Tome文芸館 Annex

自作読み物を紹介。動画用朗読音声を常時募集。英訳はGoogle翻訳。

2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

パワードスーツ

施術室とでも呼ぶのか、特殊な病室。私は誰かの見舞いに来たはず。だが患者の姿はない。パワードスーツを着た医師が作業中。私はその頭部にしがみつく。だが、重すぎたのだろう。バランスが崩れ、転びそうになる。危険を感じ、離れてベッドに戻る。すると、…

平均台

体操着姿の女子生徒が集まってきた。身体検査かと思ったら、平均台を運べと言う。年齢は大人なくせに体は子どものままの男どもが次々と入場する女子の間を縫うようにして嬉々としてその運搬作業に従事する。私も平均台を運んでいたようだが、今は その上に載…

あほらし

らしくないが教室のつもりだろう。くだらない筆記試験を受けている。どんな回答でも落第する心配なさそう。途中で阿呆らしくなってきた。まったく時間の無駄である。だが、空欄のままではまずいらしい。なので「あほらし」と繰り返し書き込む。そのうち同級…

ガス漏れ

集合住宅の集団清掃みたいな行事があり 裏庭にある個人のガス供給設備の周囲を掃く。その装置は蒸気機関のようになっている。調べると、古いのでかなり傷んでいる。傷み具合を隣に住む変人に問われ その髭もじゃ髪くしゃの老人に説明する。配管の喉みたいな…

狂信的な

昔、ある工場でパートとして働いていた婦人。私が転勤で引っ越すみたいなことになり それに便乗して彼女も荷物を携えて同行する。別に親しくもないが、成り行きである。新天地の会社に到着すると、彼女は昔の同僚たちを訪ね、懐かしい地元の新聞を手渡す。そ…

タブレットの試乗

書斎に戻ると、机の上のタブレットが作動中。電源を切り忘れていたようだ。自動停止機能が働かなかったらしい。しかし、これはなんだったっけ?情報端末だったか、ゲーム機だったか。ともかく、電源をOFFにせねば。試みるものの、表示画面が消えない。なにや…

左ハンドル

兄が運転するクルマはなぜか左ハンドル。私は右の助手席にいる。後部席には母と誰かもうひとり。家族でどこかへ行こうとしている。左側の壁のような建物が途切れる。その途端、兄の顔が左を向く。田んぼを挟んだ向こう側に異様な光景。学校のグラウンド全体…

角の理事長

なにか理由あってマンションの門の近く 建物の角のところに腰かけている。ただし、理由は思い出せない。角のところの住人が気づき、話しかけてくる。「やあやあ、理事長。ご苦労様です」管理組合の経理担当役員の中国人の男だ。下手な日本人よりよっぽど頼り…

降るボール

ここはどこだ?コンクリートの塀に囲まれ、雪も残る。川のない土手だろうか。クルマの通らない高速道路のようでもある。しかも、その袋小路のような。ともかく殺風景な場所だ。全体に白っぽい。少し歩くと、神殿のような場所に出た。塀の上に子どもたちの姿…

ミステリー未満

ある作家の小説を読んでいたようなのだ。本の活字を追っているという意識はないものの明解な映像も見えないまま物語は進行する。どうやらジャンルはミステリーらしい。なぜなら、いかにもな名探偵が登場するから。ただし、まだ犯罪は起きていない。ただし、…

対局前

事務所で机を挟んで男と向き合い 数枚の契約書にサインをしているところ。毎年の決まりきった手続きである。その男は新しい担当者のようである。前の担当者からしっかり引き継いでいる様子。「これが済みましたら、一局いかがですか?」どうやら囲碁をたしな…

昼の会長

ここは、いわゆる学園。学校というムードではない。「君、昼の会長をやってくれないかな」そのように担任の女教師から頼まれた。なんだそれは、とは思ったものの負い目もあり、なんとなく引き受けてしまった。すると、昼休み時間に指示書が届く。あれを発表…

折り紙の熊

折り紙の熊みたいなのを鋏で縦に切って短冊にする。それを重ねて折ってアコーディオンみたいにする。それで何か演奏するわけではない。でも、演奏できたら愉快かな。変なものになればいいな。きっと楽しかろうな。うん、そうだ。こうしよう。おいおい、ちょ…

