Tome文芸館 Annex

自作読み物を紹介。動画用朗読音声を常時募集。英訳はGoogle翻訳。

変な話

ケーキ職人

ケーキ屋の女職人がケーキを作れなくなった。詳しくは教えてもらえなかったが どうやら小麦粉アレルギーになったようだ。それで親方に説得され、おれが復帰することになった。しばらくケーキを作ってないから自信ない。そもそも甘い食べ物は苦手である。おれ…

後ろに倒れる

関係者各位を招いて社内で会食の最中。ささやかな表彰式などもあり、お祝いイメージ。おれはイスを後ろに傾けていた。教室なんかで生徒がよくやる、あれ。そして、やりすぎて後ろに倒れてしまった。背中と後頭部が絨毯の床に当たった。かなり大きな音はした…

割り箸セット

久しぶりに客から注文が入った。あいにく在庫切れだったので町へ出かける。わざわざ作るなんてとんでもない。手持ちなければ市販品を買うしかあるまいて。昔風の商店街を歩いて探しまわる。納得できる品質の割り箸セットを手に入れた。これを包装して客に発…

下着姿

大学病院みたいな建物の中にいる。しかも裸で廊下に。幸いにも人目がない。教室または倉庫のような部屋に急ぎ戻る。下着を身に着けたところで振り返る。外来患者らしき老人がふたり立っていた。続いてドアが開き、白衣を着た女が入室。なにやら事務的な説明…

電車で干す

電車の中、開かない側の扉の前に立っていた。手持ちの紙バッグの中が気になる。手探りしてハンガーとTシャツを取り出した。物干し竿(ざお)みたいなものが目の上にある。しからばここに干そう、と考えた。ところが、見知らぬ若い女が近寄ってきた。「ちょっ…

滑走路から出題

滑走路みたいに奥行きある場所。前方、少し離れた位置に知る人ぞ知る、ある有名人が立っている。彼は舗装された地面に線分を引いたり数字を書いたりしつつ、何か言いたそう。おいらの隣にいた女の子と目配せなんかしている。それで、なんとなく納得する。は…

電動車イス

病院で診察を受けている。どうやら眼の手術をせねばならんようだ。「データはそろっているので安心してください」女医の遠隔操作でベッドが起き上がり、そのまま電動車イスになった。車輪が勝手に回転して診察室から廊下に出る。自動運転で入院中の病室に戻…

ワープ飛行

ある男が先導する旅の一団に同行する。ワープ飛行の能力を買われたのだ。それほど距離を稼げるわけではないが一瞬にして空間移動できる。小さな山や川くらいなら飛び越せる。ただし、体を冷やしてはいけない。筋肉も飛行距離も縮こまってしまうから。「だっ…

オフで会う

自宅でパソコン画面を操作していた。ネット上の知人女性に合図を送る。「大丈夫かな」オフで会う約束をしていたのだ。すぐに彼女の声。「うん。大丈夫だよ」「それじゃ、うちに来てくれるかな」「いいとも」すぐに玄関のチャイムが鳴った。やたら早い。こん…

トレーの目

人物画の目の部分を描きながら関西の知人女性と対話している。「好意的な手紙ならいくつかもらいましたけど」「でも、好意的と見れば見れなくもない程度だろ」続いて、発泡トレーをカッターで切りながら定規またはしおりのようなものを作り始める。そのうち…

たとえば

救急車が交差点でアナウンス。「人を殺します。ご注意ください。」聞きまちがい?電話が鳴ったので受話器を取る。「現在、この電話番号は使われておりません」ああ、そう。 For ExampleAn ambulanced announces at an intersection."Kill people. Please be …

スパイ放送

先の世界大戦中の話。ドイツ人スパイがフランスのテレビCMに出演。彼は流暢なフランス語で商品説明をする。影絵のような画面が揺れ動く。戦後になり、再び彼が同じテレビCMに出演。今度は流暢なドイツ語で商品説明。なのに、それを視聴する私には違いがわか…

三人の王女

城の中に三人の王女が幽閉されている。この国の同盟国または属国の人質と思われる。城外には絶対的な立場の王がいる。ゲームのプレイヤーに相当する。城は長方形または直方体になっている。城の中には三角形または三角錐の部屋がある。これら部屋は変形した…

セルフ食堂

知人が経営する食堂で食事。従業員がふたり、客は私の他にいない。豆腐など一皿200円の料理をテーブルに運ぶ。さらに缶ビールもセルフで運ぶ。雑な方法で仕入れたか、缶の表面が傷んでいた。これでは商品になるまい。傷口からビールがこぼれるので、飲みなが…

財布で殴る

歩道に敷かれたゴザの上で寝ていた。周囲には近所の住人たちが座っていた。どうやら村祭りのようだ。車両通行止めの車道を進む踊り手の群が見える。ちゃんと眺めたくなり、上体を起こす。その時、不審な男が近くの荷物を持ち上げた。おれはその荷物を奪う。…

