Tome文芸館 Annex

自作読み物を紹介。動画用朗読音声を常時募集。英訳はGoogle翻訳。

特殊任務

我々3人は特殊任務をおびて現地に降り立った。空港の敷地内で風土病の予防措置をとる。顔面に白いクリームを塗るのである。リーダーの顔に指で塗って透明になるまで伸ばす。リーダーもおれの顔に同じ処置をする。もう一人は女だったような気がする。慣れて…

コンバットごっこ

夜、工事中の道路を歩いていた。広い車道を渡りたいが、機材や道具が邪魔をする。さながら戦場のようでもある。その時、どこか遠くで爆発音がした。「チェックメイトキング2、チェックメイトキング2、 こちらホワイトルーク、どうぞ」ひとり、コンバットご…

出入り業者

どこぞの会社事務所にお邪魔している。まずドアを開けて向こう側に出る。それから近くの別のドアを通って元の部屋へ戻る。そこの壁にある設備を使わせてもらうつもり。ただし、そのためには一旦外に出なければならない。それでドアを開けて向こう側に出た。…

宮殿の少年

ここは王様のいる宮殿という噂だ。なのに、どこにも王様はいない。おれは裸で寝室に入る。ベッドに寝ていた裸の少年を起こしてからかう。彼は坊主頭で、全身の筋肉が漫画のように動く。他に選択肢のない運命と諦めているようだ。おれにも他に思い浮かぶ選択…

パンのシュート

石炭ストーブのある教室にいる。パンをボールに見立て、バスケットボールのシュートをしよう、と同級生たちに提案する。他に名乗り出る者がいないのでおれがパンのシュートを試みることになる。ところが、いざシュートしようとすると異国の留学生らがストー…

抗争

おれたちはギャングどもと派閥争いしていた。やつらは暴力で、おれたちは説得で。やつらは不意打ちのように棒で頭を叩きやがる。株や債券などを安く仕入れる情報を奪うつもりのようだ。命を取られる危険性もあるわけだがあいつらに従うくらいなら死んだ方が…

不安の接近

舗装道路が迷路のように入り組んでいる。私はタイヤが横にたくさん並んだローラーみたいな物をリヤカーのようにハンドルを持って引いている。開発工事の途中なのか、大型トラックの通過が目立つ。道路の幅がそれほど広くないので接触するのではないかと、ち…

断崖駐車

トラックを断崖の上、空中にはみ出るように駐車する。いつもはそれで問題なかった。ところが、今回は違和感を感じる。ためらっていると、工事監督が指示するのだった。「いつものようにここに停めてくれ」おれは首を横に振り、抵抗を試みる。「いつもならこ…

空中の球体

空中に並んで浮いた3個の球体がある。これらのうちの1個を手で押し下げると他の2個も連動するように一緒に位置を変える。そして、手を放せばすべて元の位置に戻る。この現象には現実における複雑な人間関係が遠隔操作で反映されているのだそうだ。あいか…

選挙事務所

国政選挙の真っ最中。ある大物政治家の選挙事務所にいる。「今この時期、舵を切り違えたら大変なことになる」選挙速報を聴きながら彼は言う。「一時的でいいから、まともな人が選ばれて欲しいよ」「そうですよね」「あいつなんかが選ばれたら最悪だ」「確か…

夜のライブ

TV番組の野外収録のようだ。人通りが多い夜の公園みたいな場所を歩いている。司会の男と女性アシスタントも一緒。散歩していた大物歌手と遭遇。「ここでライブをやりませんか?」と提案。歌手は快く引き受けてくれた。それで、街灯の下に場所を確保する。近…

餅の誘い

クルマから降りて、友人と一緒に歩き始める。いかにもな田舎の曲がりくねった道だ。友人が誰かと電話している。「いやいや、そんなことないって」なんだか僕をだまして僕を食べるような話だ。きっと聞きまちがいだろう。家と家の間の空間に窓があった。そこ…

工作活動

悪い奴らが町内で暴れているという。黒い霧または黒雲のイメージ。奴らの戦力は強いが、不意を突けば意外に脆弱(ぜいじゃく)なところもありそう。それで、おれは通学の途中でも工作活動に余念がない。小さな裁縫鋏でタコ糸を切ろうとしている。親指が穴に…

快適を維持

子どもの頃から慢性鼻炎が続いていた。体質的なものと諦めていたが、光明が見えてきた。鼻をかんだ直後は一時的にすっきりする。この状態を長く維持するよう試みるだけ。まず、姿勢の矯正。首をまっすぐ立て、顔はやや上向きにする。そのまま意識的に鼻呼吸…

ボールなし野球

町内の道路にある設備を使ってボールを使わない野球みたいなゲームをしている。今は電信柱に手を触れてベースとし、さて、次のベースはどこにしようか、と考慮中。より効率的で戦略的な位置が求められるのだ。あたりを見まわす。すぐ近くに知り合いの女の子…

