Tome文芸館 Annex

自作読み物を紹介。動画用朗読音声を常時募集。英訳はGoogle翻訳。

2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

拒絶反応

だめなんです ホント ホント 退屈すぎて 飽きちゃって 先が読めたら もう読めない おもしろそうなら いいんですけど つまんないから 投げ出すわ ワンパターンは遠慮してね 子守唄より眠くなる お黙りなさい あっちへ行って ブロックするわよ もう削除 Reject…

抜け馬

陣取りゲームの お馬がホイ ホイホイホイホイ 人参いかが では一本 ガシガシかじる ボコボコなぐる にっちもさっちも いきもうさん 平塚 登戸(のぼりと) 牛久(うしく)に我孫子(あびこ) あれ 蜘蛛(くも)が ワサワサ毛深い モゾモゾ這うよ そら 逃げろ…

手で洗え

セッセ セッセ 洗濯するぞ サッサッサッ 洗濯機なんざ いらねえよ 洗剤だって いらねえよ サッサ サッサ 手で洗え 下着は肌着 からだと一緒 本人が 風呂場で洗えば いいんだよ セッセ セッセ 手で洗え 靴下は 裏返して洗い まんま干せ そとづらなんか 気にす…

ダンゴ虫の回転

仲間と電車に乗っている。 そのうちの誰かが刃物を持っていたようだ。 同乗していた他人を傷つけてしまった。 若い女なのに、なぜか完全な白髪。 うなじの近く、白髪の一部が赤く染まっている。 どうも故意ではなく過失らしい。 痛みもないのか、彼女は気づ…

魚の肉

谷川で釣った魚を持ち帰ろうとしていた。名も知らぬ大きな青白い二匹の魚。「その魚、喰っちゃなんねえ」ひとりの貧相な男が現れた。地元の村人だろうか。「その魚の肉を喰うとな、腹の中で生き返って 内臓を喰い破って出てくるだよ」本当だろうか。まさか。…

女医と入浴

私が倒れたのだったか、なんらかの理由で担当の女医と一緒に入浴している。正確には、二人とも裸で浴室の床の上にいる。二匹の猫が向き合ってじゃれてる感じ。なぜか体を洗ってもらっているようだ。おそらく介護の一環ではなかろうか。そこへ帰宅したばかり…

寝過ごし

わたくしは不思議な世界の中にありまして集団行動における孤独とでも申しますか迷い戸惑い寄る辺ないのでございます。生きるための方向性のような確信もなく死ぬための決意なども掴みどころなく双方ともにつかず離れずであります。ああ、それにしてもついい…

廃部の理由

ある運動部の廃部が決まった。理由は不明だが、誰からも反対の声はなかった。この件については話題性もあり某全国紙の新聞記者から取材があった。主将らしき青年がインタビューに答えている。「それはつまり、そうなるべきだと思えたからです」顧問らしき男…

パン屋の手伝い

パン屋を手伝っている。製造は無理なので、とりあえず販売。常連客らしい中年女から問われる。「おいしいパンの硬さはどれくらい?」彼女は買ったパンにクレームを入れてきたが私の返答によっては再注文しそうな気配。「じつは私、まだ見習いで詳しくないの…

宇宙ゲーム

いかにも賢そうな女子とボードゲームに興じている。数学の素養が必要とされる対戦ゲーム。宇宙の神秘を表しているらしい。盤上のポイントが加速度を伴って落下したりする。物理法則がルールのようだ。ただし、論理的な正解が心理的なそれとは限らない。あれ…

仮想の火葬

つまり、考えが甘いのだ。良いからやるではダメなのだ。状況が現時点よりプラスになるとしてももっとプラスになるチャンス、見逃すべからず。面白いから良いでもない。もっともっと面白くなったかもしれないのだ。下を向いてコインを拾い集め続けるつもりか…

シェアハウス

二人の若い女が寝ている。遊び疲れたのか、眠っているようだ。おれの他に男がもう一人。こいつは起きている。一緒に酒を飲んでいて終電がなくなりよくわからない宿屋に泊ることになったのだ。この男といると、どうも落ち着かない。それどころか、かなり不安…

北斗七星の構え

机上の盤上にカードを並べている。カードには星が描かれてある。これぞ、北斗七星の構え。定石化された序盤構想である。屈辱的なハンディキャップを活かしたオーソドックスな作戦だが、なかなか勝てない。有利な展開になるはずなのに、いかんせん読みが浅く…

後輩を止める

オフィスで仕事をしている。納期が間に合うかどうか、というところ。後輩が営業車で外出するのが見えた。じつに頼りない男である。先輩に問い合わせてみる。「あいつが出かけますが、いいんですか?」先輩は驚いた様子。「いや。それはまずいだろ」あわてて…

すねに傷

ネットで調べ物をしていて偶然、気になる記事を見つけた。掲載された画像に見覚えがあったのだ。それは過去に自分が撮影した写真。誰かを非難するために送った記憶がある。その送りつけた相手が書いた記事のようだ。送り主を特定するのが目的と思われる。た…

