Tome文芸館 Annex

自作読み物を紹介。動画用朗読音声を常時募集。英訳はGoogle翻訳。

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

スケート通勤

通勤途中、駅構内を歩いていた。なぜか床が凍ったように滑る。これならスケートできそうだ。実際、通勤靴でホームを滑走する。なかなか楽しい。他の人たちも楽しんでるようだ。もう出社する気になれんな。Skating CommuteI was walking in the station on my…

小鬼の穴

「変な穴があるんだよ」近所のおばちゃんが教えてくれた。確かに自宅の庭に変な穴があった。隣家との境のブロック塀に接する位置にそのまま墓穴になりそうなほどの大きな穴。その穴の底の土が動いた。穴の底の向こう側から誰か掘っている。「おい。なにして…

安易な就活

離職してから就職活動。飛び込みで社長宅に押しかけた。社長と面談して即決。不動産屋で物件を探す感覚。実際、そこの社員寮に入ることになった。社長に連れられ、工場のある事務所へ。作業服を着た年配の重役たちに紹介される。説明を受けるが、どうも理解…

野営

校庭にテントを張って野営してる。申請して許可を得たのだ。予定表を提出して承認されるシステム。常に管理され、落ち度があると減点される。盗難があったらしい。私は管理者から疑われているようだ。荷物をまとめ始める。明日には撤収せねばならない。それ…

スパイのパンツ

スパイ養成所は乾燥地帯にある。少年たちが砂漠の真ん中で特訓中。僕もその一人だ。同じ班の男子からパンツの交換を迫られた。信じられない。呆れてしまう。だが、こういう非常識な状況にも慣れねば国際的なスパイは務まらない。パンツを脱いで彼に手渡した…

町競り

なにやら競(せ)りが始まっている。「電線に鳩が三羽なら、鳩の町だよ」とかなんとか。どうやら町が競りにかけているらしい。しかも、不動産だけでなく、住民込みで。そんなの、いったい誰が買うんだ?Town AuctionSomehow the auction has begun."If there…

マットレスの盆地

スタジアムの中みたいな感じ。盆地状にマットレスが敷き詰められ その上で大勢の人たちが仮眠している。船か飛行機の運航に支障があったのかも。ひとりの男が立って騒いでいる。意味不明な外国語を大声で喋っている。仕草からして、どうやら卑猥な内容らしい…

薄紫の花

中空に浮かぶ駅前広場。花壇近くのベンチに座す。薄紫の花がたくさん咲いていた。なんとなく食欲がわく。紫が濃い先端部分を摘んで食べてみる。甘く冷たくておいしい。向かいに座していた母にも勧める。「これ、伯父さんが植えろと言ってた花だよ」「ああ、…

トイレ事情

共同トイレに入ったが、まともな便器がない。個室になってないし、シャワーだけだったりする。不審な人物が出入りするのも気に入らない。しかし、それでも用を足さねばならない。恥ずかしいが、服が濡れるので裸になる。雑技団のような姿勢もとらされる。性…

狭い机

教室、または事務所。同じ規格の机が横一列に並んでる。肩幅ほどの極端に幅が狭い机。左端の人物が机の右側を使えば 全員が右側に寄る。右端の人物が机の左側を使えば 全員が左側に寄る。これら机の配置には悪意が感じられる。善意ならば、忍耐力の育成か。…

容疑者

「今日は痛みが耐えられない日なんだ」容疑者の男はそう言った。そして、真犯人を特定してから自殺した。「3割の女は諦め、7割の女は怒る」よくわからん遺書を残して。The Suspect"Today is a day when I can't stand the pain."The suspect man said so.A…

幕の内スパイ

私は偽りのセールスマン。ある会社に産業スパイとして潜入する。客を装い、この会社の新商品を調査。経費として購入する場合もある。悪いことをしているとは思わないが その意図を知られるわけにはいかない。ショールームに四輪自転車が展示されていた。奇妙…

折りたたみ郵便受け

手作り品だけを売る店に入る。生きたフクロウが店番をしていた。新作の郵便受けがあった。届いた手紙を内部で折りたたむらしい。折りたたみ方で安全度合いをチェックする。なるほど。近頃、世間は物騒だものな。人格を疑う犯罪事件が多発している。無造作に…

玉虫の菓子

虫を使った菓子が目の前にある。砂糖漬けの甲虫でケーキ表面を覆った感じ。見た目、意外においしそう。ただし、それなりに高価。名のある職人の作と思われる。Jewel Beetle SweetsThere are sweets made with insects in front of me.It feels like the surf…

工場を囲む

ある場所へ行こうとして脇道に入る。目論見は外れたものの、意外な発見があった。昔好きだった女子の実家が建っていたのだ。彼女は社長令嬢。実家は大きく、工場を兼ねていた。大勢の作業員たちが工場を囲んでいた。フォークリフトも重なるように囲んでいた…