異星人の侵略

異星人が地球に潜入したという。我々の理解が及ばないなんらかの方法で若い地球人を異星人に改造してしまうらしい。おれはそれを阻止すべく行動せねばならん立場。アパートの二階の廊下で嘔吐する男の子を横目に見つつ、おれは外に飛び出した。同じアパート…

ドアの内外

狭い個室に入る。ドアを閉め、内鍵をかける。外からドアをノックする音。入っているという意味でノックを返す。すると、女の声がした。「ノックでなくて、声で返事してもらえますか」ためらいつつも自信をもって「入っています」それで女は引き下がったよう…

旧札で支払う

旅館の食堂にてハンバーグを注文した。その料金を旧札で支払わんとする。若いウェイトレスは戸惑う。おそらく生まれて初めて見たのだろう。旧札の価値やら肖像画人物の業績とやらを噛んで砕いて口移しするかのように説明する。なんとか食事を終えて食堂を出…

蜂入り袋

野郎どもが数台のクルマに乗って山の中、窪地のような場所に集合した。何事か行われ、一人の男は逃走した。詳細は思い出せない。落葉入りの透明なポリ袋を処分せねば。よく見ると、中に数匹の蜂がいる。踏みつぶそうとするも、袋が破れた。殺せるか逃がして…

歯磨き夜行

思うところあって歯を磨きながら夜の街を歩いていた。ほとんど街灯りはない。それほど深夜とも思えない。今夜は特別な夜なのではなかろうか。営業を終えた店の屋外テーブル席に座る。おそらくコンビニか喫茶店だろう。ガラス越しの店内に動く人影が見えた。…

暴風の町

誰かと別れ、町を歩いていた。さほどの体感はないが、風音がすごい。木や家が激しく揺れている。一軒の住宅の屋根が風圧で細かく割れ、その破片が近くに落ちてきた。続いて住宅全体が崩れ落ちてしまった。(大変だ!)あちらこちらで同じような崩落を目撃。…

おぼろげな集会

マンション管理組合の理事長としてある業者と会い、打ち合わせをする予定だった。ところが、その担当者は組合員全員を呼ぶと言う。「話しが違うではないか。 予告もなしに急に人が集まるはずがない」言い争ってるうちに意識が飛んだ。すでに集会は終わってし…

ぱらいそさいくだ

区画された四つの文章を英訳している。それにより、リングの四辺にロープを張る。過去に張ったロープを修繕しいてるつもり。なぜか、さような思い込みの因果関係にある。このリングの中央でおれは儀式を行う。まず、あえて汚れた服に着替える。スクワットし…

広い車内

車中である。ワゴン車のように広い室内。亡くなった親父を若くしたような印象の男。寝起きのようで、彼が運転手らしい。彼が運転しなければクルマは前に進まない。なので、おれは彼に気を使う。手もとにあった腕時計やサングラスを手渡す。それらを受け取り…

よじ登る

双曲放物面の一部のような壁が立ち塞がる。横縞の溝が幾本も走っている。そこに指先を引っかけてよじ登らんとする。だが、途中で挫折する定め。段階的に別アプローチで挑戦を試みる。ふと横を見ると、ネズミと猫もよじ登っている。この壁には何かあるのだな…

用事がある

商店街で友人に会った。彼は一緒に遊びたいようだった。おれは用事があるので断った。彼はひとりでゲーセンに入った。しばらく歩くと別の友人に会った。彼も一緒に遊びたいようだった。それで彼に教えてやった。共通の友人が今ゲーセンにいると。また別れて…

水田のベッド

誰かと別れて農道を歩き出す。道端の水田の上に変なものが置いてある。ベッドを大きくしたような直方体のスポンジ。おれの身長よりも高い。上辺にやっと手が届くぐらい。苦労して上面によじ登ってみる。不安定なので立ち上がれない。さて、おれは何をするつ…

詰まった流雪溝

道端の流雪溝が詰まってしまった。雪ならぬゴミを捨てる人がいるからだ。小さなゴミを捨てたつもりでも水にふやけて膨らむ。数倍の体積になって詰まり、迷惑この上ない。今回は魚の切り身が大量に廃棄されてあった。カジキマグロみたいな巨大魚の頭部とか。…

寄生住

ある建物に不法侵入し、不法占拠する男ありけり。ただし、この者なかなか有益なり。建物内部および周辺の清掃を欠かさず、泥棒を捕まえたり、投身自殺を防いだり。社交性もあり、相談を受けることも多く、近隣の評判すこぶるよろしい。そのため、持ち主も見…

夢の舞台

大ホールにて舞台役者の表彰式があった。おれも役者の端くれとして参加。受賞者たちの喜びの表情がまぶしい。と言うか、妬(ねた)ましい。大舞台の主役か準主役が対象のようだ。そりゃそうだよな。中舞台なら主役に限る。小舞台なんか観てももらえない。個…