ひとりの旅の僧侶が吹雪(ふぶき)の山を歩いていた。昼なお暗く、天狗(てんぐ)や山姥(やまんば)が棲むという。冬ならば、雪女が袖(そで)を引くという。「お待ちなされ。そこなお坊様」背中を凍らせるような冷たい声がした。振り返ると、白装束(しろしょうぞく…
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