果てしなく広がる宇宙を海にたとえれば その古い時計台は離れ小島に建っている。小島には時計台守りの老人が住んでおり この老人の他に住人はいない。時計台のネジを巻くのが老人の仕事だが 老体にとってあまり楽な仕事ではない。それでも毎日、老人は時計台…
僕がどうしようもない缶詰だった頃 君はピッカピカの缶切りだった 僕の汚れたブリキのフタを開けたから 銀色の君の刃先が汚れてしまったね その君の刃先の汚れを取ろうとして 拭った僕の手がまた汚れていたっけ 君と別れてから 僕は僕を見失い あれからもう …
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