Tome文芸館 Annex

自作読み物を紹介。動画用朗読音声を常時募集。英訳はGoogle翻訳。

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

黒い女の顔

廃墟のような屋内を散策している。ボンドガールのような黒人女がついてくる。男子トイレに逃げ込んでもついてくる。振り返って注意する。「ここは男子トイレですよ」女にためらいはない。「いいのよ、そんなの、どうだって」猛獣のような黒い女の顔が迫りく…

名前が違う

実家に親類縁者が集まっている。そこへ友人が来訪。法事があるため、一旦帰ってもらった。二度目の来訪。まだ法事は終わっていない。しかし、二階へ上がってもらうことにした。友人の名前を呼ぶ。しかし、記憶が一致しない。そんな名前ではなかったような気…

バスでコンクール

中学の同窓会旅行みたいなバスの中。作品コンクールが行われているようだ。車内で私の読み物が朗読された。理由は不明ながら、この原稿のコピーを入賞者に手渡さねばならんらしい。でないとコンクールが成立しないそうだ。どこでコピーしようか。その前にプ…

懐かしい

押絵と旅する男の短編小説を読んで懐かしい時代や場面を旅していた。そして、とある駅のホームにひとり寝袋を穿いたまま立っていた。気配を感じて振り向くと、すぐ隣に懐かしい友人が少年の姿で立っていた。驚いた。しかも、学生服姿。「えっ? どうしたの?…

翻訳管理

アパートの管理人をやっている。住人から問い合わせ、というか通報があった。老女が変なこと言ってるがなんとかならんか、と。老女は息子の嫁と反りが合わないためここで独居生活を続けている。高齢のため、近頃ではゴミの分別もままならぬ。「部屋を単語、…

シートがベンチ

電車が駅のホームに停まった。乗換駅のようだ。乗っていた電車のシートがそのままホームのベンチになっている。元同級生の男が携帯電話に語る。「今夜は帰れないから駅に泊まるよ」最終電車だったようだ。向かい側に停車していた電車のシートも可及的すみや…

ドブ板返し

なにやら集団行動。広い床に正座させられ、説教を受けている。上層部において口論が始まった。誰がリーダーになるか、もめている様子。こんなところにいても仕方ない。隙を見て逃亡する。通気口のような狭い通路を移動。異変を感じてドブ板の上に降り立つ。…

カエルとバッタ

テーブルの上にタッパーがある。広くて浅くて半透明。タッパーの中には緑色の生き物がいる。カエルとバッタ、合わせて10匹ほど。それらがタッパーの外に出ようとする。実際に数匹テーブルの上に出てしまった。フタがしっかりはまってなかったようだ。生き物…

気になる現場

土木工事現場である。本日の作業は終わったようだ。作業員らがどうやって帰るのか、気になる。新入りの若い三人はトラックに便乗するらしい。よく思い出せない小物についても気になる。三つに折りたたむ便利な道具だ。作業員らは気にならないようで 屈託なく…

本にすがるな

難しい本を読んでも賢くなれるわけじゃない。たくさん本を読んでも既存の知識が増えるだけ。それでも楽しいのなら読み続ければよい。ただし、つまらなくなったら諦めろ。本にすがるな。期待するな。しがみついてまで読むもんじゃない。むしろ、目を閉じて考…

樹冠の上

おれたちは向こう側の人たちと争っている。町名も知らない隣町の住人たちだ。どちら側も武器は持っていない。ただ徒党を組んで前進するのみ。我々は一本の大きな木を挟んで対峙した。これを越えて進出した側の勝ち。それが暗黙の了解のようになっている。こ…

小物入れ

とある女子寮の一室。暖炉の周囲を飾るように小物入れが置いてある。レンガ色の陶製で、家の形をしている、いくつかある小物入れのそれぞれは寮のそれぞれの女子の性器に対応している。フロイト的な象徴として。ある女子が自分の小物入れを割ってしまった。…

道徳論

ある事件が起きた。彼はその被害者だった。大けがを負った。社会的地位を失った。または、自殺して亡くなった。そういうこともあろう。よくある話だから。ところで、可能性のひとつとして 彼は私であったかもしれない。または、彼はあなただったかもしれない…

英訳募集

Twitterを眺めていたら世界的に有名な日本の作家がさえずっていた。自作の短編小説を英訳して欲しいようだ。おかしな話だ。彼は翻訳家でもあるので英訳も得意なはず。それに、それは古い作品なのですでに英訳されているのではなかろうか。まあ、気持ち、わか…

区切りの窓

ここは理科室。隣は音楽室。区切りの窓は曇りガラスとカーテン。その窓に人影が映る。音楽室に誰かいて、それは女子。掃除をしているような気配である。こちら側には男子が数名。これから昼食をとろうとしている。知り合いが味噌汁の椀(わん)を持って席に…

