近所の保育所にブランコがあった。
ふたつ並んだブランコだった。
ところどころ銀色のメッキがはげていた。
ある日の夕方のこと。
小さな女の子がひとり
保育所のブランコでゆれていた。
初めて見る子だった。
白っぽいワンピースに赤い靴。
ちょっとブランコに乗りたかっただけなんだ。
そんな感じに近づいた。
となりのブランコにさっと腰かけて
さりげなくこぎ始める。
小さな水たまりのある地面と
小さな笑顔がゆれる。
「きみ、どこの子？」
えいっ、とブランコから飛びおりた。
それはみごとな着地。
でも、拍手はなかった。
返事もなかった。
ふり返ったら
となりのブランコには誰もいない。
小さな水たまりの近くに
小さな赤い靴が片方あるだけ。
「ゆっくり生きる」haruさんが動画にしてくださった！
元「koebu」宏美（ろみりん）さんが演じてくださった！
Swing
There was a swing at a nursery in the neighborhood.
It was two swings lined up.
Here and there, the silver plating was peeling off.
One evening.
A little girl was swinging on the swing at the nursery.
I met her for the first time.
White dress and red shoes.
I just wanted to get on a swing.
I approached her like that.
I sit down on the next swing to her
and start casually pedaling.
The ground with a small puddle
and a small smile shake.
"Where are you?"
Well, I was flying from the swing.
It's a nice landing.
But there was no applause from her.
There was no reply from her.
When I turned around,
there was no one on the next swing.
There was only one small red shoe
near the small puddle.
