Tome文芸館 Annex

自作読み物を紹介。動画用朗読音声を常時募集。英訳はGoogle翻訳。

2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

感想戦

坊主頭の老人と野試合をしていた。将棋によく似た対戦ゲーム。私はなぜか女物の着物姿。頭にタオル地のカツラを被っている。かような状況から推測するに 我々は映画俳優、またはエキストラ。時代劇のロケ班における時間待ちであろう。攻められ続けた我が大将…

暗中八策

第一策 NHKの個別受信料徴収を違法とする事。第二策 選挙参加は申込制の資格試験を必要条件とする事。第三策 高額納税など国への貢献者の議決権を優遇する事。第四策 ベーシックインカムの導入を試みる事。第五策 国営サービスとして安楽死を法制化する事。…

オフィスの窓

オフィスビルの窓が水槽みたいなのは つまり今、外が雨ということね。私はデスクの下にある観音扉の窓を確かめる。窓の隙間から水が漏れないというのは大した建築技術ね、なんて感心している私。なにやら用事あってビルの中を移動して 気づいたら、ちょっと…

揉み洗い

ここは広めの浴室。私の他に一組の中年夫婦がいる。彼らには肉親か友人のような親しみがある。ただし、誰であるかは特定できない。場所柄のせいか、三人とも全裸である。おもむろに私は男の体を背後から揉み始める。かなり恥ずかしい部位をかなり露骨に。そ…

おにぎり屋

夜逃げ店主がまたぞろ食堂を始めたらしい。お祝いがてら昼飯を食べに出かけてみた。あまり大きな店ではない。立ち食いソバ屋ほどの造り。一番高い定食を頼むつもりが、どうも勝手が違う。メニューが極端に限られているのだ。赤かったり白かったりするものの …

正義の悪党

そいつはウルトラマンの仮面をかぶっている。見た目、本物っぽいが、じつは偽物である。なぜ断言できるかと言えば、いかにも悪党だから。とても正義の使者とは思えない。ことに性格が悪い。私の店の正面、ショーウインドウの前で 私が飾り付けた商品陳列を疑…

組み込まれる

我々は組み込まれる。抵抗する術がない。発言すれば発言者となり 黙っておれば傍観者とみなされる。参加すれば参加者となり 抜け出せば脱退者と非難される。良いことをすればいい人で いけないことをすれば悪い人。いつのまにか恋人で 知らないうちに元カレ…

ガラス管

元弁護士が語る講演を拝聴している。ある値が変わると別の値がどのように変わるか ということについて今、彼が説明しているところ。わかりやすい例え話として細いガラス管が登場する。天井を突き破ってのびるガラス管の製造原価がいくら。これが壊れた場合の…

コータロー

野菜のカブをスライスする機械がある。その名前がなぜか「コータロー」なのだった。そのコータローを使い、体育館の中で 生徒かパートさんらしき女たちと一緒に作業をしている。カブではなく、なぜかダンベルを加工している。ともかく、カブは途中から消えて…

失われる血筋

そろそろ洗濯をせにゃならんが 天気が悪いのを理由にまだやってない。曇り空の窓の外、今にも雨が降りそうだ。干して濡れたら干す意味がない。そうこうするうち、兄の具合が悪くなった。寝たまま母親に病状を説明している。「近頃はこのようになるのです」ラ…

差別テスト

全校生徒、皆で筆記テストを受けるんだけどさ、3組の奴らだけはなぜか回答欄がクリアされるんだよ。うーん。どうも説明しにくいな。 たとえば「四角の枠の中に言葉を埋めよ」みたいな設問あるじゃん。あの枠ん中がワイパーで拭いたよに真っ白になるわけよ。…

恋人の斡旋

自室に妙齢の女性と一緒にいる。親しみあるものの、誰とは特定できない。ふたりは絨毯の上に腰を下ろした状態で床に並べられた透明ファイルを見下ろしている。ファイルの中にはポスター大の写真が入っている。年頃女性のポートレートばかりのようだ。恋人ま…

祖母の来訪

実家に親類が集まっている。法事に違いない。老いの目立ち始めたいとこたちの姿がある。父方の祖母まで来ている。父は末っ子で、養子だった母の入り婿。義理の祖父母に実子はいない。父の実家である近所の伯父の家に祖母はいた。父方の祖父を見た記憶はない…

電気炊飯器

ある施設において我々は共同生活をしていた。このたび事情あってその施設を出て 新しい施設へ転居しなければならない。こちらでは食事を用意してもらっていたが 向こうでは自炊しなければならないらしい。同行する一人の青年が不安そうな様子。彼は人類最強…

二重スクリーン

イベント会場のようである。キャンペーン告知の巨大スクリーンを背景に なにやら発表会のような催し物が宴もたけなわ。私は二階席の最前列にいる。ノートパソコンの液晶画面を眺めている。イベント関連のサイトを閲覧しているのだ。しかし、どうも目的のペー…

