彼女は段ボール箱なのだった。宅配便とかで届いた荷物の梱包材を捨てもせず 部屋の片隅に溜めておいたら、生まれてしまったのだ。「困るなあ」僕が呟くと 「そうよね。困るわよね」波状の断面をゆがめ、彼女は悲しげな顔をした。途端に心がざわつく。「いや…
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