人生編集

おれは創造主の手伝いみたいなことをしている。ほとんどアルバイト気分。で、ある人物の人生編集を失敗してしまう。それでアナログ式に時間を戻して修復を試みる。戻り過ぎたり、まだ届かなかったり、時間をデジタル式に調整できないので苦労する。途中、猫…

食材を戻す

とある他人の家に侵入。食材を盗み、料理して食べようとしている。だが、途中で気が変わる。食材をもとの場所に戻し始める。雑巾を絞るようにして出汁を集めたりもした。すべて戻したところで、現れた家人に謝る。「申しわけありません。許してください」「…

宇宙問答

先輩らしき男との対話。「あなた宇宙か?」と彼が問うので「宇宙ではない。人だ」と答える。「では、私は宇宙か?」「違う。あなたも人だ」「だが、我々は宇宙の一部ではないか?」「そうだとしても、それは言葉の運用に過ぎない」みたいな、どうでもいいよ…

養生訓

疲れたら休め。よく口をゆすげ。足先を開いて歩け。メディアにすがるな。唾液は常に循環させよ。減ったら食べよ、八分目。糖類、人口甘味料は控えよ。不満、ストレス、溜めるなかれ。全方向、全空間、全構造を意識せよ。 Curing LessonsIf you get tired, ta…

認められない存在

典型的なミステリーの体裁で、環境問題を絡めた教育的な小説のシリーズがある。本当は実在しないのかもしれないが 少なくとも読んだ記憶はある。正直なところ、あまり面白くない。だが、小学校の教員である作者の熱意は感じる。面白くないのに存在を認められ…

おもちゃの戦車

舗装道路にしゃがむ。おもちゃの戦車をつかみ、地面に置く。すると、戦車に引かれておれの体が移動する。おもちゃでも戦車となると大したものだ。街には雨が降っていた。手を使ってないのになぜか傘を差していた。途中、わき道にそれる。帰宅するまでに乾電…

たむろする

友人の部屋でたむろしている。若い野郎ばかりだ。「おれ、普通科の人と話すの、初めてなんだ」「なんだそれ?」「おれのまわり、専門高校ばっかりだったんでね」「うそだろ。信じられねえな」やがて趣味の話になる。「おれは数学について語りたい」「らしく…

四隅の米

ごたつの大きなテーブルの上に皿を並べる。場所を変えての、食事会のようだ。春近いのか日差し明るく、実家の二階の広間は暖かい。亡くなったはずの親父の姿もある。テーブルの四隅に直接、米粒のようなものを撒くように、親族の誰かが置いている。皿数が足…

刻み海苔

店の女将(おかみ)に何事か説明していた。変なことがあったんだよね、みたいな。それはともかく、ある男と会食する予定だった。なのに、なぜか刻み海苔を頬張っている。とにかくこいつを片づけなければ、などと思いながら。発言内容の証拠隠滅だろうか。隣…

彼女の悪戯

ある声楽家に作曲を依頼してあったのだ。それができあがったという。カセットテープのようだ。早速、ラジカセで聴いてみる。本格的なオペラ風の歌になっていた。これを舞台にのせたら感動ものだろう。すぐ隣の女友だちと顔を見合わせ興奮する。そこに体育教…

ビル管理人

風圧でビルの根もとを押しつける装置がある。ブルトーザーの前部にあるブレードみたいなもの。ただし、調整がおかしい。そのため、風でビルが大いに揺れる。管理人に掛け合い、調整してもらおう。で、管理人がいると思われる浴室に入った。どちらも裸の男と…

文字アレルギー

僕の頭が文字を受けつけなくなった。文字を読みたくないのだ。ただし、文字を吐き出すことはできる。たとえば、こんなふうにね。 Character AllergyMy head stopped accepting letters.I don't want to read the letters.However, it is possible to spit ou…

テストドライバー

走る乗用車の後部座席にいる。友人が運転。助手席も友人。二人は興奮気味に運転テクを語っている。「そこでペタル離してハンドルを」とかなんとか。その直後の左折時、激しい横Gを感じた。なるほど、効果絶大だな。おれはチェックボードに記入する。免許証も…

沈黙の会議

着席した3人がテーブルを囲んでいる。私、成型加工会社の社長、知り合いの女。打ち合わせをしてる感じはない。しばらく黙って向き合っているだけ。私はテーブルにあった物体を手に取る。プラスチック製の折りたたみヘッドフォンか。これを参考にしての商品…

家の似顔絵

新幹線の中、長距離移動中だった。さらさらと絵を描く。伝説の人物に描いた絵を見せる。その人の名字を家として書き、かつその人の似顔絵にも見える、というもの。本人に喜んでいただけたようで嬉しい。 House CaricatureI was traveling a long distance on…