Tome文芸館 Annex

自作読み物を紹介。動画用朗読音声を常時募集。英訳はGoogle翻訳。

2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

空気感染

新宿駅前を連想させる広場。大勢の群衆が右往左往している。そのうちの一人として歩く。誰かの声がした。「さあ、ご覧なさい」見ると、数人の異様な人物。全身が白っぽい緑色。青銅にチョークの粉をまぶしたよう。編集ソフトで画像加工したみたいな感じ。実…

空飛ぶ棒

木片を組み合わせた電信柱みたいな棒がある。これがなぜかグライダーみたいに空を飛ぶ。しがみついた人と一緒にどこかへ飛んで行く。その飛距離を競うスポーツのようだ。しかしながら、どの形状が一番飛ぶのか実際のところ、よくわかっていない。どうしたも…

二頭の虎の子

最初は古書店のようだった。知り合いの女性が立ち読みしている。「変な本を読んでいるんじゃないだろうな」冗談めかして声をかける。「あら、ごく普通の本よ」なるほど、隙間の多い本棚には立派な装丁の夏目漱石全集くらいしかない。物音したので二階へ上が…

異なる演奏

コンサート会場である。クラシックの交響曲を演奏中。それを中空より見下ろしている。いずこも演奏者ばかりである。観衆の姿はない。客席すら見当たらない。会場の端に楽屋裏みたいな狭い場所がある。電子楽器がところ狭しと並んでいる。そこで若者たちが別…

輪ゴム飛ばし

前後を区別しない自転車みたいなそんな乗り物に乗っていた気がする。ともかく、周囲はそんな乗り物だらけだった。枯れ葉が落ちるような動きをして邪魔されたりして、うまく前へ進めない。ついに転倒したのか、諦めて歩き始める。ゆるい弧を描きながら、なだ…

発明の心得

一 代わりあれば あえて作らず 二 使えるなら なんでも使え 三 つまらんものは いらん 四 できないことは やらん 五 無駄は余計 迷惑は不要 六 己のためより 皆のため 七 苦労してまで 楽せず 八 困ったら まず工夫 九 考える前に 気づけ 十 シンプルが 一番…

2台のカメラ

銀座を連想させる広い通りに座っている。建物から出てきたばかりのような気もする。コンデジを両手に1台ずつ持ち 1台の映りを別の1台で確認している。傍らにはバッグが置いてある。これを盗まれないようにしなくては。さっきまで知り合いの女と会っていた…

お客さん

お客さんがいらっしゃった。いわゆる初老の男である。他の家族は外出している。留守番なので、私が接客せにゃならん。途中、よく思い出せないところがある。定刻となり、帰ってもらうことになった。「では、ありがとうございました」「いえいえ、こちらこそ…

期待させる

歩いていたら、知人夫婦と道連れになる。そして、日頃のお礼をしたいからぜひ家へ寄ってくれ、と誘われる。そう言われてみれば、なるほど彼らの世話をしていたような気がしてきた。正当な報酬を受け取るつもりで あぜ道を渡り、彼らの家へついて行く。ほどな…

乗務員

私は鉄道会社に就職したらしい。9時05分に発車する電車に乗務員として乗車することになっている。実際、その仕事が二日続いた。さすがに三日目はないだろうとのんびり起床して着替えしている。ところが、9時近くになってだんだん心配になってきた。指示され…

変な外人たち

喫茶店の店内みたいな印象。小さな舞台の上、入れ替わり立ち替わりで変な外人たちが素人芸を披露している。日本の有名人の物真似をしているらしい。さして面白くないが、気持ちは伝わる。そのうち若い白人女性が登場する。「日本人男性にサービスします。見…

渚の誘い

携帯電話から呼び出し音。出てみると、近所のご婦人。同じく近所の別の婦人の声もする。近くの海岸を散歩しているらしい。華やかで楽しそうな笑い声。「だから、あなたも来なさいよ」一緒に遊ぼう、とのお誘い。だが、もう日が沈みそうである。それでも、旅…

風船との暮らし

ある部屋に知り合いたちと一緒に入った。 すると、そこにゴム風船がいくつもあった。エアコンからの風だろうか。微風くらいでコロコロ転がっている。ある男は喜び、掛け布団の下に風船を投げ込む。そして、掛け布団の作るトンネルの中に飛び込む。あっ、楽し…

試し演奏

どこぞの楽器店でバーゲンセールをやっている。その店内を友人と一緒に眺めている私。ワゴンの上、楽器入りの箱が陳列されている。試し演奏ができるそうだ。どれどれ、挑戦してみようか。箱を破って取り出だしましたるは弦楽器の一部のようにも見える木製の…

反対車線

途中、兄からの電話で起こされた。ご近所の玄関チャイムで起こされたり 上階の住人の生活音で起こされたりもした。そのために前半の内容は忘れてしまった。あまりに理不尽な仕打ちに怒りもした。さて、家族で帰ろうとしている。反対車線にバスがやって来た。…

