2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧
おれは両腕を横に伸ばし、斜面を滑空する。なに、いつものやつだ。そこそこの高さを維持しつつ 雄大な景色の野原や林の上を飛行する。なかなか楽しいが、今ひとつ盛り上がらない。 感心した様子が誰にも見えないからだ。彼らは彼らで夢中になることがあるら…
華美でもなくて 大きくなくてもいいから 丈夫な家を建てよう。年間通じて 暑過ぎず、寒過ぎず 風に飛ばされたり 水に流される心配のない とりあえず 比較的安定した大地の上に。 Sturdy HouseIt's not gorgeous, It doesn't have to be big,Build a sturdy h…
地元の市民センターへ。 国勢調査の調査員説明会に出席。資料を受け取り、説明を聞く。5年ごとにやってくる仕事。これで3回目、あるいは4回目になるか。視力が衰え、人の顔も区別できない。後で読める説明書もあるし、何とかなろう。ウイルス感染の可能性…
先輩らと都内の乗り換え駅構内を移動中。乗車切符をまとめて購入し、先輩らへ配る。ただし、システムの都合上、途中まで。不足分は改札から出る時に清算する必要あり。「申し訳ないですが、お願いします」「使えないな」先輩らは階段の途中に切符を置いて先…
医療実験用マウスに関する論文を翻訳している。当然ながら、機械翻訳に頼りっぱなしである。専門用語は多いものの、省略が少ない分 一般の文章より難しいというほどではない。ケージの中から一匹のマウスがこっちを見てる。いかに正確に翻訳できるか監視して…
医学としてのウイルス感染症はともかく イデオロギーとしてのそれは見過ごされやすい。いわゆるマスコミによる情報操作。噂やデマに踊らされる意識。噂を鵜呑みにするなら、免疫力は乏しい。一旦は保留し、比較検討すべきところ。精神の健康は肉体の健康と重…
ある殺人事件の真相を追っている。おれは毎日のように救急車で患者を搬送していた。どぶ板や住宅の窓が次々と視界の外に飛び去る。なので、当然ながら急いでいた。その最中に事件は起きたのだ。つまり、急いでいたから気づかなかった。というのを今さら気づ…
Web会議みたいな画面を眺めている。アイドルの女の子たちの顔がコマ割りで表示。どの子も整った顔立ちなれど、どこか不安な様子。人気あるゆえ、誹謗中傷の標的になりやすい。解決に至らない悩みも多いのだろう。それで、こうして集まって相談してるらしい。…
おれは投げ飛ばされたのかもしれん。その証拠のように、地面に倒れている。すぐ近くに誰かの足首が見える。おれを投げ飛ばしたのはこいつらしい。「だから、そもそも実力からして わしと張り合おうとするのが無理なんだよ」偉そうなことをほざいている。おれ…
未来の図書館。電子書籍を貸し出し、朗読までしてくれる。それが実質無料。もう実現してるが、まだ一部。やがて、それが普通という時代が来るのだろうな。古い情報なんぞ、売るに売れない。むしろ、情報を排除したり選別するノイズキャンセリングこそ商売に…
ラーメン屋に入る。大きなメニューが壁に貼られてある。品数はさほど多くない。どれも量によって4段階に価格設定されている。テーブルを挟んで青年が座っていた。彼は缶ジュースを飲み終えるとその飲み口を自身の胸もとに擦りつけた。そのため、服の一部が…
28番目の行が翻訳ミスなのだそうだ。時間制限により、もう取り消しはできない。(ああ、なんてことをやっちまったんだ!)後悔しきり。映画の字幕か、機密文書の暗号か。肝心なところが、どうもよく思い出せない。それはさておき、裏庭で落葉が燃えている。…
都会の路上で夜遊びに夢中。遊び仲間は芸人だったり役者だったり。ある大物芸人の話題になった。白人男が思い出話を披露する。「おれ、アメリカで知り合ったんだ」「彼のすごさって何?」「たとえば侍になるじゃん。なりきれば もうチョンマゲとかどうでもよ…
窓辺で歯を磨いていた。明け方の空に月と星が並んで見える。この景色はアニメのよう。背後から女房らしき女。「あれ、きれいだよね」否定するつもりはない。「うん。きれいだね」すぐ目の前、月と星の真下に家がある。その庭に巨大な女体が出現した。座って…
電車に乗り込んだところ。座席に座ろうとしたら、車内アナウンス。「ただいま障害が発生しました」爆破されたか、壊れた座席がいくつもある。しかも、肉がへばりついたような惨状。立ち尽くしていると、変な音がする。なんというか、苦痛を我慢しているよう…
