Tome文芸館 Annex

自作読み物を紹介。動画用朗読音声を常時募集。英訳はGoogle翻訳。

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

俺たちの出番

ほの暗い広場。祭りだろうか、夜店が並んでいる。これからチームによる対抗試合が始まる。つまびらかでないが、いわゆる格闘競技。ポイント制になっているらしい。成績により、村における待遇が変わるそうだ。得るものは多いが、失うものもまた多そう。前の…

グラウンドの端っこ

小学校のグラウンドの端っこで 幼い女の子と手をつないで立っている。女の子は着物を着て、おかっぱ頭。母親のようであり、娘のようでもある。教員らしき男が校舎から出てきた。「それ、シュートしなさらんかね」こちらに小さなボールを転がす。僕は小学生に…

時事問題問題

時事問題にいちいち反応する輩がいる。それも定型パターンで。ゆえに、つまらない。つまらないとすれば周囲に失礼。すなわち、マナーがなってない。時事問題とは、つまり噂話。少なくとも、あんたのオリジナルじゃない。せいぜい二次創作。下手すりゃ虎の威…

存在論

我々は神や幽霊を意識できる。だが、それら存在を証明する立場にない。神と幽霊がポーカーするか?神と幽霊と宇宙人と妖精が麻雀するか?うかがい知れぬ世界を議論しても虚しい。 OntologyWe can be conscious of God and ghosts.But we are not in a positi…

うちわブーメラン

帰宅途中、道端にうちわの木が生えていた。2本のうちわを逆向きに重ねたような形の葉。実際、少し加工してうちわとして使える。妙な加工をほどこせばブーメランにもなる。実際、それを空中に放り投げた。同級生の女子たちが歓声をあげる。ブーメランなのに…

集団疎開

田舎に集団疎開した感じ。戦争孤児になってしまったのかも。線路の近くを仲間たちと歩いている。列車がすぐ近くを通り過ぎる。見上げるほど近い。ただし、列車のスピードは遅い。引率の男が線路の間、枕木の上に寝転んだ。列車が真上を通過するも平気な様子…

石塔絞り

家族経営による石の解体屋ありけり。造園工事中の庭にて石塔を解体せんとする。まず次男が解体し、それを長男が持ち運ぶ。最後に棟梁たる父親が組み立てる段取り。次男がノミと金づちで石塔に裂け目を入れた。しかし、あまりに重い。上部だけを地面に下ろす…

白いクルマ

道端に積雪が白く残っている。帰宅の途中、小さな橋を渡る手前だった。橋の近く、本流に小川が流れ込む場所がある。そこに乗用車が現れる。小型の白いクルマである。そのまま押し出されるように本流の川に落ちた。同じ光景を目撃した記憶がよみがえる。橋を…

置いてきぼり

実家の二階にひとり。すぐ隣の家から兄の声が聞こえる。たしか兄の同級生だった女子の家だ。級友たちが集まって歓談しているのだろう。なんとも楽しそうだ。私は仲間に入れない。親しいと呼べる級友もいない。置いてきぼりにされた気分。子どもの頃、こうい…

賠償責任

急な坂道の片端にレンガ造りの家が並んで建つ。中ほどにある家を一軒、爆破して壊すそうだ。実際、その家は爆破されて崩れ落ちた。ところが、その振動で近くの家も崩れそうだ。あわてて巨人になり、身近な家を両手で押さえる。だが、レンガの継ぎ目が次々と…

学生食堂

誘いを断ってまで外出したのを後悔している。あまり親しくもない友人が伝えてくれた。「みんな、残念がっていたよ」彼に従うかのように食堂へ入る。テーブル席には若い女性ばかり。きっと近くに女子大でもあるのだろう。うどんのようなものを注文する。帯の…

異国の子どもら

舞台の前にある駐車場みたいな場所。ここに座ってイベントを見物するつもり。異国の子どもらが話しかけてきた。とりあえず英語のようだ。適当に返事していたが、かなり意味不明。つい「I can't speak...」と言いそうになる。途中で反省して中断。逃げてばか…

引っ越し頭

自宅の中が荷物だらけだ。引っ越しでもするつもりか。友人、知人が手伝ってくれている。坊主頭の医者までいる。その坊主医者がおれの頭を施術しようとする。最初は「散髪する」とか言ってたくせに。輪っかのようなものを頭にかぶせるのだ。孫悟空の額の金具…

次回のために

国際宇宙ステーションにて目覚める。どこかで事故が発生したらしい。出動するつもりで出口へ向かう。宇宙服に着替えた日本人と並ぶ。「よう。今起きたのか?」おれは室内着のままだ。「そうです。今起きたところです」「君の出番は次回になる」「そうなので…

不一致

よくわからん会社に就職した。金融または不動産関係と思われる。昔いた会社の先輩だった男が来訪。懐かしい。近寄って挨拶する。おれは名乗る。「久しぶりです。憶えてますか?」「ああ、知ってるよ」彼は笑顔で返事する。けれど、顔がまったく別人。しかも…

