Tome文芸館 Annex

自作読み物を紹介。動画用朗読音声を常時募集。英訳はGoogle翻訳。

楽しい詩

ルロイ広場

ルロイ広場の夜はふけて 手招きするは 湿った月 あちらこちらの梢の先から 噴水みたく あふれるお酒 ほら あの娘が笑う ほら あの娘が踊る ルロイ広場の夜はふけて 焚火の上でこげる星 誰もかれも浮かれ騒ぐよ 笛と太鼓と足拍子 ほら あの娘が笑う ほら あの…

箱の中の姫君

箱の中の姫君は お外のことがわからない なにを見ても 箱の中 なにを聞いても 箱の中箱の中とは つゆ知らず お外があるとも 知らないで 歌ってみたり 遊んでみたり「ゆっくり生きる」はるさんが動画にしてくださった!元「koebu」nyapipi///aprileさんが演じ…

星の雫

星の雫(しずく)の 降る夜は 狐の尻尾の 白い先葉っぱ載(の)せるや クルリとまわり化けて見せましょ 村娘 それとも年増(としま)の 艶姿(あですがた)眉(まゆ)ツバものの ためしとて 天を仰(あお)ぎて 候(そうら)わん 「ゆっくり生きる」haruさんが動画にしてく…

踊る花

踊れるうちが 花なれば 踊らずして なんとしよ 花と咲いて 散るにせよ 実ならずして なんとしよ元「koebu」宏美(ろみりん)さんが演じてくださった!「note」yayaさんが演じてくださった!Dancing FlowersAs long as only dancing is flowersWhat shall we …

山の細道

夕焼け空にカラス鳴く。山の細道、鬼が出る。金棒くらって飛び出る目玉。ころころ転がり ウサギの巣の穴の中。ウサギが顔出し 問いました。金の目玉と銀の目玉 あなたの目玉は さて、どちら?元「koebu」舞坂うさもさんが演じてくださった!元「koebu」とう…

狐の嫁入り雨

光のどけき春の日に 雨が降ります 雨が降る 涙の雨ではあるまいか いえいえ あれは 狐の嫁入り 人に見せてはなりませぬ 見せてはならぬ 花嫁御寮 ほれ 虹が 「ゆっくり生きる」haruさんが動画にしてくださった!元「koebu」lotus@ロータスさんが演じてくださ…

幼い魔女

まだ魔法は うまく使えない なかなか呪文 おぼえられなくて 空飛ぶホウキも 折っちゃたし わたし 魔法なんていらないの ああ なんだかとっても 眠くって だって あんなに空が 高いのは ほら こんなに地面が 低いから うまく笑顔 つくれないのは 嘘つき手鏡 …

跳ねるよ兎

兎よ 兎跳ねろよ 兎 誰だ おまえは偉そうに そんなこと言われなくても 兎は 兎放っておいても 跳ねるよ 兎元「koebu」舞坂うさもさんが演じてくださった!Jumping Rabbit Rabbit rabbit Try jumping rabbit Who are you? Greatly Such a thing Even without …

機械の森

機械の森には たくさんの自販木 生えている コインを入れると 缶入り果汁が出てきたり 箱入り木の実が出てきたり 偏心カムの風に吹かれ クランクの葉が規則的に揺れる 滑車の枝からチェーンが垂れ てこの原理で浮き上がる根っこ ゼンマイの茂みに隠れ ボルト…

繰り言

他のことなど考えられずそのことばかり繰り返し繰り返し考えて話は先に進まない頭は尻に生えてないお姉(ねえ)は嫁に行かれないないない尽くしで夜が明けて今朝(けさ)も早(は)よからお馬の稽古(けいこ)ハイシー ド-ド-ハイ ド-ドー元「koebu」宏美(ろみり…

苺の踊り

あなた 食べるのね 食べちゃうつもりね あたしは苺いちご)そりゃあ おいしいはずよ でもね でもね まだ食べちゃだめ ほら まだピンクでしょ ここなんか白っぽいし もっとおいしくなるわ もっと赤くなったらね 我慢できないの? あっ よだれ垂らした ちょっと…

お馬に乗ったら

お外は今日も 好い天気。真っ赤なニンジン 空から降ってきた。ニンジン降れば お馬が集まる。お馬に乗ったら お城へ行こう。お城に着いたら お姫様と家来だけ。やれやれ 今日から僕が王様か。元「koebu」市川健太さんが演じてくださった!When I Get on a Ho…

月の雫

星空のシャンデリア湖のワイングラスそして絞り立ての月の雫元「koebu」はこサンさんが演じてくださった! 「note」yayaさんが演じてくださった!Drop of the MoonStarry sky chandelierLake wine glassAndDrop of the squeeze of the moon

どどいつ

やめておくれと その手をのけりゃ ほんにやめちゃう いやな奴ふたりあそこで 別れたとても どうせ濡れてよ 通り雨手さえにぎらず つれない素振り ゆうべしたこと 忘れたのぽたぽたぽたと しずくが落ちる なみだにしては ちと赤い「ゆっくり生きる」haruさん…

おもちゃの王国

さあさ、おもちゃの兵隊が やってくるぞ。あの勇ましい鼓笛隊の行進が 聞こえないか。 チイタカタッタ タカタッタ チイチイタカタ タカタッタ弱い者いじめの悪い子を 捕まえにきたんだ。おもちゃの王国に連れてかれたら 大変だ。おもちゃの森は、ゼンマイ仕…

