Tome文芸館 Annex

自作読み物を紹介。動画用朗読音声を常時募集。英訳はGoogle翻訳。

2019-01-01から1年間の記事一覧

滑空の試み

駅の改札を抜け、階段の最上段からジャンプ。前傾姿勢のまま滑空を試みる。放物線ではないものの、思ったほど成功しない。駅前ロータリーにて勢いをつけ、水平滑空を試みる。倒れたりはしないが、どうも思わしくない。以前ほど滑空ができなくなっている。も…

決断の場

目が見えない状態で決断せねばならない。そう。一種のギャンブル。音声やにおい、気配などを参考にする。勿論、過去のデータは貴重だ。傍観者は好き勝手を言うだろう。不快でも無視せず、参考にしておけ。男と女とでは、状況が微妙に異なる。元々の土台が違…

ホームの窓

書斎の窓辺のカーテンが風に揺れている。サッシの窓は閉めておいたはず。すると、窓ガラスが割れたか。カーテンを引き寄せる。確かに窓ガラスが割れていた。しかも、窓の外は駅のホームの段差。窓のすぐ下が線路だった。窓辺にへばりつく駅職員の男が指示を…

タコの額

極端に額の広い男がいた。硬質化したタコを連想させる。彼が漏斗の形状をした加工機械を発明した。どんな硬い材質のものでも変質させ その漏斗を通り抜けるようになるという。やはり頭の良い人は発想が違うな。額を叩いて感心するばかり。yayaさんがアレンジ…

仮想球体女

ある街に不良チームがあったそうな。よからぬ理由で仮想女になった男、チーム内グループのリーダーとなる。等身大の球体肩関節の中で 円柱に入った彼が回転するのが見える。よくわからない状況説明ではありますがこれはあくまでイメージです。Virtual Sphere…

日の丸

駅のホーム、兄と一緒に列車を待っていた。小柄な男が現れ、おぼつかない日本語。「きれいな日の丸ですね」菓子の入った紙袋のデザインを褒める。そして、その兄の荷物に手を伸ばす。危険を感じて私も手を伸ばす。しかし、遅かった。男は強引に兄から荷物を…

タバコ屋の錠前

高校の文化祭へ行く途中の道端。大きな看板があって、下端に錠前が掛かっていた。その錠前が外れそう。外れるかどうか、同行の女子と議論になる。実際、いじっていたら外れた。ただし、錠前の一部であるところのネジが。さらに外そうとしたら、様子がおかし…

どうやらクモ

集合住宅の一室にて留守番をしている。玄関のドアは施錠されていない。見知らぬ若い男が入ってきた。私は出迎える。「あなたは誰ですか?」「おまえこそ誰なんだ?」話が合わない。話し合う。どうやら上階の住人の知人のようだ。若い男は申し訳なさそうに出…

賄い飯

ちょっとした内祝いがあるらしい。家族や知人が集まって宴会の準備をしている。近所のNさんから賄(まかな)い飯を作ってくれと頼まれた。「いやあ、腹が減っちゃってね」巻き寿司とか山ほどあるが、減らしたくないらしい。「よし。まかしといて」いつもの梅…

組の女

組の者が男をさらってきた。組の女が惚れた男らしい。女の気持ちがわからん。どうしてこんな男に惚れるのか。ヘラヘラ笑い、つまらんことばかりほざく。男気というものがまるでない。任侠道も地に落ちたものだ。張り合いのないことよ。yayaさんと共演!Woman…

不快な煙

フロアにて煙が上がっていた。その煙が不快な気分にさせる。どうやら消毒を行っているらしい。どこぞの業者が迷いもなく作業している。昼間であり、店舗は営業中。従業員も客も大勢いる。どういうつもりだ?そもそも当社が発注した仕事か?作業員の男が床面…

貧民窟の社長

出勤したら、雑居ビルの前に同僚が二人いた。まだ事務所が開いていないらしい。「もう待ちくたびれたよ」「寝転んでたら、あちこち痛くなった」「おれは泊ったことあるけど、平気だったぞ」などと喋っていたら、出入り口から誰か出てきた。一階の会社の客ら…

青い粒々

小さな青いガラスの粒が片手に小山ほどある。誰かから盗むように借りたもの。これを頭髪に掛けるとフケやほこりが取れる。頭皮のかゆみが消え、洗髪せずに済む。使っているうち、畳の上に少しこぼれた。さらにこたつの穴にいくつか落ちてしまった。よく見る…

鼻水にネギ

久しぶりに風邪を引いてしまった。鼻水が止まらない。鼻が詰まって眠れない。そこで思い出した。昔、風邪を引くと刻みネギをガーゼにくるんで首に巻いたな。刻んだネギは冷凍庫のタッパーの中にある。納豆に合うというので始めたが、今では酵素玄米飯に混ぜ…

脅迫状

脅迫状を書いている。または、他人が書いた脅迫状を添削している。どうも気に入らない。全体的に余計な文言が多すぎる。なのに肝心な主張が欠けていたりする。笑って済ます傾向も、いかがなものか。そもそもマナーがなってない。近頃の若者の主流なのか。不…

