Tome文芸館 Annex

自作読み物を紹介。動画用朗読音声を常時募集。英訳はGoogle翻訳。

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

偽装球技

野球場みたいなテニスコートにて 野球みたいなテニスの練習を始める。 ボールには、なぜか海苔が巻いてある。 一瞬、ちょっと食欲わいた。 ある女の子と一緒に打ち合っていたら 問題が発生し、途中で帰ることになった。 バットみたいなラケットを所定の場所…

遠近感体育館

小学生が多い。 おそらく小学校の体育館。 プールは見当たらないものの 全員が水着姿なので、水泳の授業中だろう。 高所にいるのか、私の背が極端に高いのか 館内全体を見下ろせる視界が与えられている。 遠く小さく見えたり、近く大きく見えたりする。 遠く…

変な宅配便

本日、宅配便が届く予定。 家で待ってたら、変なのが届いた。 それがじつに変なのだ。 ただし、どんなに変なのか説明しにくい。 それが変なのは確かなのに いざ説明しようとするとわからなくなるのだ。 まあ、他人に説明できなくても 自分でわかっていれば、…

家の中男くん

ぼくの友だちに家の中男くんがいる。 かれの家をおとずれ、呼び鈴をおす。 玄関ドアがあくと、また玄関ドアがあった。 この玄関ドアが、じつは家の中男くんの顔。 かれは本格的な自閉症なので 家の中にいても、さらに家の中にいるのだ。 家の中の家の玄関ド…

意識の高さ

彼は非常に頭の回転が速い。 なので、何事も先に行ってしまう。 「それどころではない」 頭の回転が遅い人を見殺しにしかねない。 「まったく意識が低すぎる」 彼にはそういうところがある。 「最後まで面倒見切れん」 なので、逆に周囲から見放されたりもす…

偽りの説教

結婚式場のような場所。 おれは偽りの牧師として説教を垂れる。 「あなた方によくよく言っておきます。 科学技術の発達によってわかったことですが どうやら天国は天上には存在しないようです。 それらしい痕跡が見つからないからです。 ですからあなた方は…

信念はない

あなたが霊魂の不滅を信じているなら 私もあなたの信念に沿うよう振舞おう。 墓も参るし、合掌もしよう。 だが、あなたが亡くなった今となっては もうそうする必要を感じない。 大事な人の気持ちを損なわぬよう行動する。 言い換えるなら、演技する。 波風立…

分割購入

書店のように見えるDVDショップに入る。 まず1枚購入。 レジで会計を済ませた後、さらに数枚を選ぶ。 「それだと、プラス」女店員が値段を言う。 「になります」 「最初の1枚はあらかじめ決めていた分で これからのは改めて選ぶ分なんだ」 おいらの説明で…

謝罪の方法

従姉を含めた近所の奥さん連中が 市民会館のイベントに集まっていた。 謝罪の方法をテーマとした講演のようだ。 「どうも皆さん、今日はすみませんでした」 従姉は会場から出ても謝罪している。 ところで、おれは急用を思い出した。 どこかになにかを届けな…

扉の閉め方

立ち続けてはいられない。 脚が痛くなる。 座り続けてもいけない。 血行が悪くなる。 寝続けることもできない。 意識も体力も衰える。 つまり、同じ姿勢を長く続けちゃいけないわけだ。 そこそこ年をとったらな。 若い頃は無理がきく。 神様が見守っていてく…

タフガイ

その男とは昔、一緒に仕事をしていた。 かなりやばい業務内容だった。 お互い、命を失わなかったのが不思議なくらいだ。 つまり、おれたちはタフガイだったんだな。 ところが今では、お菓子の包装なんかしてる。 偶然、こうしてまた一緒の職場になったわけだ…

死仙境

軍艦に乗っている。 これから敵陣を蹴散らすつもりか。 海上に防波堤のような建造物が突き出ていた。 窓のないビルが水没したようでもある。 「あれがシセンキョウだよ」 艦長が教えてくれた。 漢字でどう書くのだろう。 不意に軍艦が接岸する。 その反動で…

酒盛り

家族で酒盛りをしたようなのだ。 カラオケでナツメロを歌った記憶もある。 お開きになり、それぞれの部屋へ移動。 ちょっと喉が渇いた感じ。 階段を下りて台所へ。 壁に埋め込まれた冷蔵庫のドアを開ける。 スポーツドリンクがあったので飲む。 甘ったるい。…

写真家とコンセント

男は写真家のようだ。 下宿の二階から床の四角い大きな穴を通して 一階の作業場のような中庭のような場所を 変則の脚立を使ったカメラで撮影している。 「あの米俵、なんとかならんかな」 下の被写体に不満があるようだ。 「みんな出払っていて、なんとも」 …

