Tome文芸館 Annex

自作読み物を紹介。動画用朗読音声を常時募集。英訳はGoogle翻訳。

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

強迫観念

彼らを殺さなければならない。ハワイアン・レイみたいな輪っかを巻きつけ ねじるようにして絞め殺さなければならない。物騒な話だが、彼女はそう考えている。その想いは彼女の責任感から生じるらしい。あるいは、単なる潔癖症かもしれない。 ObsessionI have…

チャリティー番組

ゴルフ場のように整備された野原が見える。どうやらチャリティー番組の映像らしい。ある有名なスポーツ選手が登場。動物の顔がデザインされた帽子をかぶっている。虎かライオンであろうそれは 最初は好感持てたが、次第に印象が悪くなる。彼は主催者側代表者…

配慮せよ

行動する前にまず行動の流れをイメージせよ。結末まで見えたら そこから逆算して最適行動を起こせ。たとえば、ワイシャツを脱ぐとしたら まず袖のボタンから外す。将棋の対局において駒を取る前に まず駒台の上を整理する。早起きするために まず早寝する。…

ガウディの壁

共同住宅の外装工事が始まったようだ。色つきのお椀のような土器を壁一面に貼りつけている。カラフルなタコの吸盤のように見えるデザイン。ガウディの寺院にでもするつもりか。おいおい。事前に聞いてないぞ。ボランティア好きなKさんの仕業か。だとすれば、…

蛇腹女

ある女がインタビューを受けている。ある競技の第一人者のようだ。「じつは私、蛇腹なんです。 蛇腹の長さが私の人生なんです」よく意味がわからない。そういう人生観もあるのかな、という印象。少しばかり太り気味だから伸びたらいくらか痩せるだろうな。そ…

印象深い男

場所は不明だが自転車に乗っていた。おれの名を呼ぶ懐かしい男の声。「おーい、水をくれ」駐車場にいた男に水筒を差し出す。「どうぞ」「すまんな」うまそうに水を飲む男。そうだ。忘れていたが、こんな男がいたな。背が低くて、口が悪くて、アクが強くて・・・…

装置の組み立て

上司と一緒に大型装置を組み立てている。基盤に電子部品を装着したいが、サイズが合わない。「取扱説明書はないのですか」と尋ねると 「あればいいが、じつはない」と上司の返事。そもそもおれは、なんの装置か知らない。それらしい組み立て作業をしているだ…

機能不全

妊娠経験のない女性は乳がんになりやすいそうだ。また、精通が減る老人は前立腺がんになりやすい。備わっているにもかかわらず使用されない機能は 邪魔であるがために悪性化しやすいのではないか。生殖しない男女は早く死ねと言ってるようなもの。実際、自然…

ため息と一緒に

はあ。いやなこと、つまんないことが多すぎる。あれもそう。これもそう。みんなそうだ。そういうのは 見ない、聞かない、相手にしない。はあ。ため息と一緒に吹き飛ばそう。あっちへ行け。消えてしまえ。おまえなんかに用はない。はあ。 自作自演。「note」…

タコの足蹴り

タコの足が仮に5本だとして、しかも それらが鉛筆や箸や釣り竿などでできている。「さて、タコの攻撃が最強になる組み合わせは?」なんのことか、とっさに判断しかねる。すでにタコとプロレスラーの試合は始まっていた。次々とタコの足蹴りがヒットする。な…

記憶の洪水

空地に廃材や資源ゴミが出されてあった。そこが市場のようになって人が集まっている。外国人らの姿もあった。白人の男が熱心に探し物をしている。新聞紙の写真が気になった。首まで水につかった少女がベンチでくつろいでいる。どうやら異国で洪水があったら…

定食の値段

馴染(なじ)みの定食屋で食事を終えた。なのに、いつまでも看板娘や常連客らと世間話を続ける。なかなか居心地よいのだ。用事があるとかで店主および看板娘が先に出かけてしまった。店内に客だけ残された。お代をまだ払ってなかったことに気づく。いつも親…

中国人の案内

中国人の女が主張している。「ここへ来たなら、あそこも訪れるべきよ」彼女の案内で彼女の先生に会う。ただし、その先生の印象は残っていない。おそらく悠久の歴史の中に埋もれたのだろう。あの漢字だらけの国のことだもの。ドキュメンタリー番組の収録だっ…

アルバイト次長

会社の次長だった男が望んでアルバイトになった。なんの前触れもなかった。背広を脱いでカジュアルな服装になった上、ニット帽までかぶっている。「いったいどうしたんですか?」おれは驚いて問い合わせる。「なんというか、つまり気楽にやりたいんだよ」す…

ホットケーキ風

女ふたりをホットケーキ風に丸めて重ねて 絹の布にくるんでリボンで結束。そんなのをいくつか床に並べてみた。生きているからモゾモゾ動く。さて、これからどうするつもり?はて。まったくもって、わからない。ドン! Pancake StyleI rolled the two women u…

