Tome文芸館 Annex

自作読み物を紹介。動画用朗読音声を常時募集。英訳はGoogle翻訳。

2013-11-01から1ヶ月間の記事一覧

枯れ葉

私はポプラ。枯れ葉舞う並木道。すっかり道が舗装され 枯れ葉がゴミになっちゃった。 ゴミじゃない。 ゴミではなかった。散って 舞い落ちて 地面を覆って それでそのまま なんの問題もなかったはず。 どうして迷惑がるの? どうして掃いちゃうの? 枯れ葉を…

古都の秋

紅葉の季節に古都の街並み歩めば 観光地らしう雅(みやび)な琴の音(ね)聞こゆ 「ひさしぶりどす」「おいでやす」なにはとまれ馴染(なじみ)の老舗(しにせ)旅館に泊り 芸者太鼓持ちなんぞ呼んで騒ぐぞかし 「ここはどこどす?」「ここは古都どす」きっぱり散ら…

元気な子

元気な子が元気に歩いていると 元気ない子を見つけました。元気な子は元気ない子を元気にいじめました。そのため、元気ない子は元気なく泣きました。元気な子がどこかへ行ってしまうと 元気ない子は思うのでした。もっと元気になりたいな、と。その願い、神…

なるようになるだけ

眠れぬままに考える。なにをやっても なにもやんなくても 結局、なるようになるだけ。その時に良いことがいつまでも良いとは限らない。悪いことにしたって まるっきり悪いばかりでもない。だったら なにをやってもおんなじ。なにもやんなくてもおんなじ。そ…

手招き

手招きされると僕たちは その手の持ち主がどんな人物であるか知りもせず そちらへそちらへと吸い寄せられてしまう。いろいろ批判はあろうけれども ともかく そういう習性なのだから仕方ない。僕たちの目の前には とんでもなく大きな扉が立ちふさがっている。…

存在の奇妙な裂け目

存在の奇妙な裂け目に沿って僕は歩む。しかしながら この僕という存在も微妙に裂けている。ゆえに僕の歩みはおぼつかない。むろん、走ることなどできない。動かず、この場に留まるべきかもしれない。しかしながら、やはりしかしながら この場の存在すら僕に…

崩れゆくもの

世界は急速に秩序を失いつつあるように思えます。環境は破壊され、人口は増え、経済は不安定となり マナーはすたれ、情報は錯乱と混迷を深めています。犯罪も芸術も娯楽も学問も宗教も政治も それが適切であろうがなかろうが関係なく なんでもありの様相を呈…

渚の蛹

私たちが臨海学校で滞在していた某県の海岸に某国の原子力潜水艦が唐突に座礁(ざしょう)した。海水アレルギー体質なので私は海に入ることができない。それでも皆と一緒に夏休みを過ごしたくてこの臨海学校に参加した。だから、私は海岸沿いにあるプールで泳…

収穫祭の夜

収穫祭の夜なのに あたいにゃなんも収穫ない笛や太鼓は鳴るけれど 花が咲かねば 実もならず 愛しいあの人 誰のもの踊る阿呆を見もせねで 賢者信者の多すぎて いっそ枯れよか 朽ちようか 風が撫でてくれようぞ 収穫祭の夜なれば どなたかあたいを刈り取って …

改良の余地

「僕は君が好きで、どうして僕が君を好きなのか 君にうまく説明することができないにもかかわらず 君にとって僕が大切であるかどうか無関係としても 僕にとって君が大切であるということは ぜひとも君に伝えておかなければならない」「あなたの言葉の意味す…

わからない

僕たち、なにしてるんだろ? それぞれ、こんなところで それぞれ、こんな時に それぞれ どうして、こんな事してるんだろ? それは「将来のために」 かもしれない。「仕方ないから」 かもしれない。「なんとなく」 かもしれない。でも それにしても なぜ? そ…

お散歩

散歩に出かけて 三歩で戻る 雨が三つぶ 額と手と鼻同名の短い器楽曲をBGMに自作自演。 A WalkI went for a walk Three steps And soon back.Three rains Forehead Hand and nose.