ゲーム合宿

合宿してゲームに励んでいる。ジャンルは多様。花札のようなギャンブル寄りのものもある。ビリヤード台みたいなテーブルの上ではカードを弾き飛ばすゲームが行われていた。だが、おれはどうも乗り気になれない。ルールを憶えるのも億劫だ。合宿の最後には筆…

障害

お札のような紙に何か書いてある。一行の短い文章である。文中の「障害」の「障」だったか 読み仮名の「しょう」を改めよ、と指示があった。それによって呪術的な効力を強化するそうな。「はて?」これに異を唱える男ありけり。事実、「しょう」以外の読み仮…

枕投げ

場所は屋内なのか屋外なのか定かでない。正三角形の頂点の位置にそれぞれが立ち、男3人で枕投げをしている。一人は大きな額で、いかにも頭が良さそう。もう一人はのっぽだが、印象は薄い。受け取った枕をどちらに投げるか?頭を悩ますのはそれくらい。おっ…

模擬試合

グラウンドで野球の模擬試合。ピッチャーとしてマウンドに立つ。監督は一軍レギュラーを決めるつもりだ。いいところを見せてやろうではないか。非力だが、そこそこやれそうだ。ところが、油断してボールを見失った。回転する毛糸玉のようなものが空中に見え…

逃走ルート

男からタバコを奪い、新聞紙に擦りつける。消火するつもりが、くすぶり続ける。最初、レスリングをするつもりだった。だが、対面してみると、その気になれない。どうも相性が悪いようだ。枕付きの台車を押して、ひとり野に出る。ところが、ここは軍艦の甲板…

殺人注射

社内旅行で泊まった旅館にてクラスター発生。死体のような皮膚の色になった者が数名。言動も怪しく、ほとんどゾンビ。組織の一員として予防接種を受けねばならない。しかし、その予防接種が病原ではないか。白人男性の医師が入室。おもむろに注射器を取り出…

新車のプレゼント

知人夫婦が新車を買った。見せてもらったが、おしゃれな塗装デザイン。プレゼント包装のような縦2本の結束帯とリボン。色の組み合わせも上品。こんな展開もあるのか、と感心する。乗車して去らんとする彼らに拍手する。さらに親指を立て、Goodである、と伝…

なんなのさ

だから なに つまり なに だから つまり なんなのさ 挨拶はいい 前置きもいいあんたのことは どうでもいい 早くしろ 暇じゃないんだ 余計な話は す る な わからない 伝わらない 話が見えない 眠くなる だから なに つまり なに だから つまり なんなのさ Wh…

廃墟のバラ

帰郷したら、実家は廃墟になっていた。床板をはがすと、包装されたバラが一輪。おそらく兄が隠しておいたのだろう。猿人が現れ、土砂を投げつけ、逃げた。「なんでそんなことするんだ!」返事はない。言葉が通じないようだ。Ruined RoseWhen I returned home…

保険証

退職した工場を久しぶりに訪問。そこで思い出す。後輩から借りた保険証を返却せねば。彼は別の工場にいるとのこと。「呼んでやろうか?」申しわけないので自分で届けると伝える。保険証も持っている。だが、待てよ。後輩もすでに退職したはず。Health Insura…

妖怪断裁部

室内で運動会が行われている。妖怪の家族が参加しているそうだ。私は司会者、競技進行役。子どもらが出場する競技のためにニンジンを均等に切ってもらう必要があった。すでに板状に切ってあるニンジンをさらに8等分してもらわなければならない。断裁部の担…

研究所の浴場

研究所に無断で泊まり込んでいる。職員でもなければ研究者でもない。広大な割に人が少ない施設なので 隠れるように潜入しているわけなのだ。その共同浴場にいたら、変なのが入ってきた。顔にスカーフを巻き、サングラスをかけた男。昔の特撮動画の怪人、ケム…

腹這いサーフィン

雨上がりなのか、舗装道路は濡れていた。しかも、一面に薄く水が張った状態で。僕は嬉しくなり、勢いをつけて滑り込む。そのまま止まらずに歩道から車道に出た。腹這いの姿勢で広い車道を滑り続ける。これは爽快。愉快だ、愉快。下り坂でもないのにスピード…

彼女の店

彼女の店にお邪魔した。雑貨もある洋装店という感じ。会食できるようなテーブルもある。そこに座って誰かを待っていた。店の客と談笑などしながら。そのうち眠ってしまった。ふと目覚めても変化はない。「あいつ、来なかったかな?」帰り際に彼女に問う。「…

白いトルソー

ある大学がある企業と組んで共同研究開発。ただし、研究内容については極秘。なんとなく白いトルソーのイメージがある。近頃、プロジェクトは行き詰っていた。それを打破するかようにランプシェードが登場。チームの誰かが持ち込んだものらしい。これにより…