ブラシの試作

歯を磨いている。 歯ブラシの形状にこだわりを持っている。 ブラシの先をニッパーで切りながら友人たちに説明。 「今、改良中なんだ」 試作品のいくつかを並べて見せる。 なぜか途中からクッキーの話になる。 売り場を変えたことなどを思い出しながら話す。 …

記憶のフレーム

観光地で大勢の観光客と順番待ちをしていた。 皆は立っているが、疲れたので寝させてもらう。 すると、他の観光客も座ったり寝たりを始めた。 ところが、前列より前の観光客たちは立ったまま。 そのうち、彼らは散らばっていなくなった。 自分がいる列と最後…

ファイルケース

女子社員が買い物に出ようとしている。 「それなら、外出する彼に頼んだらどうかね」 そんな社長の言葉で思い出す。 どこかへ出張してファイルケースを買ってくる約束だった。 もっとも、どんなファイルケースか忘れてしまったが。 いけない、いけない。 あ…

レンガ塀の女

レンガ塀から給水管または排水管が出ていて その先端または末端が女体につながっている。 この女体の持ち主、じつは同級生らしい。 なのに、なぜか見覚えがない。 こんな境遇で、どんな気持ちなんだろう。 ちょっと想像できないな。 でも彼女、意外に明るく…

住宅地の密林

住宅地なのに密林がある。 二匹の子猫が笹の葉に乗って遊んでいる。 それは移動手段でもあるようだ。 予告もなく大きな虎が現れた。 子猫たちは笹の葉に乗ってジャンプ。 間髪入れず、大虎が飛びかかる。 子猫たちが逃げおおせたのか、微妙。 また、ほぼ同時…

それは違う

それがそうなのとそれがそうなのだと言うのは違う。正しいことを言うのと正しいことをするのは違う。興味ない子には、無理強いせず放っておいたらよいのではないかな。それはともかく。今朝、目が覚めたら良性発作性頭位めまい症になっていた。バレリーナの…

悪口を踏む

観光地にあるような土産品売り場にて 竹製のアクセサリーらしき民芸品を食べている。 味がないのでおいしいわけではない。 なぜか食べられるので食べている、という感じ。 背後の奥から俺の悪口を言う声が聞こえる。 亡くなったはずの母の声だ。 無性に腹立…

ドラ焼きは甘い

子どもの人気キャラクター ドラえもんと映画において共演している。 いや、ホント。マジで。 しかも、現場でリアルタイム撮影されながら。 つまり、そのまま生で舞台演劇が放映され そのまま作品になってしまう。 玄人受けの大人の演技を見せたいところだが …

黒い取引

ホテルごと移動する感じの列車の中。 年末なので、帰省の途中かも。 信用のおけない青年とトイレで交渉。 半分詐欺師で残り半分が妖怪な奴。 この取引、騙される予感。 それならそれで、まあいいか。 許容範囲のリスクなら甘んじて受ける。 こちらが折れ、2…

漏電と耳漏

おととい、雨が降った。 マンション全戸のテレビが映らなくなった。 ケーブルテレビのブレーカーが落ちていた。 マンションを頭とすれば、その制御盤は耳の位置。 雨水で設備のどこかが漏電したらしい。 ケーブルテレビの管理会社に問い合わせてみた。 アン…

草花野球

どこかのチームと草野球をしている。 ただし、私は選手ではない。 監督でもないので、コーチだろうか。 あるいは、ただの見物人かも知れない。 内野はともかく、外野は草だらけだ。 茂みになって花が咲いてるところもある。 そこへ球が飛ぶと見つけ出すのが…

足払い

柔道の足払いをする男がいた。 はなはだ迷惑である。 また、その足払いをかわす男もいた。 なかなか巧みである。 なにを隠そう、そのどちらも拙者なのだ。 足払いする男はそれをかわす男から 個人情報を引き出そうと試みる。 かわす男は裏返った声で「やめて…

類人猿と散歩

類人猿を飼っている。 雌雄の番つがいで、焦げ茶色と黄土色の二匹。 テナガザルのようである。 痩せたオラウータンかもしれない。 この二匹を散歩に連れ出した。 最初は肩を組むように歩かせていたが そのうち勝手にさせることにした。 そうさせる方が自然だ…

テンプレート

出題者側と解答者側、二つのグループに分かれ 頭脳オリンピックのような競技が行われている。 出題も解答もテンプレート化されていた。 それは競技システムの要請であろう。 頭の回転の速いある青年が究明した謎は 出題されたテーマを超え、競技場を沸かせた…

正直な声

ある知人と久しぶりに対話。 かつて親しかったのに、なぜか疎遠になっていた。 互いに相手の声は知っている。 ただし、実際に会ったことはない。 おそらく彼は声に自信があるはず。 「ええ、私はあなたの声が好きですよ。 声の質というより、話すテンポです…

損得感情

今、食べ物が胃を通過したところ。 最後に食べた野菜は四角く切ってあった。 はて、丸く切ったが良かったか。 いつもいつも、つまらんことで悩んでしまう。 さて、損得勘定には伝統と格式が伴う。 もちろん感情も。 ほれほれ。負けるが勝ち。 横に損でも縦に…

実演販売

デパートの水回り商品売り場。 よくわからないアイデア商品があった。 生殖器を半分に切断したような形状のゴム製品。 ちょい怖(こわ)な先輩格の客がその使用方法を問う。 「これは入浴しながら使うんですよ」 よくわからないままいい加減な説明をする。 …

部品の製図

国防を担う組織の幹部候補生養成機関に入学。 早速、課題提出の緊急要請があった。 ある機械部品を考案し、書面にて提出せよ。 頑張れば今日中に提出できるだろう。 そう考えていた。 ところが、別件で命令が入った。 もっと複雑な機構の機械部品について 図…