猫背の犬

おいら猫舌 猫背の犬 犬歯隠して 猫の目キラリ三年の恩を 三日で忘れ マタタビ舐めて 猫まねき犬小屋の床で 爪を研ぎ 月夜の晩に 吠えたり しない「ゆっくり生きる」haruさんが動画にしてくださった!元「koebu」makotoさんが演じてくださった!Cat's Spine …

びっくり箱

彼女、びっくり箱を開けてびっくりして 死んじゃった。びっくり箱の中には、彼女の死体。彼女、びっくりしてしまった。のんきに 死んでる場合じゃない。彼女、びっくりして 息を吹き返す。「ああ、びっくりした!」なんて人騒がせな、びっくり箱。元「koebu…

誰も見たことのない 海はるかな 水平線透明な 潮の香り汚れを知らぬ 波真っ白な 砂浜に初めてしるす 足跡この星が誕生してなん十なん億年過ぎたか 知らないがまだ 誰ひとりこの海を 泳いだ者はいない今 私が泳ぐ元「koebu」栗さんが演じてくださった! The S…

森の宮殿

森の奥に宮殿がある異国風な丸屋根 大理石の柱螺旋の階段をのぼってごらん飾り窓がまわるシャンデリアがまわる宮殿がまわる 森もまわる踊り子のようにくるくるくるくる 目がまわるそんなかわいらしい森の宮殿元「koebu」眠り猫さんが演じてくださった!Fores…

石の都

水石(すいせき)の山を望み海泡石(かいほうせき)の入り江に佇(たたず)む条痕(じょうこん)の空に浮く白雲母(しろうんも)黒曜石(こくようせき)の鳥が舞う園石(えんせき)に班晶(はんしょう)の花が咲き大理石(だいりせき)の彫像(ちょうぞう)煙水晶(けむりすいしょ…

海と陸

はるか遠い昔海と陸とが戦争をした。いつか海は断たれ陸は割れてしまった。海の捕虜は湖になり陸の捕虜は島になった。はるか遠い昔海と陸とが戦争をした。いまでも海岸線では小競り合いがあるという。元「koebu」田辺千鶴さんが演じてくださった!Sea and La…

おいしいとこ

ほら ここんとこをねいいかい こうやってえいって むいちゃうんだで こいつをつまんでほら みてごらんどうだい すごいだろ でも まだまだこんなもんじゃないよもっと すごいんだからううん だいじょうぶそんなことないからしんぱいないってなんというかな え…

おなら姫

屁をひらせては並ぶ者のない女がいた。その音色の妙(たえ)なること その香りの芳(かんば)しきこと まさに神技とまで称(たた)えられた。全国から挑戦者が跡を絶たなかったが 放つ音の大きさはともかく 調べに趣(おもむき)のないこと甚(はなは)だしく 香りにお…

おやすみ

意地悪な砂男は 砂に埋もれて 眠ってしまった 眠れ 眠れ 深く 眠れ羊たちも眠くって 柵にもたれて 眠ってしまった 眠れ 眠れ 静かに 眠れ眠り姫も眠くって 夢の中でまた 眠ってしまった 眠れ 眠れ やすらかに眠れ「note」yayaさんが演じてくださった!元「ko…

海賊

ようこそ 船酔いお嬢さん 錨(いかり)を上げたら 水兵さん 両手もあげてもらおうか そうとも そうよ ご覧の通り 恐れ多くも 俺たちゃ海賊 片目は義眼 片足ゃ義足 五つの大陸 六人の女 七つの海に 八つの災い 殴って泣かせ 奪って殺す 海に捨てりゃ 鮫(さめ)の…

怪盗ネチネ

海よりも深い夜にあなたの寝室に忍び込みトカゲのようにあなたのベッドに近づいてあなたの無邪気な寝顔を見下ろしながらさてどうしてやろうかやるまいかこのにくたらしい鼻の頭を削ってやろうかこのいじらしい耳たぶを切ってやろうかあれやこれやと随分悩ん…

風に吹かれて

なにしてるの? なんにも 風に吹かれているだけそれだけ? うん それだけどんな感じ? なかなかいい感じだよふうん 君 どこから来たの?あっちから どこへいくの?こっちかな ねえなあに? 君ってさうん まるで風みたいだよふうん元「koebu」アカリさんが演…

クジラのくらし

生きているクジラのように見えるがじつはクジラ型潜水艦なのである。潮を吹き、身をくねらせて泳ぐがやはりクジラ型潜水艦なのである。大空を飛行することもできるがクジラらしくないから海中を泳ぐだけ。潜望鏡もあるが、なかなか使えない。やはりクジラに…

家政婦たち

我が家に住み込みの家政婦たち。彼女たちは紐につながれている。小柄で口の大きな温子は食事の用意。暖めるだけ。複雑な調理はできない。料理の材料は冷子が蓄えている。立派な体格。いびきがうるさい。暑い日は涼子が風を送ってくれる。いつも窓際にいて、…

犬ぞり

白い道に 雪が降る 犬ぞりに乗って 嬉しくて 彼女 首を振り振り 歌うたう 白い道に あられも降る 犬ぞりの上で 気がふれて 彼女 服を脱ぎ捨て すっ裸 白い道に ひょうも降る そりの上には 犬が乗り 彼女 革につながれ そりをひく元「koebu」nyapipi///aprile…