買うまでもない

我々は買わされている。買わなくてもいいものをなし崩し式に買わされている。たとえば寒いからとストーブを買わされる。すると続いて灯油、ガス、電気などを買わされる。一事が万事この調子。厚着すればいいのに。指抜き手袋をはめればいいのに。寝袋を重ね…

バケツの中身

よくわからないが、化学または生理学の実験のようなことをしている。しかも、実験しながら、それについて誰か不特定多数へ向けて実況解説している。どこかにビデオカメラでもあるのかもしれない。その流れで、バケツを持って浴室に入り 黒い液体を排水口へ捨…

緩慢なパーティ会場

ここは社交場と呼べそうな施設の中。緩慢なパーティ会場、とでも呼べきか。ここを常連とするある人物を僕は知っている。たいそう色っぽくて魅力的な女性だ。付き合ってるわけではないが、そこそこ親しい。たとえば僕は、彼女がある男を特別に好ましいと思っ…

野生の小屋

兄の運転するクルマに乗ってこれから家族で町へ出かけることになった。私は尋ねる。「忘れ物はない? 傘は?」傘はない、と予想通りの兄の返事。天気予報は、曇りのち雨。車庫のすぐ前、道路を挟んだ物置小屋まで行く。父がまだ生きていた頃、ここが車庫だっ…

透明コンテナ

トラックの荷台にあるような大きな直方体ケース。コンテナと呼ぶのかな。とにかくだよ、その透明なのがあるんだ。ややこしい諸事情とかあって、そいつを車道の真ん中に置き去りにしなければならなくなった。 うまく説明できないけど、法的な問題なんかもあっ…

代用論文

誰かの書いた論文を別の誰かが自分の論文として提出した。これについては両者の間であらかじめ取り決めがあり その行為自体に悪意があるわけではない。だが、意外なところで問題が発生した。というのは、その書き上がった論文の出来が当初の想定をはるかに超…

変換ドア

玄関ドアが大変なことになっている。黒く塗装された金属製の扉。蝶番(ちょうつがい)式なのに引き戸の要素まである。しかも、緩慢ではあるが電動部分さえある。下手をすると閉まらなくなってしまう。いや、違う。込み入った構造ゆえ説明が難しい。閉まるこ…

見えない幽霊

やりたいことが思い浮かばないからといって 眠くもないのに眠ろうとしてはいけない。たとえ読書で目が疲れていたとしても。修学旅行における宿泊施設の夜なのか 大勢の仲間と一緒に広い部屋に寝ていた。眠れず、起きて立ち上がる。同じく眠れない誰かと一緒…

サバイバル演習

一癖も二癖もありそなマニアたちが集まった。最初は暴走族かなにか、反社会的な集会かと思った。とにかく非合法な行為をするに違いない。ところが、警官の制服を着たサングラス男まで超小型バイクでさっそうと乗り込んできた。しかも、皆に歓迎されていたり…

落ち武者

若き上司であったところの大柄な男と歩きながらキャッチボールをしている。ただし、投げていたのはボールではなく ゴミ箱のフタだったような。フライングディスクみたいにして。なにやら会話もしていたはずだがどんな内容であったか、思い出せない。彼の頭部…

雪囲いの闇

ここは実家の近所、農協の建物がある。こんな田舎にないはずの職場の、その休憩時間に ここで昼寝するつもりになっている。まだ昼休み前だが、先に確認しておこうと施錠されてない入り口のドアを開ける。雪囲いの板が窓を覆い、室内は暗い。数脚の折りたたみ…

犬の顔色

この辺りは貧乏人ばかり集まる不幸な町だ。あの崩れそうな木造の家には元映画監督が住んでいる。女房と一人娘と一匹の犬もいる。そして、なぜか二階にプールみたいな池がある。水中撮影に使うのだとか。縁あって挨拶に伺(うかが)うと、黒い犬が吠えた。こ…

黒板の数式

消し残されたチョークの文字で教室の黒板に数学の問題が書かれてあった。その解答はともかく、何を問う問題なのか少なくともそれを知りたいと思った。かすれた数式に「sinθ(サインシータ)」の文字が含まれているようだ。すぐに思考停止しそうになる。「おまえは…