エアコンが作る空気は涼しい。ただし、その成分は不自然。自然の一部である人体にとって不自然な空気を吸い続けるのはリスキー。夜明け前など、比較的涼しい頃に窓を開放して換気したい。 Air Conditioner AirThe air produced by an air conditioner is coo…
寝ていたが、眠ってはいない。部屋は暗い。照明もない。すぐ隣に同級生だった男が寝ていた。こいつも眠ってはいない。「おお。かわいいな。好きだよ」おれに気づき、抱きつこうとする。「冗談じゃない」と断る。さらに迫ってくる気配はない。抵抗あるが、悪…
眠い 眠い 眠い 眠い 眠い 眠い 眠い 眠い 眠い 眠い 眠い 眠い 眠い 眠い 眠い 眠い 眠い 眠い 眠い 眠い 眠い アリジゴク Sleeping Doodlebugsleepy sleepy sleepy sleepy sleepy sleepysleepy sleepy sleepy sleepy sleepysleepy sleepy sleepy sleepysle…
どこかで期待している。起こりそうもない何事かを待っている。可能性は少ない。見込めない。それでも諦め切れない。近頃、できないことが増えた。苦痛を伴うため、または望まないため。想いは形にしなければ駄目だ。想うだけでは、やがて消えてしまう。下手…
共同経営者の男と自宅近くまで来たところ。依頼者の若い女も同伴。我々は議論しながら歩む。「そうだ。こうすればどうでしょう」おれは歌い出す。説得力ある歌声ではなかろうか。これで懸念される障害から回避できるはず。「なるほど。それなら私も」女も歌…
不良らしき男たちとツーリング。オートバイに二人乗り、または三人乗りしている。乱暴者なので近寄りたくないけれど 背後から眺める分にはおもしろい。ブーツを履いている以外は裸。日に焼け、ほとんど黒人のような肌。尻を振り振り、暴言を吐く。彼らにとっ…
遺書を残して魔人が消えた。本物ではなく、魔人のイメージを持つ人。彼は、想念の痕跡を残すことで 夢の中でも魔力が続くものと信じていた。よくわからないまま遺書を見守り続けたが それ以降、物語の進展はなかった。 Demon's WillThe demon disappeared, l…
我が家に初めてロボットが来た。高性能最新型人工知能搭載。多機能で、各種センサーも豊富。判断、診断、予測、予報は正確。ネット経由で情報は無限大。最初は抵抗あったが、最終的にロボットの優秀さを認めざるを得ない。我慢強く、意志も強い。なにより対…
心を込めて事に当たれば 包丁で切るのも、鎌で刈るのも それなりに発見があったりして けっこう楽しめる。よく見えるようになる。よく気づくようになる。よく噛んだり よく味わったり よく感じたりもする。現在の時間を細分化するみたいに 意識の密度を高め…
社長と食堂に入り、定食を注文する。すぐに出された皿には、肉と生卵が盛ってある。年配の女将がなれなれしく近寄ってきた。おもむろに由緒正しき食べ方の説明を始める。不意に社長が下着ごとズボンを脱いで穿き直す。横目で、どういうつもりかといぶかしむ…
温泉旅館風なのに、シェアハウスらしい。施錠できない襖戸の部屋を借りている。扇風機が壊れたようだ。部品を調達するため、他の部屋を捜索する。生活感漂うものの、どこにも住人の姿はない。エアコンが主流なのか、扇風機もない。戻った住人と居合わせたら…
筆記式の編入試験を受けている。能力より人間性を調査したいらしい。 冗談みたいな設問ばかりだ。「揺れのない緊急地震速報を非難するか? また、その理由を述べよ」 Transfer ExamI am taking a written transfer exam.They seem to want to investigate hu…
盲目のピアニストがいる。鍵盤は見えずとも、演奏できる。つまり、見えずともできることはある。勿論、それなりの訓練は必要だろう。見えずにできれば、見ずにできる。見ずにできれば、見ずに済ませたい。その分、他のものが見えよう。他のことができよう。 …
友人の故郷を訪れた。地平線の上に霞む山稜が見える。「いいな、遠くまで見渡せて、絶景だ」うらやましくなる。「うちの田舎は狭くてね、四方を小山に囲まれて 盆地の中みたいな気分にさせられるんだ」なにしろ、小さな千の谷だものな。 Distant MountainsI …
タイトルホルダーのプロ棋士と対戦中だ。盤の上に小さな薄い板が重ねて配置されている。視覚的な印象としては将棋に近い。立体的に囲むと駒が取れるルールは囲碁に似る。次の一手で敵の駒を大量に取ることができる。だが、天下のプロ棋士に勝って良いものか…