大工の棟梁

その男は大工さん。震災で傷んだ実家の修繕をしてくれた。ついでに山の畑の崩落も見てもらった。変な話だが、いきさつは曖昧である。契約した仕事の時間が余ったからなのだろう。うちの畑は山の斜面にある。地崩れしそうなひびがあちこち入っている。僕がち…

スナック芸人

やや不思議な状況なのだ。私はスナックみたいな店にいる。テーブル席に数人の女の子たちがいて 売れっ子お笑い芸人と一緒に酒を飲んでいる。かなり酔っていて、かなり騒いでいる。お笑い芸人をイスごと突き飛ばしたりもする。ところが、その様子をそこから離…

夏のコバエ対策

夏に生ゴミを捨てるとコバエがたかる。ゴミ箱に殺虫剤を散いても効果は少ない。そこで思案した。生ゴミとコバエを接触させねば良かろう。生ゴミへの産卵を阻止すれば増えまい。生ゴミが出たら、その都度まとめて しっかり紙に包んで捨てる。水が通りにくそう…

目を擦るなかれ

泣いた時に目を擦るから充血する。泣くだけなら充血しない。そんな記事を読み、眼球の脆弱性に気づく。思っていたよりデリケートらしい。いつも洗顔する時、軽くにせよまぶたの上から手の指で眼球を押していた。疲れたり痒かったり、目を擦ることも多い。幼…

セキュリティ

ホテルのようでもあり、学生寮のようでもある。修学旅行で学生たちがホテルに泊まっているのか。または、高級マンション・タイプの学生寮か。ともかく、ここに危険人物が侵入している、という。あるいは、逃亡中の犯罪者であるかもしれない。ここは建物の中央…

裸同然

中学の校舎であろうか。その木造の渡り廊下を歩いている。なぜか裸同然の姿だ。脱いだばかりの布切れを手に持っているだけ。困ったことに、前方から集団がやってくる。話し声からして、工場のパートさんたちのようだ。こちらに気づいた人もいる気配。いけな…

落穂拾い

人工知能の開発者らしき人物と相談している。ただし、学術的な話題ではなく、商談のようだ。なぜなら、その証拠のような展開が続く。途中、手持ちのバッグの中を調べていると 財布から小銭がこぼれていることを発見。散在する小物をよけながら硬貨を拾う。意…

かわり屏風

ゲーム実況とかゲーム解説をする人がいる。生産的な行為とも思えないので軽蔑していたが 頭の回転の速さとか柔軟性とか、大したものである。(もっと有意義なことをすればいいのに)その賢そうな人が実況の最後にポチ袋を4枚ほど切り、それらを組み合わせて…

暇な工場

GW(ゴールデンウィーク)みたいな連休期間に入ったらしい。けれど、その前に長らく休んでいたので 申しわけないと思って出勤したら、暇だった。パートさんはひとりもいない。同じ部署の正社員もいない。別の部署の正社員たちが臨時に配属されている。作業台のレー…

物議を醸す

盤も駒も手元にないにもかかわらず 僕は西洋将棋を指している。その証拠のようにコンピューター画面の中では ドローンらしき物体が将棋の駒を活発に搬送している。「はて、面妖な」その空飛ぶ物体は水も運んでいるようだ。どこかの被災地の難民の喉が渇いて…

出口

ここではないどこか ここよりマシなはずのどこか そこへ行きたい。 そこへ行かねばならない。 どうしても・・・・ 要するに僕たちは出口を探していたのだ。 とりあえずここから抜け出したくて。 いや、過去形ではない。 現在進行形で、まだ諦めていない。 諦めた…

交差点の駐車場

バイクに乗っている。交差点を過ぎたところで反対車線へ移るつもり。すぐ手前に横断歩道があり、信号機によるためか どちらの車線にも一時的にクルマは走っていない。今がチャンス、とばかりに反対車線にUターンで移る。信号は赤、右端に停止する。すなわち…

仲間たち

おれたちは仲間だ。誰とでも一緒に遊ぶことができる。なんとなれば、かなり深い関係さえ結べる。性的にせよ、精神的にせよ。それを拒むことも、お互い滅多にない。嫌悪感あったり、嫉妬しないわけでもないが お互い様であり、我慢するところは我慢する。我慢…

競りの人

その人は彼または彼女、あるいは 私またはあなたであるかもしれない。ともかく、はっきりしないその人は 高価であろうところの物品を競りにかけている。具体性がなく、象徴的な概念のようでもある。ただし、どうやら売るつもりはなさそうだ。その証拠に、か…

配線通す

削る 壊す 穴あけて 配線通す 劣化する 湿潤 カビ生え 乾燥 ひび割れ 煮ても 焼いても 蒸しても 干しても 腐っておっては 喰えやせぬ 自作自演。Wire ThroughSharpen, break, perforate, wire through, deteriorate.Wet mold growing, dry cracking.Even if …