人格編集

ある人物を編集している。赤外線を照射したり、機械化したりして。扱いやすい人格に加工したいようだ。けれど、どうしても期待通りにならない。「無理だって。あいつは変わらんよ」そんな外野の声も聞こえる。手を汚すしかないのかな、などと思う。モニター…

整形手術

整形手術を受けてみないか、と誘われた。人気バラエティ番組の企画なのだとか。当然、手術費用は番組持ち。出演料は相当な金額になるそうな。よくわからないながらも診察を受けてみた。対面した医師は某営利団体の会長に似ていた。彼からいくつか提案があっ…

書店で穿く

おれは書店で雑誌を立ち読みしていた。狭いコーナーがあって、そこは人気(ひとけ)ない場所。なぜか脱いだズボンが床に放り投げてあった。それに気づいたのは男がコーナーに入って来た時。見下ろすと、おれはズボンを穿(は)いてない。これはいけない。み…

碁敵と木工細工

碁会所で小さな大会があった。級位者から高段者まで4段階に区別され 4つのテーブルに分かれて対戦する。出入り口近くのテーブルは級位者向け。奥ほどレベルが上がり、高段者向けになっている。夕方になり、大会は終わりかけていた。「あんた、こんなところ…

学校の鍵

夜の学校で学生集会があった。多くの学生が校庭に集まり、騒いでいる。リーダーらしき男が困っている。鍵がなくて校舎に入れないらしい。おれはなぜか校舎に入ることができる。それで単独で潜入。保管場所を見つけて鍵を手渡すつもり。ところが、校内にはゾ…

過激な本

過激な装丁の本があった。金属のビスのような突起が出ている。用途の知れぬ電子機器なども貼りついている。それを進行役の男から手渡された。すぐに叩いて変形させる。そして、そのまま急いで返却する。進行役はそれを引っ張って元の形に戻す。それをまた手…

孤高の人

対戦相手は打ち合わせに参加したくないらしい。なにやら理由をつけて辞退するつもりだ。事前に顔を合わせたくないのだろう。後ろ暗いところがあるに違いない。できれば参加して欲しいが、強制力はなし。今回は見送るしかなさそう。いくら才能あっても、協調…

奪われた拳銃

警察官によって別の警察官の拳銃が奪われる みたいな事件が発生した。奪われた拳銃は、奈落の底に捨てられた模様。性能や品格を比較され、試練を受ける。後ろ指さされ、嘲笑われる。または、見て見ぬ振りされる。出口が開けば、これ見よがしに閉ざされる。踏…

キリンバス

友人と一緒に道路を歩いていた。すると、背後から車高の高いバスが現れた。やや無理あるが、キリンにタイヤをつけた感じ。左右のタイヤの間から車体の底を見上げる。そして、バスは我々の真上に停車した。「ハーイ! 乗ります。乗ります」友人はバスに乗り込…

ふたりの先輩

立体交差の高速道路から黒煙が上っている。どうやら車両衝突による爆破事故があったらしい。近づくのは危険だが、そちらへ行かなければならない。いわく言い難い個人的に重要な用事があるからだ。途中、高校の剣道部時代のふたりの先輩に出会った。彼らはま…

説得ボール

不良グループを相手にキャッチボールしながらよくわからん説得を試みている。ボールは複数あり、それぞれ数字が書き込んである。その数字を削って投げてみるが、うまくいかない。後出しジャンケンだ、と非難される始末。意味がわからず困るしかない。ダメ元…

女装ゲーム

オフ会であろうか、女装パーティがあった。広くて暗い部屋に案内される。簡易トイレ風の箱が床に整然と並んでいる。これらは個室のようだ。ある個室の一方の側から入る。向こう側からも女装した男が入ってきた。狭い空間で椅子に座って対面する。ところが、…

小さな英雄

子どもらが大勢集まる施設。教師らしき大人はおらず、学校ではない。一人のガキ大将によって支配されているらしい。彼は腕力があり、権力もありそうだ。虐待の現場を見て、おれは怒る。おれはためらいなくガキ大将の顔を殴る。数名の側近らしき男の子らも殴…

方位をそろえよ

学校の用務員らしき男の発言。「おれを認めてくれてうれしかったよ。 じつは認めていないかもしれないとしても 実際に使ってくれているんだからね」その発言を感激して報告する校長らしき女。「もっと早く認め、すぐに使ってやるべきだったわ。 そうすれば、…

常連のキャラ

飲み屋のカウンターにて常連客が談笑している。昭和の妖怪漫画を連想させるムードあり。どこぞの若旦那が無茶を言って皆を困らせる。「死んだ魚なんて食べられたもんじゃないね」踊り食いでなければ食欲が湧かないそうだ。若旦那が帰ってから店主は言う。「…