白黒の部品

女装を趣味とする中年男がいた。私はセールスマン。彼に自動車部品を二つ売りつけた。黒い部品は硬くて重い。白い部品は柔らかくて軽い。どちらも丈夫。装着したまま車体がひっくり返っても壊れない。ただし、どちらも機能は不明。売る意味も不明。Black and…

制作機材

制作スタッフたちと合宿。音楽または動画関係者と思われる。別れ際、高価な制作機材を譲渡される。使いこなせる自信ないが、嬉しい。いつまで制作できるか、心もとないけど。Production EquipmentTraining camp with production staff.They appear to be mus…

言いがかり

イベント企画について会議中。ある男、つまみの野菜サラダに異を唱える。「猫まんまとはなんですか?」つまらんことにこだわる男に腹が立つ。立ち上がり、その男の頭を押さえつける。「おれの言葉が子どもっぽいんじゃねえ。 言葉にこだわるおまえが子どもっ…

ひしゃく加工

早朝、女と一緒に工場へ潜入。ただし、女はすぐにどこかへ消えた。金属加工の装置や道具が目立つ。少ないものの、工員たちの姿もちらほら。持参のひしゃくを別の形に変えたい。装置の扱い方など、初老の男に指導を乞う。ひしゃくの先端を熱して円盤状に加工…

業務的な角度

イベント会場に到着。誰もいないと思い、洗面台に放尿を始める。しぶきが横にあったゴミ箱にまでかかり、派手な音。さらにその横には、コンパニオンのお姉さん。目が合ってしまった。適当な言い訳も浮かばない。「しっかり角度を保ってくださいね」業務的に…

押入れ人間

知人女性の部屋に不法侵入した。彼女が帰宅した。あわてて押し入れの中に隠れる。押入れの引き戸が開いた。彼女のシルエット。彼女がふとんを押し込む。すぐに引き戸は閉じた。このまま盗聴できそうな予感。Closet HumanI broke into the room of an acquain…

挨拶はいらん

挨拶はいらん。本題に入れ。なんだ。本題ないから挨拶したのか。ふん。無駄に挨拶する奴、おおむねつまらん。 「note」yayaさんが演じてくださった!note.com I Don't Want to Say HelloI don't want to say hello.Put it in the main subject.What?Did you …

壁に向かう

食事は出ないが、社内食堂みたいな場所。壁に向かって座っている。デスクトップからパソコンを除いた感じ。あるいは窓はあったかもしれない。ただし、風景の記憶はない。同僚の女たちが背後で噂している。「えー、違うんじゃないの」おれのニックネームも聞…

ふとんの女

自宅の部屋で目が覚めた。机に突っ伏したまま眠ったらしい。振り向くと、若い女がふとんで寝てる。昔、結婚したいと思った女だ。ああ、そういえば。昨夜、泊めてくれと頼まれたような記憶。会社の飲み会でもあったのか。気づくと、おれも隣のふとんで寝てい…

不正経理

ある事業に参入した管理会社の社員が不正を行っていた。蛍光灯など備品の購入金額を吊り上げていたのだ。その事実を隠そうともしない。どうしたものか。そうだ。そんな管理会社はなかったことにしよう。そうすれば、そんな社員はいなかったことになる。もと…

とどまるなかれ

寝過ぎてはならん。食べ過ぎてもならん。日光に当たらねばならん。たまに汗をかかねばならん。澱んだ部屋は換気せねばならん。クルマがあっても歩かねばならん。とどまるなかれ。たとえそこがどんなに快適であってもいつまでも同じ状態が続けばやがて腐って…

雪落とし

窓から見える冬の雪国の風景。屋根の上に分厚い積雪が残っている。なにやら鋭い音がした。自然現象でなく、もっと人工的な音。誰かが何かの実験をしているようだ。今は思い出せないが、その時には心当たりあった。やがて自宅の大屋根の積雪が滑り始める。い…

運命の一覧表

昔、ある人物と喧嘩して倒した記憶。事実でないが、それによって箔がついた気分。我々は記録と記憶を照らし合わせる。ところどころ一致してなかったりする。空間や時間がずれていたりもする。あるいは未来の記憶だってあるかもしれない。たとえば、仮想的な…

机渡り

同級生だった女に誘われ、花火大会へ。彼女の母親も一緒。橋を渡って川の土手に下りた。川端に整然と机が並ぶ。机は、上の板を残してほとんど水没している。机の上には同級生たちが座っていた。やや離れたところに空きの机を見つけた。「ちょっとごめんね」…

挫折

さっきまで空地で立ち話をしていた。今、その相手はいない。誰だったか、話の内容も思い出せない。そんなのばっか。すでに成された物事を成してもあまり意味はあるまい。少なくとも、記録するまでもない。何事か成し遂げようとして失敗ばかり。満足すること…