Tome文芸館 Annex

自作読み物を紹介。動画用朗読音声を常時募集。英訳はGoogle翻訳。

2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

球なしスクラム

ラグビーのスクラムなのにボールがないみたいなスポーツの大学対抗戦が始まる。「球なしスクラム」または「集団押し相撲」とでも呼ぶべきか。先輩からの指示で試合に出場することになった。ただし、じつはルール、よくわからない。それでも結果は我がチーム…

再びの下宿

再び訪れた下宿は意外とにぎやか。年代物なのに下宿人が多い。昔、私が借りていた四畳半の部屋は今、親子四人家族が住んでいる。心なしか奥行きが広くなったような気がする。改築でもしたのだろうか。当時からオンボロだったのに大したものだ。住人から食事…

イヌブタ

探し物をするつもりで下宿部屋のひとつに入る。雨戸が閉まっているのか、昼なお暗し。「すみません。はむちゃんがいるんですよ」背後から老女の声。電灯がついた。雑然とした部屋の中に動物が一匹。犬のような豚のようなペットがいた。イヌブタとでも呼んで…

断片的な文言

斜め上から見下ろす視界。細長いテーブルの上。なにか作ってる。投稿用の立体記事かも。私は失敗したらしい。誰かが成功しつつある。相手は女のような気がする。部分的に欠けているようだ。外野から騒音が聞こえる。絵のように煙も棚引いている。コツや秘伝…

共用階段

玄関チャイムに起こされた。同じ集合住宅に独り暮らしの老女だった。「こんな明るいうちに灯りがついていたので 全部消してきたんですよ」とのこと。ちょっと前に関連報告を受けていた。今回と同じように雨が降る夕方のこと。足の不自由な彼女が共用階段の灯…

駐車場の除雪

豪雪地帯の駐車場。敷地は除雪されているものの周囲は高い雪の壁で覆われている。片手にシャベルを持っている。これから壁際の除雪をするつもり。なぜか母も一緒。「ここを掘ったら、あそこも掘らないと」少し離れた片側にトラックが数台。「ああ、そうする…

黒板の目標

ここは教室。黒板の右上隅の文字が消されてしまった。このクラスの目標が掲げてあったはず。犯行は同級生の誰かの手によることは確か。おそらく大柄で乱暴者の男子。改めて書き直しておくべきだろう。だが、本人がいる前では書きづらい。ためらっていると、…

ゴルフコンペ

ゴルフコンペに参加することになった。当日、ゴルフ場のクラブハウスにメンバーが集合。談笑するうち、ラウンド開始時間になった。ところが、ひとりだけ現れないメンバーがいる。コンペ進行役が困っている。「どうしましょうか?」主催者側の偉い人と相談。…

清掃するおっさん

総合病院のような大きな施設にておっさんと一緒に清掃作業をしていた。だが、それは昔の話。今、おっさんはアルバイトの若者と作業中。若者は毛布を使っている。おれの時は寝袋だった。たくさんのサンダルがある。黒っぽい。水没しそうになっている。それを…

眠い王朝

王朝の進退問題について打ち合わせ中。「最後のひとりは眠らせた方がよろしいかと」いかにも賢そうな若者が発言する。「長引けばどうせ眠くなってしまうからな」いかにも偉そうな老人が同意する。「うん。そうしよう」私も同意する。確かに眠い。 Sleepy Dyn…

ホチキス

産業見本市らしき会場。展示台の上にホチキスを載せようとしている。実際に載せてみると、批判が集まる。「そうではない。明らかにおかしい」所属する組織における立場が弱いのだろう。載せ方を改めなければならない気がする。載せる向きか、位置か。そもそ…

割れない泡

台所で調理している。大きな鍋で煮物料理だ。表面にひとつの泡が生まれた。割れもせず、少しずつ大きくなる。この泡について女と言い争が始まる。泡を育てようとする気持ちに対する根本的な見解の相違が両者にあるようだ。こんなことなら、いっそ割ってしま…

暗黙の了解

誰か知らねど、友人と闘う。今のままでは遅かれ早かれ、彼は朽ち果てる。打ち負かすことによってのみ、彼は救われる。だから、我が勝利こそ彼への救済になるはず。一面なれど、まあ理屈であろう。ただし、二面は知らぬ。彼も薄々わかっているようである。暗…

傍流

そうか。これは厳然たる事実。私がつまらないと感じることを面白がる人が大多数なのだ。私は既存のイメージをつまらないと感じ意識は未知の世界、妄想へと逃げてばかりいた。ところが、大多数は既存の世界から離れない。望まぬにせよ、意識も現実に留まる。…

地学の教師

身体検査を受けた気がする。いや。解剖または改造だったかもしれない。とにかく、あるグループの一員となり体中の諸器官をあれこれいじられたのだ。やっと終わったか、と油断していたら指導教官みたいな男が現れた。どことなく高校の地学の教師を連想させる…