集団ボルダリング

ここはビルの一階にある駐車場。友人と一緒だった。見上げると、変なものが天井を這っていた。マンゴーを半分に切ったような形。ツバメの巣のようでもある。それにしがみつくように甲虫もいる。どうやら、中に数匹の甲虫がいてヤドカリのように集団で移動し…

過大評価

ここは大学のキャンパス。テーブル席に座って考えていた。おれは何をしているのだ。何もしていないではないか。突然、近くにいた学生たちが騒ぎ出した。おれを指さしながら大陸系の外国語で喋っている。あいかわらず、大声のオーバーアクション。どうやら、…

知の格闘

この対戦ゲームは一種の格闘技。ただし、体力の差はあまり勝負に影響しない。むしろ、意識する力、精神力が重要となる。もっとも、精神力も体力の一部ではあるが。とりあえず、先手を取ること。後手に回ると、いつまでも振り回される。なので、事前に作戦を…

パン焼き窯

パンを焼いている。蜂の巣構造に配置された窯(かま)の中から次々とパンが焼き上がってゆく。パンが焼き上がった順番にその窯が置かれた位置を通れるようになる。それらのつながりを通路として若きパン職人たちの快進撃が始まる。勿論、話はイースト菌で膨…

玉子かけご飯

都内の学生街で商談でもあったのだろう。近くに職場のある友人と昼飯を喰うことになった。二人の女が忙しく調理している。カウンター席に座る。メニューがよくわからないので常連らしい友人に適当なのを選んでもらう。「玉子かけご飯と野菜盛り」ほぼ注文と…

ピーナッツの殻

僕たちはピーナッツの殻の構造を持っている。中身からっぽ。豆どころか、まったく何も入っていない。いや、謙遜でもなんでもなく。もし僕たちが何事かを成そうとすれば、必ずピーナッツの殻構造であることの制限がつきまとう。実際、僕たちがやれることは限…

椅子の持ち込み

どこぞの業者が数名、椅子を持ち込んで来訪。「立ち話は疲れるので」打ち合わせをするつもりらしい。近く予定されている修繕工事の見積りの件か。「なんだか寒いですね」「ホント、寒いわね」彼らには室内温度が低いと感じられるようだ。部屋のエアコンの設…

一泊の客

昨日から二人の知人が我が家の二階に泊っている。老齢の婦人と中年の婦人。印象からして、母親とその娘ではなかろうか。今日の昼頃、二人はおいとまする予定。そろそろ声をかける頃合か。さて、二人が使った布団をどうしよう?シーツやカバーを洗うべきだろ…

見えない迷路

結婚という名の迷路の中であなたは行き場を見失っている。そこは回廊、そこは袋小路。罠があったり、怪物いたり。何もないところに必要が生まれ幸せとともに不安や恐怖も現れる。「こんなはずじゃなかった」あなたはそう思うだろう。あなたは壁を破るかもし…

交換パーツ

我々はシステマティックだ。自他の一部を交換して共有できる。彼の腕と彼女の脚を自分の肉体に組み込める。逆に、自分の一部を他者へ組み込むことも可能。積み木や組み合わせパズルのようなもの。単体として独立を目指す必要はない。要するに、我々は交換パ…

埠頭に接岸

港の埠頭(ふとう)らしき場所。そこへ板状の流氷のような浮島が沖より現れた。ゆるゆると近づき、ついに接岸した。某国からの侵略に違いない、と野次馬が騒いでいる。はて、そうだろうか。地震でどこかの埠頭が千切れただけではないのか。または、墜落した…

大笑い

点と点とを直線で連結するみたいなルールの陣取りゲームをしている。対戦相手は、おそらくAI。人格が感じられないほど正確無比な人工知能。負け続きだが、今回、じつに上手く技が決まった。嘘みたいな大模様が出現し、思わず大笑い。ところが、意外な反撃…

荒野の棒

荒野の真ん中に1本の棒が立っている。蛇口があるわけではないのに散水栓を連想させる。その棒に触れると、絵の具チューブが破れたようにゲル状の膿のようなものが勢いよく溢れ出る。それはミミズみたいで、とても飲食物とは思えない。だったら触れなければ…

負い目

そこは小料理屋みたいなのに風呂場なんかある。とりあえず食事の前に入浴させてもらおう。脱衣所のところで調理場の店主と目が合った。「ああ、先にひと風呂浴びますね」「あっ、これはどうも。どうぞどうぞ」そう返事した彼は、なんとなく緊張した様子。な…

いわく言い難い

どこぞの組織が開発した特殊プレート。俺が小さな1枚を持ち、相棒が大きな1枚を持つ。それぞれ単独でもそれなりの機能を果たす。組み合わせると、いわく言い難い効果を発揮する。とにかく、そういうことだ。性能はプレートの大きさの累乗に比例する。詳細…