Tome文芸館 Annex

自作読み物を紹介。動画用朗読音声を常時募集。英訳はGoogle翻訳。

楽しい話

新車のプレゼント

知人夫婦が新車を買った。見せてもらったが、おしゃれな塗装デザイン。プレゼント包装のような縦2本の結束帯とリボン。色の組み合わせも上品。こんな展開もあるのか、と感心する。乗車して去らんとする彼らに拍手する。さらに親指を立て、Goodである、と伝…

飼犬とチェス

飼犬とチェスを指している。(そんなばかな!)あんたらは思うだろ。ところが、なかなかいい勝負なのだ。いやいや。ベンのやつがすごいんじゃない。飼主であるわしの老いぼれ方がすごいのさ。 「note」yayaさんが演じてくださった! Chess with a DogI play …

カジノのガードマン

おれはしがないガードマン。カジノで職務中、五百円玉が必要になった。で、手持ちの小銭を集めて店員に申し込むと「両替はやっておりません。ただし・・・・」おれはすぐに察した。「そうか。プレイすりゃいいのだな」千円札でお釣りに五百円玉をもらえばいい。…

団地の探偵

団地にひとりで住んでいる。団地は社会の縮図。喜び悲しみがあり、犯罪もある。で、団地専属の探偵を始めた。管理組合に売り込んだのである。まず最初は、ゴミ出しルール違反の犯人調査から。最初は手作業だったが、らちあかない。総会で強引に嘱託(しょく…

芸術祭

どこぞの村祭りの帰り道、美女を発見。 道端の土手の上、悩ましいポーズで寝そべっている。 一糸まとっていたかどうかという程の裸体。 悩ましく蠢く見事なプロポーション。 カラースプレーで吹き付けたようなドーラン。 白を基調として赤や紫、黄色に緑も。…

雀の学校

教室で外国語の授業を受けている。英語のようなドイツ語のような。外人教師は黒板の前で楽しそう。ラップしながらダンスしてる。生徒たち、黒板に書かれた文を歌うようにリピート。音楽の授業で合唱してるみたいな。まるで雀の学校だ。やはり何事も、基礎か…

宴会芸

宴会に参加している。演芸大会みたいなイベント。お笑いコンテストではない。もっと自然発生的なもの。とにかく、面白かったその演者の芸は最高だった。久しぶりに大爆笑。傑作だと思った。ただし、内容は忘れてしまった。演者の風貌も思い出せない。ただ楽…

極楽の雪

それは夢の中で見たようなシーンだった。実際、ある夢の途中で見たのである。あまりにも映像的に見事だったので これは決して忘れてはいけない、と思った。だから、その次の夢でも思い出した。早くメモしなければ、と目覚めたのである。話の前後の展開は忘れ…

余裕でKiss

ライトノベル調の学園ドラマ。自主的に入学してもらうつもりで年中が文化祭気分の高校に彼女を連れ込む。同級生に紹介すると、そいつは素早く彼女の唇を奪う。「へっ、どんなもんだい。余裕でKissよ」彼女が放った平手打ちをサッとかわし ナイスガイを気取る…

学校は今

政府の教育関係行政機関の窓口へ書類を提出する。とまあ、そのつもりだったのだけれど納得できる成果を期待できない気がして取りやめる。職員を観察するに、ここでは学童に対して家畜に対するような偏ったしつけを施そうとしている。つまり、いい加減な判断…

歯ブラシニスト

彼はバイオリニスト。ただし、演奏の腕は並以下。たまたま寝ぼけて歯を磨いていたところ なぜか歯と歯ブラシで名曲を奏でてしまった。ごく微かな音ではあったが あいにく彼の耳は並以上なのだった。それからなのだ。彼が馬毛の歯ブラシでヴァイオリンを弾く…

由緒ある神社

「こちらの神社は由緒ある神社でありまして」彼女は雇われガイドであろう。「あの、すみません。水を飲みたいのですが」「では、ご案内します。どうぞ、こちらへ」鳥居をくぐり、奥へ進み、石段を下りる。そこに水飲み場があった。参拝者が身を浄めるために…

発明品の紹介 「コンパス杖」

今回、紹介させていただく発明品の「コンパス杖(づえ)」は足の不自由な方かた向けのこれまでにないタイプの杖つえです。2本の杖が間隔を置いて一体となった構造。基本の形状は、物を挟はさむ道具、トングに似ています。では、使い方を説明しましょう。ま…

JKの生態

ちょっと教室とは思えない。たとえば旅館の板の間のような印象。なにやら廊下も部屋も すべて床が赤いもので濡れている。ケチャップでなければ、缶詰のトマト。または、肉なしミートソースを連想させる。女子中学生でなければ、女子高校生。いわゆるJKが犯人…

女優の卵たち

演劇の千秋楽であろうか。 会ったこともなかったネッ友の女性が舞台に立っている。 「また次の舞台にも出ていただきたいな」 そんな言葉を国民的に有名な女優からいただいている。 彼女の嬉しそうな表情が遠目にも見える。 これはおそらく願望をともなう夢で…