教えてあげない

それが起こってから騒いでも 無駄なのだ。それが起こる前に始めなければ。誰かが気づく前に気づく。 誰かがやる前にやる。前と後では雲泥の差なのだ。 昨日と明日くらい違う。「生きてるのと死んでるの どちらがいいの?」その返事は人それぞれだろうが 死ん…

消えたい

不安はなく 心残りもなく寝返るように 何気なく夢見るように 微笑みながら眠るように 本当に 眠るように やすらかに 消えたい。元「koebu」yayaさんが演じてくださった!I Want to DisappearThere is no anxietyWithout heartTo turn aroundCasuallyLike a d…

願掛けの石段

願掛けの途中、神社の石段で転ぶと その願いとは逆の願いが叶ってしまう。聞いたことないが、いかにもありそうな話だ。 実際、安産祈願中の妊婦が石段で転べば 流産くらいしかねない。同名の短い器楽曲をBGMに、自作自演。Supplicate Stone StepsIf you fall…

泣いたりしない

さびしいくらいで 泣いたりしない かなしいだけじゃ 泣くもんかいたくっても 我慢する うれしくっても 笑うだけ なみだ 見たけりゃ お金 ちょうだい ほらね 泣くでしょ おなみだ ちょうだい「ゆっくり生きる」haruさんが動画にしてくださった!元「koebu」霜…

ガラスの遊園地

ガラスの遊園地は シンデレラ姫の片方の靴。 落とした靴か、 履いてた靴か。 落とした靴なら 王子様が拾ってくれる。 履いてた靴なら 誰も拾ってくれない。 知らんぷりして クルクル クルクル まわり続ける ガラスのメリーゴーランド。 「ゆっくり生きる」ha…

隠し事

まったく君たちときたら見せたいから見せびらかしても見ようとしないくせに見せたくないから隠すとすぐに見つけてしまうんだから。「ゆっくり生きる」haruさんが動画にしてくださった!「note」yayaさんが演じてくださった!SecretYou guys at allEven thoug…

のどかな一日

あなた方によくよく言っておく。あなたがたは のどかな一日を願ってはならない。それは願うべき事ではなく そうなるようにすべき事だから。同名の短い器楽曲をBGMに、自作自演 A Peaceful Day I tell you well. Do not ask God For a peaceful day. It's not…

プレゼント

プレゼントとはつまり相手が喜べばそれがプレゼント。 「note」yayaさんが演じてくださった! PresentIn other words If that person is pleased It is a present.

たりして

見知らぬ街には 聞き知らぬ曲が 流れていたりして。そして 嗅ぎ知らぬ匂いも 漂っていたりして。さらには 触れ知らぬ肌も すり寄ってきたりして。短い器楽曲をBGMに、自作自演。 BeingThere are songs You haven't heard before In strange towns.And There …

曇り空

晴れてはいないけど 雨が降っているわけじゃない 外に出たくはないけど 家にいたいわけでもない なにかをしたいわけではなく なにもしたくないわけでもない そんなふうに なんだかどうでもいいような どうでもいい空模様元「koebu」みやはるんさんが演じてく…

見失う

迷えるあなた または 戸惑うあなたあなたは 目標を見失う前に 操縦桿(そうじゅうかん)を見失っている元「koebu」レイラさんが演じてくださった!「Spoon」しんさんが演じてくださった! Lose Sight You get confused or you are perplexed You have lost sig…

泥棒がサンタクロース

うんにゃ。おりゃサンタクロースじゃねえ。泥棒だ。サンタクロースの格好した泥棒。ただし、プレゼントはちゃんと用意してある。この袋ん中にな。つまり どういうことかって言うと この格好のまんま家宅不法侵入やらかして 普通に泥棒するわけよ。んでもって…

仕方ない

仕方ない 仕方ない 仕方ない起きて喰って寝て 起きて喰って寝て 起きて喰って寝て おんなじことの 繰り返し おんなじことの 繰り返し おんなじことの 繰り返し 元「koebu」宏美(ろみりん)さんが演じてくださった!No Choice You had no choice You had no …

待ちかねて

いつか来るはずの恋人を待っていたらそのうち若くなくなり、やがて老いてしまった。まあそれはそれとしてあんた、いまさら来られても困るな。「ゆっくり生きる」haruさんが動画にしてくださった! I Can't Wait When I was waiting for my lover To come som…

終わる前に

終わる前に 始まるものがある たとえば 遊びと退屈 始まる前に 終わるものもある たとえば 恋と退屈「note」yayaさんが演じてくださった!Before the EndSome start before the endFor examplePlay and boredomSome are done before it startsFor exampleLov…

いつか帰らん

いつか帰らん 海の底 赤子 泣こうが 泣くまいが 雷(いかずち) 鳴ろうが 鳴るまいが いつか帰らん 海の底 「ゆっくり生きる」はるさんが動画にしてくださった!元「koebu」宏美(ろみりん)さんが演じてくださった! We Shall Return Someday We shall return…