美女が哀願するのである。
その美しい瞳を潤ませて。
その美しい唇を震わせて。
「わたし、もっと美しくなりたいの」
美しい声だ。
聞き惚れてしまう。
「わかりませんね。あなたはとても････」
「ええ、そうなんです。美しいのです」
ますますわけがわからない。
「でも、もっと美しくなりたいのです」
美しい眉が曇る。
なかなか悩ましい。
耳の形も文句ない。
顎のラインも素晴らしい。
鼻なんか舐めたいくらいだ。
スタイルも抜群。
服のセンスも最高。
完璧である。
欠点が見つからない。
「このままで十分だと思いますよ」
女はうなだれ、ため息をつく。
思わず抱きしめてやりたくなる。
それを我慢して女の肩に手を置く。
ついに女は泣き出してしまった。
その美しい涙。
しかし、そこで気がついた。
「ひとつ、見つかりましたよ」
「えっ？」
「あなたはもっと美しくなれます」
「私のどこが？」
「泣き声が、いまひとつですね」
女の涙が止まった。
「もっと美しい声で泣けます？」
「ええ、大丈夫ですよ」
その笑顔の美しさといったら！
A Beautiful Woman
A beautiful woman pleads to me.
Move that beautiful eyes.
Shake that beautiful lips.
"I want to be more beautiful."
It is a beautiful voice.
I am disappointed.
"I can not understand. You are very..."
"Yeah, that's right, beautiful."
I do not understand more and more.
"But I want to become more beautiful."
Her beautiful eyebrow becomes cloudy.
It is quite troubling.
Ear shapes are also complaints.
The line of the jaw is also wonderful.
I want to lick a nose.
Excellent style.
The sense of clothes is also the best.
She is perfect.
I can not find a fault.
"I think that this is enough."
The woman is sagging and sighs.
I want to hug her unintentionally.
I put up my hands on the shoulder
of a woman with patience.
At last the woman burst into tears.
That beautiful tears.
But I noticed it.
"One, I found it."
"Eh?"
"You will be more beautiful."
"Where am I?"
"You can improve the cry."
The woman's tears have stopped.
"Can I tear with a beautiful voice?"
"Yes, it's okay."
What a beautiful smile!