色彩の魔法

紅葉の小道を歩いている。 魔法使いの娘にでもなったような気分。 前方には母親や姉たちが 他愛(たわい)なくお喋りしている姿が見える。 彼らを驚かしてやりたい。 近くを通りつつ、色彩の魔法を使う。 色とりどりの葉に指を触れると 大きさと形を変えなが…

不自然な自然公園

何気なく立ち寄ったそこは 管理された自然公園みたいなところ。林の中のはずなのに木立ちで区画されていて それぞれが部屋のように見える。丸太や切り株が山積みになった倉庫とか 明るい円形舞台のような場所もある。声の大きな男の人が誰かと話している。こ…

宴たけなわ

演劇らしき、その千秋楽を終えての 打ち上げに参加しているような感じなのだ。 あるいは、その宴会での余興だったかもしれない。 舞台の下手から坂道を上るように登場しつつ 団員たちにねぎらいの言葉を述べる。 「いやあ、みんな良かったよ。 これまでは稽…

恋の季節

教室みたいな室内には大勢の人の姿がある。 なんだか調査されてる気がしないこともない。 とうとう自分にまで順番が巡り 指名され、アカペラで歌うことになった。 辞退できないわけでもなさそうだが 「恋の季節」という昔の歌謡曲を歌い始める。 ♪ 忘れられ…

枕の中の砂漠

そばがら枕に頭をのせると 砂のこぼれるような音がする。 枕の中に砂漠が広がっているみたい。 砂漠ならフェネックが棲んでいるだろう。 キツネの仲間としてはもっとも小さいくせに もっとも大きな耳を持つ。 地下にトンネルを掘って日中の暑さをしのぎ 涼し…

たわごと

なんだか、ほれ、酔っぱらってんだな、これが。 ベルギーだったか、フランスはパリだったか 「飾り窓」と呼ぶのかな、娼館みたいなのがあって これがつまり、歴史的重要建造物なのだそうだ。 よくわからんが、そこを訪れたわけだ、ひとりで。 そしたら、安っ…

嘘みたい

変な女がいて困っている。 いわゆる嘘つき女なわけだが はっきり嘘つきと断言できないので困る。 先日も首がまわるみたいな話を始めて 「体罰として首をねじりましょう」などと言う。 「いや、それは危険でしょう」と言い返すと 「なんの、一回転ぐらいなら…

そんなキャラ

「やるやる」と言いながら 決してやらない彼について考えていたのだ。「それでは信用を失うよ」と忠告しても 「そういうキャラだから」と改める気配もない。そこそこ人気あるから気にしないのだろう。人気が落ちたらどうするつもりか。ところがこのたび、そ…

列車の屋根の上

おれは列車に乗っている。ただし、車両の屋根の上に寝転んで。さる貴婦人の命令で、そういうことになったのだ。他の乗客ともめごとがあった、という背景はある。どうやら暴力沙汰があったようだ。ともかく、列車の屋根の上は勝手が違う。まず、動力が不明。…

奇特な集会所

友人に誘われて訪れたその家はじつに大きいのだった。間口は広く、靴脱ぎからすぐに畳の大広間になっている。この家の持ち主は資産家であるが奇特な方で ここを無料で集会所のように使わせているそうである。出入り自由、子どもから老人までにぎやかだ。ある…

温泉の効能

効能のデパートみたいな温泉があるというので 病気のデパートみたいな私が訪れないわけにはいかない。さて、やってまいりました。なぜかデパートの地下2階にあった。ショッピングカートが脱衣カゴ。いや。ショッピングカートによく似た脱衣カゴ。壁の効能書…

変な貼り紙

私が疲れてウトウトしていると 私の乳首にピンポンダッシュする人がいます。ビックリして変な声が出ちゃうので 絶対にやめてください。 元「koebu」ぱんさんが演じてくださった! Strange Pastry PaperThere is a person who is Ding Dong Dash to my nipple…

腕を組んで考える

考え事をしていた。腕を組んで考え続けた。そのうち眠くなってきた。腕を組んだまま寝た。眠りながらも考え続けた。起きたら腕がはずれなくなっていた。いかん、いかん。腕を組んだまま寝てはいけなかったのだ。さて、どうしよう。腕を組んだまま考える。い…

観光バスのガイドさん

いかにも観光バスの見てくれながら ちっとも名所旧跡を走ってくれないバスなのだった。「ただいま皆様の右手にチラリと見えて通り過ぎましたのは ご近所の方々のみ知る、名もない佐藤さんのお宅でした」バスガイドさんが笑顔で説明する。「あいにく、わたく…

夜遊び

残業で疲れて帰宅すると 高一になったばかりの娘が出かけるところだった。「あっ、パパ。お帰りなさい。 チーちゃんの誕生パーティに誘われたから、行ってくるねー」「おいっ」娘は振り返りもせず、短いスカートをはためかせ コウモリさながら夜の闇の中へ飛…