「昔、ここに火力発電所があったんだよ」わしは孫の未来に語りかける。「じつに大きな建物でな、 もうあんな大きな建物は作れないだろうな」わしのすぐ横で 未来は無言のままブランコを漕いでいる。「わしも見たことないが、もっと昔は どこかに原子力発電所…

わたくしという意識 または現象は 青白き炎のごときもの 闇を焦がし 溜息にゆれ 形 定まらず 燃えておれば あり 消えておれば なし 同名の短い器楽曲に合わせ、自作自演。「ゆっくり生きる」はるさんが動画にしてくださった！元「koebu」むっとろごもたさん…

これは、あなたへの手紙です。私にとって見知らぬあなたへ あなたにとって見知らぬ私がこれより語りかけてみます。不躾で申し訳ありませんがあなたは自分が自分だと思ってますよね。つまり、この手紙を読んでいるのは一人称の自分である、と。それは、そうに…

あっ。読んでくれてる。ありがとうございます、本当に。いやー、あなた良い人ですね。こんな駄文を読んでくださるなんて。いえいえ、とんでもない。滅相もない。本心からそう思っておりますです、ハイ。なにしろ内容ないですからねー。私の頭ん中も行間もカ…

おい、おまえ。なに読んでんだよ。おまえだよ、おまえ。これ、読んでるおまえ。そう、おまえだよ。とぼけた顔すんなよ。あー、まだ読んでる。「読むな」って書いてあるだろが。だから、もー読むなって。意味わからんのか、おめーは。なに笑ってんだよ。冗談…

愛せぬ者を 救う気にはなれぬ 厭(いと)わしき者であれば なおさら己(おのれ)を愛せず 厭わしくさえ感ずるなら 己さえ救えまい同名の器楽曲に合わせ、yayaさんが演じてくださった！ We Cannot Save It People do not feel like rescuing those Who can not be…

自費出版の詩集。通販サイト「Tomeストア」にて販売中。

機械の森には たくさんの自販木 生えている コインを入れると 缶入り果汁が出てきたり 箱入り木の実が出てきたり 偏心カムの風に吹かれ クランクの葉が規則的に揺れる 滑車の枝からチェーンが垂れ てこの原理で浮き上がる根っこ ゼンマイの茂みに隠れ ボルト…

希望は 泡のように ブクブクと 水底(みなそこ)で生まれフワフワと 水中を昇り パチンッと 水面(みなも)で割れて それっきり 消えちゃった。同名の短い器楽曲に合わせ、自作自演。元「koebu」むっとろごもたさんが演じてくださった！Bubble of HopeHope is li…

「明日はどこにあるの？」「たぶん、今日よりほんのちょっと高いところ」「昨日はどこへいったの？」「今、君がしっかり踏んでいるじゃないか！」「ゆっくり生きる」はるさんが動画にしてくださった！（はるさん、ごめん。昨日を追加してタイトルも変えちゃ…

真夜中に うっかり寝ぼけてしまって 合わせ鏡の長い廊下を どんどん どんどん 歩いて 歩いて 奥の奥の その先の奥まで 行ってしまって そこで なんだか疲れてしまって その場に寝転んで すっかり眠ってしまって そのまま 帰れなくなってしまったみたいな み…

宝物のように 大切にしていても 壊れてしまったら もう使えない。 たとえ見た目は 修復できても 心の棚には もう飾れない。 元「koebu」☆まひろ★さんが演じてくださった！元「koebu」nyapipi///aprileさんが演じてくださった！ A Broken ArticleEven if you …

他のことなど考えられずそのことばかり繰り返し繰り返し考えて話は先に進まない頭は尻に生えてないお姉(ねえ)は嫁に行かれないないない尽くしで夜が明けて今朝(けさ)も早(は)よからお馬の稽古(けいこ)ハイシー ド－ド－ハイ ド－ドー元「koebu」宏美（ろみり…

家の中に雨が降っている 部屋の窓から見える空はあんなに青いのに しかも今日はせっかくの休日なのに どうしてふざけてるみたいに 傘を差さなくちゃならないのか そこのところが私にはよくわからない これじゃ昼寝もできやしない 畳も布団もびしょ濡れだ 私…

ハア････ ため息ばかり････ しあわせが 逃げてゆくかもしれないけど 逃げたくなるような しあわせなら そっと 逃がしてやろう。元「koebu」恵田 ユタカさんが演じてくださった！「さとる文庫 ２号館」もぐらさんが演じてくださった！SighPhew ...Only a sigh…

たとえ宝石でなくてもたとえ箱になっていなくてもみんな心のどこかに 見えない宝石箱を持っている元「koebu」yayaさんが演じてくださった！Invisible Jewelry BoxEven if it is not jewelryEven if it is not boxedEveryone has a jewelry box That can not …

「この小説はフィクションである」と小説の中に書かれてあるとしてもその小説が本当にフィクションであるとは限らない。少なくとも、その小説がフィクションであることを完全に証明することはできない。なぜなら仮に、この小説が作者によるまったくの想像に…

募る想いは あるけれど 今宵 なにも言わずに 眠りましょう。 せめて 眠るふりくらい してみましょう。 元「koebu」yayaさんが演じてくださった！ Feelings to Solicit Although There are feelings to solicitTonightLet's sleep without saying anything.At…

踊りたかったからダンサーはダンサーになったはず。 だから踊れなくなったダンサーは振付師になるかもしれない。 だけど踊りたくなくなったダンサーはいったいなんになればいいのだろう。元「koebu」あくとれすびっくぼさんが演じてくださった！Anxious Danc…

うそ泣きの すすり泣きなど してみるに 相手にされず ほんに泣き 元「koebu」yayaさんが演じてくださった！ SobI will sob a lie crying I will not be opponent I really cry

主は 何処（いずこ）より来たり主が 此処（ここ）に在（あ）らずんば 何処へと去りぬ幾億 幾万 幾千の 憂いを 迷いを 災いを 捨て置きしまま元「koebu」アカリさんが演じてくださった！Where Is the LordWhere is the Lord coming from?Where did the Lord g…

自費出版のショートショート集。通販サイト「Tomeストア」にて販売中。

普段おとなしい人が怒ると怖い、という。怒り慣れてないくせに我慢の限界を超えて無理に怒るものだからつい羽目をはずしてしまうのだろう。うちのお父さんが怒った時はひとりで黙って家を出てかなり遠くにある川原まで行って大きな石ころをいくつも拾ってき…

あなた 食べるのね 食べちゃうつもりね あたしは苺いちご)そりゃあ おいしいはずよ でもね でもね まだ食べちゃだめ ほら まだピンクでしょ ここなんか白っぽいし もっとおいしくなるわ もっと赤くなったらね 我慢できないの？ あっ よだれ垂らした ちょっと…

ある日、学校からの帰り道が大きく曲がってお花畑の中を通り抜けるみたいになっていた。「わあ。これじゃ、まるで遠足だね」タカちゃんが嬉しそうに言った。「でも、家に帰れるのかな」トシちゃんは心配そうに言った。「だって、他に道はないもん」わたしは…

好き好んで とぼけた顔してる わけじゃなくて そんなことに 関心持ってる顔に 見せたくないだけ Blurred FaceI do not like blurred face I do not want to show it To the face I am interested in such things