斜面のシート

地下通路の途中が坂道になっている。 階段を斜めにならした感じ。 ここで運動部の部員たちが作業中。 斜面にシールのシートを並べ、手足で固定。 なにをしたいのかはっきりしない。 シートを貼りつけたいのか、ただの整理か。 ともかく、おれも部員として参…

快適さの追求

将棋の名人戦を観戦していた。 新聞社の観戦記者のつもりらしい。 今回より寝転んで対局できる装置が導入された。 応接テーブルの下に棋士が頭を置く感じ。 なかなか快適な様子。 それを観ながら閃くものがあった。 立っていると脚が痛くなる。 それで座ると…

浮遊物体X

二階のベランダから外を眺める。 嵐が過ぎたばかりらしい。 まだ雲行きがあやしかった。 妙な物体が空中を浮遊していた。 黒服で包んだ枕、という感じ。 「なんだ、あれは?」 近所で九官鳥の声がする。 腕を伸ばしてゴルフクラブの先で引っかけ それをベラ…

コンベアゲーム

奇妙なゲームに参加している。 テーブルの上に様々な菓子が一列に並んでいる。 このテーブルはベルトコンベアでもある。 ゆっくり流されてゆく菓子を テーブルの下から磁石で操作して移動させる。 菓子には敵の分と味方の分がある。 敵の菓子を遠ざけ、味方…

オンライン工場

よくわからないのだが、どうも ライン上に工場があるのだそうだ。 休日だったが、そこへこっそり潜入。 そして、液晶画面を指ではじく。 こうすると、バグというのか いわゆる虫を取ることができる。 じつはおいら、虫取りの名人なのだ。 皆がそう言うのだか…

街頭演説

「えー、皆さん、わたくしは」 ライバル関係にある男がなにやら演説している。 真面目なんだな。一所懸命なんだな。 見習わなければならないな。 彼に対するそんな想いはあるものの 彼が語った内容については憶えていない。 それは、やはり彼の失敗であろう…

聞く耳なし

重い思想に囚われた者ありけり。 その思想、具体的に示すこと能わざれど 様式化した思考により、その行い甚だ滑稽なり。 周囲の者ども、その異常性を気づかせんとして あれこれ本人に忠告す。 されど本人、まったく聞く耳なし。 思想によって部屋の内鍵が閉…

翻訳家

彼女は異端の翻訳家。 意訳どころか、話を作る。 原作を大胆というか勝手に推敲。 つまらん部分は削り、面白い部分は盛る。 分量が半分になったり、倍になったり。 さらに、適切で鋭い言語変換。 途中で目が離せない。 当然ながら、原作より格段に高品質。 …

散会の提案

学校の体育館で集会があった。 生徒全員、床に体育座り。 すでに行事は終わったのか、進展がない。 教師からの指示もなく、我々は座り続けていた。 腕と肩のあたりが寒かった。 おれは上掛けを取りに行こうかと思っていた。 その時、ひとりの男子生徒が発言…

階段閉鎖

物音がしたので玄関から外へ出る。 マンション一階で修繕工事が行われていた。 二階へ続く階段が、一階の天井の位置で 完全にコンクリートで埋められてしまった。 なんだ、これは? これでは二階以上の住人が出入りできないぞ。 作業員に問い合わせてみる。 …

偉そうな発言

我々は弱い。 拷問には耐えられない。 ゆえに、偉そうなことは言えない。 それに、どうせ偉そうなことは続かない。 我々はさほど強くない。 戦車や核兵器にはかなわない。 外圧に屈するという前提に立て。 提案と妥協、受け入れと調整。 つまり、交渉だ。 逃…

ピンポン玉

研究室のようである。 白衣を着た男女が数名ほど。 彼らは検討しているようだ。 テーブルの上に奇妙な物体あり。 鶏卵ケースの中に黒い塊がいくつか。 算数的なパズルと思われる。 薬品を垂らすと中の塊が球形になった。 変色もして白っぽくなる。 ピンポン…

駅で迷子

電車で乗り過ごしてしまったらしい。 どこかの地方都市の大きな乗換駅にいる。 まったく駅名に心当たりがない。 もう思い出せないくらいだ。 交差するような形でホームが多い。 どの行先にも馴染みはない。 路線名は不明。 上り下りも判然としない。 早く乗…

強さ

強さとは、勝つことにあらす。 負けぬことだ。 たとえ負けても、負け続けぬこと。 たとえ負け続けても、くじけぬこと。 耐える。折れない。崩れない。 踏みとどまれば、いつか勝機も訪れん。 「Spoon」しんさんが演じてくださった! Strength Strength is no…