最初、ひとりで探していたんだ。「なにを探してるの?」「大切なもの。うまく言えないけど」「それって、見つかりそう?」「わからない。難しいだろうね」「ふたりで探したらどうかしら」「君、一緒に探してくれるの?」「うん、いいわよ」それで、ふたりで…
まず最初に水面があった。それは厚さのない鏡であった。水面には表裏の区別はなく そこに姿を映す者はいなかった。音も光もなんにも存在しないので やがて水面はいたたまれなくなった。わだかまりが生まれ 悶え、歪み、乱れ ついに水面に波紋が広がった。限…
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