凍った球場

ホームグラウンドでの野球の対戦。ライバルチームが入場してきた。おれはチームの監督。ライバルチームの監督もライバルである。彼はグラウンドの端に透明な液体を垂らした。すると、そこから異変が生じた。樹状突起のようなものが伸びて拡散する。あっとい…

対局後

将棋のタイトル戦のようだ。対戦相手は王者の風格。絶体絶命のピンチ。だが、からくもしのぐ。ようやく勝利の光が見えてきた。対局後、鏡の前に立つ。髪も顔も着物も真っ白な、男の姿。After the GameIt's like a game of shogi.My opponent is like a king.…

安い傘

あたしは雨傘。使い捨てみたいな 安い傘。普段は閉じてる。陰に隠れ 目立たず 慎ましく。けれど 雨の降る日は忙しい。持ち出され 開かれて 恥ずかしいくらい 広げられるの。なんにもないけど 内臓丸見え。骨まで露出。雨が当たる。しずくが垂れる。あたしが…

奇跡の瞬間

ある特殊な技能大会の会場においてこのままでは平凡な結果しか生まれないと考えた主催者が奇妙なアナウンスを流した。「ただいま会場の天井から水漏れが発生しました」これが触媒となり、次々と技術革新が起こる。工法が提案され、配管工事が実施される。集…

持ち方が悪い

競輪場にいるようなタイプのおっさん。「すまんが、ライター、貸してくれんかな」おれは点火してライターを差し出す。たまたまズボンのポケットにあったのだ。だが、自分の指が焼けそうな気がする。持ち方が悪かったのだ。それで、いったん火を消してから手…

鼻欠けゾウ

なにやら仲間と楽しくやっていたのだ。皆と別れて駅前広場に着く。そこに鼻の欠けたゾウがいた。このゾウはおれの所有物だった。少なくとも、おれには監視責任がある。ゾウは怒っていた。「ドン」と前足で舗装道路を踏む。殺すか消すか、とにかく処分せねば…

車両の改造

新幹線が新幹線を積んで運んでいた。貨物列車が普通列車を運んでいたのをさっき見たばかりだから、さして驚かない。駅のホームが車両だらけになった。これもウイルス感染騒動の影響だろう。最近、この駅の近くで火災があったはず。それで、鉄工所が使えなく…

飼犬とチェス

飼犬とチェスを指している。(そんなばかな!)あんたらは思うだろ。ところが、なかなかいい勝負なのだ。いやいや。ベンのやつがすごいんじゃない。飼主であるわしの老いぼれ方がすごいのさ。 「note」yayaさんが演じてくださった! Chess with a DogI play …

名刺交換

数名で市民会館を訪れる。作品の発表会があるらしい。同好のサークル活動の一環のようだ。色紙を切ったり折ったりして作る小物。それらを紹介するチラシの束。会館の職員から食事に誘われる。とんでもないと、婦人たちは帰ってしまった。職員たちと名刺交換…

忍びの犬

赤犬と黒犬が闘っている。どちらも忍者によって調教された忍犬。犬語で赤犬が語る。「我が主に敵対する者は殺す」犬語で黒犬も語る。「おれには二人の主がいる」なにやら意味あるとしても詳細は不明。単純な縄張り争いでないことだけは確か。鎌の柄を咥え直…

仮宿

男女男の3人で外食後、女の実家に戻る。おれと男は女の実家を仮宿にしている。「ああ、腹いっぱいだ」「こんな夜遅く食べちゃって、罪悪感あるね」「そうそう。すぐ寝るわけにいかないな」玄関ドアを開けると、女の弟が上半身裸で出迎え、そのまま夜の住宅…

背中美人

飲み屋の常連客だった男と会社を出る。なんとなく浅草界隈のようだ。いつもの碁会所へ行くつもりだったが 新しい碁会所を男が紹介してくれるそうだ。それらしき建物の中に入る。ハイヒールでスクワットをする背中美人が見えた。Beautiful Back WomanI leave …

人と犬

犬が人の言葉を話す世界があった。そして、ここでは人が犬の言葉を使う。互いに反目する国がいくつかあった。なんらかの理由で戦争が始まる。傷だらけの死体を医者が見下ろす。人と犬の区別も難しい。小競り合いの末、しばし休戦。大将同士による情報交換。…

干物問題

教師の息子が魚の干物の表面に問題を書いた。数学の問題だと思うが、よく読めない。というか、干物に問題を書くことがまず問題だろう。そのせいか、黒人たちが石を投げる。なぜなら、彼らは問題意識が高いから。Dried Fish ProblemA teacher's son wrote a p…

オペラ風

どうも詐欺にあったような気がする。2組の親子関係がからむ。隠しておいたはずのソバの束が発見された。だが、これは交渉で有利に働くかもしれない。オペラ風に怒りを込めて非難する。「泥棒のくせに、ふざけるな」相手も怒り、オペラ風に言い返してきた。…