缶詰テスト

缶詰メーカーの従業員採用試験のようだ。魚に関する出題に応答している。若い女と相談しながら。マークシートの選択式なので気楽。むしろ、緊張感なさすぎ。実際、こんな方法で選別していいのかな。主催者側採用担当官殿の、その場しのぎのご都合主義とかで…

猫かわいがり

「もう、かわいいんだから」なんて言われてハグされて猫かわいがりに撫でられて嬉しくなって期待したりしてそれから自分の部屋で寝ていたら廊下に足音がして「入っていいかい?」なんて尋ねられたりして(もう、断らなくてもいいのに)なんて思ったりしちゃ…

達人は今

達人と囲碁を打っている。ただし、囲碁とは名ばかり。説明し難い別の対戦ゲームである。言葉を使うので、クロスワードパズルに近い。もっとも、囲碁は別名「手談」とも言う。女性も関係していた気がする。はて、達人の過去の女性問題だったか。おかしな道具…

ツルポターンジュ

「ほら、鶴が飛んでいるね」相棒の鶏が教えてくれる。なるほど、一羽の鶴が空を舞っている。パトカーの塗装みたいな白黒の羽。それにしても変な動き。まるで空中に絵を描いているかのよう。実際、その軌跡はペンギンのように見える。うなだれたペンギン。そ…

暗号の解読

視界は液晶ディスプレイ。表面に貼られた透明フィルムが燃え上がる。乾燥した紙のように。色彩が燃え尽きる。白黒に近いセピアの世界となる。ここに暗号文が隠されているという。ただでさえ読めない外国語なのにさらに暗号化されているとなると、お手上げ。…

自転車操業

自転車に乗って坂道を下っている。比較的なだらかな舗装道路だ。同じ方向へ向かう自転車も数台ある。男の子をマフラーのように首にかけてる男。まるで越後獅子か中国雑技団のようだ。「仕方ない、仕方ないんだよ」過激な教育方針を持った親子みたいだ。だが…

ゲーマーへ捧ぐ

対戦ゲームの経過を再現するアプリを開発した。若き天才ゲーマーへプレゼントするために。歴史あるゲームなので、ユーザーの層は厚い。マニアからプロまで強豪がひしめいている。なのに、15歳にしてレーティング世界第二位。驚異的な連勝記録も樹立した。ゲ…

割れた板チョコ

ここは同人誌即売会みたいな同好の趣味を持つ人々が交流する場。知り合いもたくさんいて、にぎやか。趣味と実益の百貨店のようだ。おや。彼女が遊びに来た。僕が秘かに好意を寄せる女性。彼女はなにかを買い、僕に見せてくれる。ただし、興味ないのですぐに…

アニメ新聞

兄が就職するという。職場へ一緒についてゆく。どうやら新聞販売店のようだ。新聞配達の若者が元気に出入りしている。彼らと一緒に兄も出発してしまった。私は部外者である。新聞を配達するつもりはない。とりあえず店の中に入ることにする。外れて倒れそう…

裸の攻防

小さな新聞社みたいな事務所。私はここでアルバイトを始めた。または社員になる前の研修期間かも。雑用を片づけつつ忙しく働く。小学生の女子が数人ほど訪れた。社会見学だろうか。社員は出払っているので私が相手をする。ところが、相手にされない。彼女た…

バイキング形式

目を閉じている。テーブル席についている。話し声が聞こえる。知り合いの老人たちの世間話。宿泊施設で朝食をとっているらしい。私も食べたくなってきた。目を開ける。離れたテーブルの上にパンなどの食材が山積みになっている。バイキング形式なのだろう。…

猫の観光ガイド

砂っぽい坂道を上っている。他に人の姿もあり、観光地のようだ。ほぼ頂上に着いた。残るひとつの段差は胸の高さ。大きな石のテーブルのようになっている。せっかくだから、この上に立ってみるかな。でも、いいのかな。迷っていると、声がした。「ここはずっ…

競売手続き

我は競売(けいばい)を生業(なりわいとする者。対象は不動産に限らない。聞いたこともない銘柄を買う。すぐに売る。得体の知れない移民を買う。すぐに売る。何をやっているのだ、という声がする。テーマも見えてこない。最初、世界の支配権を得るためにど…

録画済み

サングラスがトレードマークの有名人が帰宅した。我ら取材陣は先に彼の家にお邪魔している。彼が家の中に入り、我らに挨拶してから入浴後、再び姿を現すまでのシーンを録画した。確認のため、それを我らは観ている。いや。我らでなく、私ひとりかもしれない…

格子縞の闇

縦横9×9ほどの格子がある。それを見下ろしている。それぞれの格子の中には同じ色と形のものが入っている。詰め合わせ菓子と見えなくもない。ルール不明なゲーム盤のようでもある。なぜこんなものが目の前にあるのか。なぜそんなものを見下ろしているのか。…