カッターで切る

断裁機が目の前にあるにもかかわらず そのテーブルの上で、定規を当て白い板をカッターで切っている。おかしな話だ。しかも、その切れ具合、でき具合を見まわりに来た上司に見せようとさえしている。「おまえの首を切ってやろうか」冗談にしては上司の目が笑…

大学のサークル

大学の研究会というかサークルがあってそこの仲間の学生に仕事を頼んだのだ。マンガ同人誌だったかアクセサリーだったかともかく手作り作品を集めるみたいな内容。それはそれで結果を気にしているのだが 他にも気になることがあり、つい忘れそうになる。とこ…

欄干の上の重心

大きな川の上に架かる橋の欄干の上に立っている。なかなかに高い。なぜか右手を高く上げ足もとから続く棒のようなものを押さえている。目の前、遠くに都市の景観が見える。夕暮れ時であろうか。そこの都市にいるはずの親しい誰かとテレビ電話のようなもので…

灰色の石像

ここは展示会場らしい。誰かと一緒に探しまわっている。物件は不動産のようでもありまたは墓石みたいなものかもしれない。その具体例を示すかのように我が家の庭にあるはずの石像が置いてある。砂岩のような灰色の石像で二体で一組のものがバラで展示されて…

お嬢様

またそれか あんたはいつも そればっか お高くとまって 得意顔 飽きもせずに 気取っては おんなじパターンを 繰り返す そうでなければ すべてダメ バリエーションが 狭いのよ 指摘すれば すぐ怒る 築いた城から 出る気なし 何様のつもり お嬢様 かわい子ぶっ…

拳銃を作る

無論のことオモチャに違いないが なぜか拳銃を作っている。他に母と兄の姿もあり、やはりなぜか家族で競争のように作っている。とは言え、それぞれ一丁の拳銃を誰が最初に組み立てるか、という他愛ない話だ。せっかく組み立てた拳銃を誰かに寝ているうちに分…

デパートで買い物

ある販売員と話をしていてその流れからデパートで服を買った。そのYシャツにも似た背広のような服をハンガーごと手に持ったまま歩きまわる。一階まで下りると、兄によく似た店員の姿。こんなところに兄がいるとは思えない。 ただし、兄はデパートに勤めてい…

着替え中の女流

由緒ある旅館のようである。見覚えある若い女性が到着した。タイトルホルダーの女流棋士ではなかろうか。どうやらこれからここで女流のタイトル戦が行われるらしい。彼女、チェックインの手続きを済ますと 我々がいる部屋で着替えを始めた。女流棋戦は慎まし…

実家で同窓会

なぜか僕たちは二十歳(はたち)。成人式の帰りなのか、男女6人ほど同級生たちが実家に遊びに来てくれた。「お邪魔しまーす」「どうぞ、どうぞ」あるいは初詣(はつもうで)の帰りかもしれない。好きだった女の子もいて、内心とても嬉しい。皆で二階の広間に…

噂の本

シェアハウスで男3人、共同生活している。ごく気楽な仲間だ。あるラジオ番組で、ある本が話題になった。その本の表紙を見たような気がする。捜してみたら出てきた。見つけた本を仲間に見せようとする。すると、一人が先に本を見せる。もっと大きな同じ表紙…

スプレー缶

同好の仲間たちが集まる部室。スプレー缶を顔へ向けて発射してはならない。そんな話を同好の誰かとしていた。すると、そのうちの一人が「こうするのか?」と実際にスプレー缶をこちらへ向ける。「冗談はよせ。バカ、やめろ」制止させようとするが、そいつは…

休日出勤

懐かしいオフィス。休日だから社員はいない。ところが、掃除機をかける音がする。自分の他にも誰か休日出勤しているらしい。現れたは会計事務を担当していた女性。英語の勉強を趣味としていた。黒人男性と結婚し、二児の母となって離婚した。保険の外交員と…

いらない十分

歯磨き粉はいらない。水に歯ブラシで十分。シャンプーとリンスはいらない。シャワーにシャンプーブラシで十分。洗剤はいらない。水かお湯、せいぜい重曹でもあれば十分。掃除機はいらない。ホウキとチリトリで十分。洗濯機はいらない。入浴中に手揉み洗いで…

メダカの学校

大きな水槽がある。小さなプールのようでもある。そして、なぜかテーブル機能がある。周囲に人が集まり、水面で、または水中で会議にも似た各種実験が行われている。水槽につながる水路もある。そこから小さな魚の群が注がれる。メダカであろうか。ゆっくり…

無明

ひとり夜道を歩いていた。 妙に暗いな。 街灯、こんなに少なかったっけ? 交差点の近くまで来た。 おかしい。 信号灯が見えない。クルマの通過する音がする。 なにも見えない。 真っ暗闇だ。目を閉じているわけでもない。 危険だ。 引き返そう。やがて景色が…