契約書

誰かに指示され、契約書を書いている。正確には、契約書に名前や住所などを記入している。これまでは他愛のない内容だった。今回からは命に係わる。そんな気がする。口頭でも契約は成立するが、用心だろう。近頃、何が起こるかわからないからな。 ContractSo…

木を抜く

玄関ドアを開けたら、昼なのに暗い。集合住宅の出入り口が塞がっていた。土木工事関係の職人たちが作業している。大規模修繕工事はもう終わったはずなのに。どうやら庭木の一本を抜くつもりらしい。(はて、こんな庭木、あったっけ?)問い合わせてみる。「…

追加演奏

ピアノの演奏動画を観ている。ビデオカメラのモニター画面のようだ。録画しながら演奏を確認しているらしい。長音部分に新たな音を追加したい気分。1オクターブほど価値が跳ね上がりそう。そのことを演奏者に伝える。彼女は判断しかねる表情。 Additional P…

部外者

広い敷地に建物が積み木のように配置されている。学校のようでもあり、病院のようでもある。とりあえず学校ということにしておく。私は生徒でもなければ職員でもない。まったくの部外者である。私は特命を帯びて潜入している。何か、または誰かを見つけなけ…

変速問題

複数の歯車を組み合わせた高性能変速機がある。これを用い、どこまで高速化できるか、という問題。相対性理論からして光速は超えられまい。その前に、歯車の強度が遠心力に耐えられなくなるはず。ならば、分子の結合力の限界を計測できるか。原子または素粒…

侵略パンダ

我が町が隣町に侵略された。掃除しないと攻撃されるという。「ほら、急いで始めるんだ。 無視すれば、顔の真ん中を丸くくり抜くぞ」着ぐるみパンダの町会役員が命令する。なぜか掛け軸を首に掛けている。妙に説教臭い。 Invasion PandaMy town was invaded b…

池の当番

真っ暗な夜。水面と闇だけ。対岸は見えない。波はないので湖ではなかろう。当番なので池を洗わねば。さっきまで当番だった男からオールを受け取る。それに腹を載せる形で水面に浮かぶ。「もう一人の当番を待たないのか?」男から問われたが「なに、大丈夫さ…

ヘビを食べる

夫婦で校庭の手入れをしている。草刈りとか枝おろしとか、そんなの。妻は今朝からヘビを食べるようになった。それによって心身が効率的になり 毎日の作業がうんと楽になるそうだ。土着の迷信かもしれないが結果満足なら、途中はあまり気にしない。 Eat Snake…

古風な錠前

我が家の玄関で深刻な問題が発生。空中に浮くタイプの錠前が壊れていた。目に見えない霊界の扉だろうか。ともかく、新しい錠前に交換せねば。あいにく古風な錠前しか在庫がない。まあ、ダイヤル式よりはそれらしい。ただし、合鍵ないので、これから作る。は…

ケンケン

最初の会社の元上司だった女が市営プールにいた。こんなところで泳いでる場合ではない。どこかへ行かなければならなかったはず。だが、久しぶりに会えて離れたくない気分。やがて約束した時間は過ぎてしまった。やたらと子どもが多い。泳ぐどころか、足の踏…

緑色の円盤

息子が壊れたようなので交換申請をした。すると、緑色の円盤を顔に持つ代替品が届いた。政府から支給されたアンドロイドである。これを無許可で改造した。まず、緑色の円盤部分を息子の顔に似せる。どういう仕組みなのか、表情も変化する。その他、いくつか…

大いなる亀裂

ふたりの人物が大きな研究室で口論の最中。「なぜ攻めないのだ。 おれだったら、あそこを真っ先に攻める」「全部を攻めるべきよ。 半分だけなら、むしろ何もしない方がマシよ」「何もしないわけにはいかないだろ」「半分だけなら平等じゃないわ」「わからな…

鍵への不信

地下道を通り、隣町へ行こうとしている。兄夫婦と一緒のような気がする。いくつか扉を開けながら進む。途中、鍵のかかった扉があった。合鍵は見当たらない。コインを投入する方式かも。そこで思い出したのは、昨日の出来事。ダイヤル式ポストに自転車の鍵を…

記憶の切断

工場にて断裁機で紙を切っている。なぜか一枚ずつ。背後に立っていた若い上司が忠告する。「ちゃんと指示書を見てやってね」あわてる。指示書の存在を忘れていたのだ。「もう内容は憶えてますよ」言い訳しながら作業を続ける。だが、後で考えたら、手順が違…

憎まれ口

砂浜の海岸、敵が近くにいる。赤い砂または海水を放り上げ、敵陣へ飛ばす。殺傷力あるはずだが、惜しくも届かなかった。「おお、なかなかやるじゃないか」敵兵は小馬鹿にした態度。続いて、銃砲による一斉射撃を受ける。卑怯な。本当に死んでしまうではない…